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短くてすみません……あんまり毎回同じくらいの長さにってのはできないですねぇ……
「アルド、本当にごめんなさい」
ようやく目を覚ました僕に、アンが必死に誤っていた。それはそうだろう、暗に吹き飛ばされた僕は、天幕の中央にあった柱にぶつかり、柱を叩き折っていたらしい。天幕ももちろん壊れてしまい、アンのあられもない姿が大勢に見られたらしいが、それも自業自得である。
しばらく、怒ったふりをしていたが、僕らはどちらもなく笑い出した。ひとしきり笑いあったあと、僕は今回の出来事についてアンに聞いていた。
アンは、危なげなくドラゴン二匹を退治したらしいのだが、ドラゴンが逃げていくのと入れ違いに、空から人が降ってきたらしい。
そいつは、魔王四天王の一人、アルトバイと名乗り。アンに戦いを挑んできたらしい、周りの兵士たちを人質にして。アンは勇者とはいえ、まだ新参者だし、魔王軍の将軍級ともなると、勇者複数人で当たるのが通常である。ましては、四天王にもなるとアンの手には負えないだろう。アンは、奮闘したものの友軍を逃がしたところで、四天王の大技を貰って敗れてしまったらしい。
唯一幸いといえるのは、瀕死のアンにとどめを刺すことがなく、仲間が救助するのを見送ったらしい。伝言とともに。
「我は、魔王軍四天王の一人アルトバイである。魔王の名を受けて人の国をもらい受けにきた。すべての勇者を我が元へと連れてこい、誰もかもを完膚なきまで打ちのめし、絶望を与えてやる。もし勇者の到着が遅れた場合、町が一つずつ滅びることになるであろう」
魔王、なんてどこか遠くの存在だと思っていた。勇者もまたそうである。前線はもっと先で、僕らの町に魔王軍がやってくることなんてなかった。今は横で笑ってくれているアンの傷ついた姿を思い出し、僕は一つの決心をする。
「ちょっと行ってくる」
「どこへ?」
こちらを見つめるアンの表情は真剣そのものだった。
「えーっと、さっきから実はトイレを我慢しててさ」
「もう」
僕は、そう言って天幕の外に出ると。
とっておきのカードを取り出した。
「無敵」
無敵(UR):1日の間無敵になる。
これまで一回も使ってこなかった、URのカードだ。
カードを使った瞬間に、なんだかなんでもできるような、全能感が身体を包んだような気がした。
効果のほどを試すこともなく、僕は自分の行くべきところへと歩きだした。
読んでくださってありがとうございます。
評価、ブックマークしていただいた方ありがとうございます!!
ストックは減ってきましたが、明日も順調にいけば、12時ごろに投稿する予定です。




