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つい出来心で投稿してしまいました。


『天才』という言葉がある。


僕たちの世界では、『天才』とは頭がよい人のことを示すのではなく、その文字が示すように、天から授かる才能、生まれ持った才能のことを示している。


天才は選ばれし人だけが持っているようなものではなく、誰でも持っているもので、15歳になり、教会で受才の儀式を受けると授かることが出来る。


商人の天才をもらえば、お金の計算や交渉に恩恵がうけられるし、剣や魔法の天才をもらえば、兵士や冒険者になるのに向いているだろう。

とはいえ、すべての天才が役に立つわけではなく、外れの天才もあって、村人の天才を貰うとその特性も、案内がうまくなるなど、役に立たないものばかりだ。

もちろん、非常レアな天才もあり、勇者の天才をもらえば、国の勇者候補になり、国からの支援が受けられるなど、将来は約束されたようなものである。


この僕、アルド・ノワルドもようやく15歳になり、今日の儀式に参加する少年少女たちの行列に並んでいた。

その少年少女のほとんどが、両親と一緒に列にならんでおり、今にも待ちきれない様子で自分の夢を両親に語っている。


自分の隣には誰もいないことを少し寂しく思うけども、裕福ではないのに子供が一人で今日まで生きていける財産を残してくれた両親を思い出す。

今日の儀式でいい才能を引き当てお金を稼いで、せめてもの親孝行に両親の墓を立派なものにすることを改めて決意する。


儀式を受けおわったのだろう、悲喜交々な様々な声を上げる人たちが、だんだん自分の前まで迫ってくる。


「では、次のもの。ワンドックの、アルド・ノワルド」


とうとう順番がやってきて、自分の名前が呼ばれた。


教会の敷地内に造られている立派な天幕で造られた儀式の会場に入ると、内装もテントとは思えないほど豪華で、これまでに見たことのないような荘厳なものだった。


中央には大きな水晶が台座の上に置かれており、その傍には教会の司祭、国から派遣されているのだろう上等な軽装鎧を着ている兵士、そして僕とほとんど同じくらいに見える……思わず言葉を失うような美しい少女がそこにはいた。


「さあ、こちらに来なさい」


司祭に呼ばれるままに、天幕を奥へと進んでいく。

天幕の奥には、大きな水晶が置かれており、その奥に少女が座っている。


おずおずと進んだ僕が、水晶の前に立ったのを確認すると、初めて少女が声を発した。


「手を」


腰のあたりまでにまでまっすぐ伸びた銀髪に、同じく色素の薄い目、肌。まるで、神殿の女神像のように整った顔立ち。わずかに色づいた頬が彼女が僕と同じ人間であることがようやくわかる。つまり、それくらい美しかった。


神父さんが僕の手を取って、水晶へと促してくれた。


「ほっほ、みな聖女を初めて見たときはそうなるんですよ」


小声で司祭が僕にささやいてくれた。


「手を」


聖女の言葉に、今度は両手をゆっくりと水晶へとかざす。


「…………」


聖女が何かを小さく唱えると目の前の水晶がの中心が淡く光りだした。


その光は、白色の小さな光から、赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫など、まるで虹色のように大きく輝きだした。


「これはっ、信じられん」


司祭が、思わず声を漏らす。

信じられないのは自分もだった。


授才の儀式において授かる才能の大きさは、その光の強さによって決まると言われている。

100年前に魔王を封じたという勇者アズメルクは、それは大きな赤い光とともに大勇者の天才を授かったらしい。


その後も、光は、時に強く明るく、弱く小さく、様々な色に輝くと、水晶の下にセットされている特殊な金属のプレートに文字を包んでいく。


「神の言葉をお伝えします。あなたは何者にでもなれ、何者にもなれない。確率の向こうにあなたの天才があるでしょう」


聖女は、プレートを手に取ると僕に渡してくれる。


そのプレートにはこう書いてあった。


『カチャの天才』

今日はもう1話投稿しようと思います。

ストックが尽きるまで毎日12時(昼)ごろに投稿するつもりです。

好評だったら頑張って続けようと思います。


ガラスのハートで感想受け付けない予定ですが、

ブックマーク、評価などで評価してもらえれば幸いです。


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