異世界での生活は普通希望です。
その日俺は、休日に家でアニメやゲームをやる気分にもなれず昼飯を買うためコンビニへ向かっていた
いつも使っている近道を使って向かう、その途中で奇妙なものに阻まれ、悩んでいた。
「異世界召喚かぁ…」
異世界召喚、高3になるともういいかなぁと思ってしまう
中学から高3になる前までは憧れた…いや今も少し憧れている
チートな能力で俺TUEeeee、助けた女の子と恋に落ちる
ハーレムを築く、国を築く、世界を救うetc…
異世界物の醍醐味といえるだろう
いまそのチャンスが目の前にある、しかし高3になるといろいろ考え方も変わった
親を残したまま突然消えるなんて俺には無理だ。
「というか、この召喚門?どっかで見たことがあるような…」
ゲートの形は縦に長い楕円だ、色は緑色に光り目の前に立ちふさがっている
おそらくあれをくぐればそこは異世界だろう
「だが俺はいかない、このチャンスはほかの誰かに譲ろう、うんそうしよう」
そう結論を出し踵を返し回り道をしようと後ろを振り返るとそこにもゲートがあった
「…なんなんですかね、返さないつもりですか?誰かほかの人に頼めよ…いやマジで」
そう愚痴っているとゲートが少しづつだが迫ってきた
「ちょ、ちょ待てよ!後ろにもゲート前にもゲート…アカン詰んだ
というかなんか早くなってきてね?!」
似てない、いやそうじゃない、
どうやら時間らしい早くしろと言うかの如く速度を上げて迫ってくる
「ま、待って!せめて別れの挨拶とかさせt...
焦っているうちにゲートに挟まれ異世界へと旅立った
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《~どこかの森~》
門に強制的に飛ばされてどれくらいたったのだろうか長かった気がするし、一瞬だった気もする
しかし問題はそこではない、今の問題は何処かわからない森に一人で、装備なしでいる現状だ
剣も盾もない状態で異世界の森に一人でいる…つまりそれは海の上で血に飢えたサメが泳いでるところに
出血した状態で飛び込むようなもの、自殺行為に他ならない。
「やばい、やばいやばいやばい!なぜだ!?どう考えても異世界召喚なのは分かるが
普通王城だろ!?なんで森なんだよ!馬ッ鹿じゃねぇの!!?」
焦っていてもしょうがない、何か対策を立てなければ、案としては1:森を抜ける
2:冒険者が偶然来るのを待つ、3:魔法的な何かが出せることに期待する
4:諦メロンもう冒険はおわりなんだよォオォォ!
…最後の案はなしだな、とりあえず今できること、3の案を試そう、きっと…そうきっとできる
異世界に来て最初に試される魔法と言えばこれだよな!
「ファイアーボール!」
雄二は 呪文を 唱えた
しかし なにも 起きなかった
発音か発音が悪いのか!?ならば
「Fire Ball!」
………
「我が内に秘められし魔力よ、炎の弾となりて敵を討て、ファイアーボール!」
………何も起きない、おかしい、こんなことは許されない。
普通こういう場面では使えるもの、あれか?スキル的な何かを取らないとだめなのか?
納得した。
一人、森で騒いでいると少し離れたところから微かに草が動く音がした
風に揺れる音と違い、動く物体が触れる音だ。
「…今、何か動いた?」
この場合考えられるのはいくつかある。
一番いいのは、たまたま通りかかった冒険者または木こり、二番目は木の精、ではなく気のせい
最悪なのは山賊または野生動物またはモンスター。
まずいな…今の状況は非常にまずいなぜなら武器ない、防具ない、明日はない
状態だからな…と、とりあえず木の棒を拾っておこう無いよりはましだ。
すると、音のした方向から何かがこっちに迷いなく近づいてくるのがなんとなくわかる
窮地に立っているからか、感覚が研ぎ澄まされているらしい。
近づいてきたってことは、気のせいではないという事
剣道なら中学の授業で少しだけやった…あんま覚えてないけど
それでも構えくらいは覚えている突然襲われても一発だけなら何とかなるはず
そして相手が人だったらきっと話せばわかる、たとえ山賊でも部下になって下っ端になることだってたぶん
できる…動物またはモンスターだった場合は?木に登ったりして逃げる!木上ったことないけどな!
次第に胸ぐらいの高さまである藪の向こう側から草木を掻き分けるような音が大きくなっていく
そしてついに藪が、ガサガサと音を立てると突然藪から跳びだしてきた
銀髪碧眼の美少女が………
こ、これは助かった…のか?
助かったんだよな?だってどう見てもこんな山賊なんかいないだろ?
いたら俺今日から山賊になるわ!
そう心の中で叫び改めて謎の美少女をよく見てみる
銀髪碧眼、身長は鳩尾ぐらいの高さ目元は儚いというか眠たげというかそんな感じな美少女!美少女!!
…ただぁ一つだけ、いや二つかな?不安要素があった
付いているのだ、硬くて立派なものが…いや、ナニじゃないよ?
頭に2本硬くて立派な角が付いてるんだよ、あと背中に羽、フェアリーでもエンジェルでもない羽だ
残るはデビルな感じの羽だ、つまりここから導き出せる答えは
まだ危機は去っていないということさ!
よぉし!まずは木の棒を落とし、次に両膝を地面につけるこの時点で敵意のないことをアピール
そして両手を前につき頭を地面を割る勢いで…はさすがに痛いのでゆっくり地面につける
そう!これが!これこそが!異世界で何かしたとき使えば平和的解決ができる日本が編み出した
最終兵器!
DO☆GE☆ZAだ!
あれ?何も反応が返ってこない…どうしたんだよ何かしらアクションを取ってくれよ
頭を上げるか?いやそれじゃ駄目だ、頭を上げていいのは相手が許してくれたら上げるものだ
そう考えているとまた藪がガサガサと音を立て始めた。
今は頭を下げているから見えないが恐らく仲間がいるのだろう
というかなんでこんなことになるんだよ…無理やり召喚されたと思ったら大ピンチって…
神様、仏さま女神さま助けてください、こんな時ばかり頼るなんてと思いますが助けてくださいお願いします。
あぁ、もうこの際魔王でもいい、なんでもしません命にかかわらないことなら常識の範囲ないのことならになんでもするんで
助けてください…あ、この2人の上司が魔王だったオワタ
さすがにもう頭を下げてる状況じゃないので頭を上げると
美少女ちゃんがこっちを指を指しながら漢(誤字にあらず)の悪魔さんに向かって何か言っている…言葉はわからん意味不明
ここにきて言葉が通じないとかダメじゃん!あと美少女ちゃん、人に向かって指を指しちゃ駄目だからね?
とくだらなくないことを考えてると漢のほうが頷き近づいてくる
右手に黒い何かを出しながら
駄目だ終わった、猿にもわかる、あれデビルちゃう!サタンや!
このとてつもない圧迫感まさしく魔王だよ、エンカウントどうなってやがる
やってられるかこんなクソゲー、俺は帰らせてもらう!
次第に漢改め魔王が近づいてきてとうとうその距離はほぼゼロとなり
黒い何かを出している右手が頭に近づいてくる
これあれだ、よくて闇落ちパターン、悪くて頭がパーン!だな
あ、頭に右手ががががが、あぁ…意識が…遠のいて……
意識が無くなる直前、見たのは謎の美少女の嬉しそうな笑顔だった
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《どこかの部屋》
目が覚める、徐々に意識が覚醒し、意識がなくなる前のことを思い出し飛び起き、辺りを警戒する
そして今この部屋に自分以外誰もいないことが分かった
しかし、ここで重大なミスに気が付いた
「しまった!人生で行ってみたい言葉の一つ『知らない天井だ』を言い忘れた!やり直しを要求する!」
そしてベットに入りもう一度目を覚ますところから始めようとすると首になにかが付いてるのに気が付いた
それは首輪のようなものだった首につけているから色とかわからんけど首輪なのはなんとなくわかった
「首輪…首輪ぁ!?あれですか?今俺のステータスが見れるならジョブが異世界人と勇者じゃなくて
奴隷ってなってr『ステータスを表示します』フェイ!?」
突然目の前に薄い青みがかった向こうが少し透けて見えるモニターが現れたさらにそこには今の自分の状態などが書かれていた
【ステータス】
【守田 雄二・男・18】
【ジョブ】
アリスのペット
【能力値】
Lv.1
ATK 7
DEX 3
INT 6
MEN 20
AGL 5
GRD 5
MPR 0
LUC 40
【スキル】
・鑑定Lv1 ・アイテムストレージLv1 ・投擲Lv1
【オリジナルスキル】
・武器召喚Lv1…登録した武器をタイムラグなしに瞬時に出すことができる※現在1本まで登録可能
【装備品・所持アイテム】
私服…GRDが4上がる
財布…中にはあまり入ってない
【ステータスPT】0
神様は見捨ててなんかなかったオリジナルスキルなんていうサプライズを…
っておい!なんだよアリスのペットって!奴隷じゃなくてうれしいけどペットはペットで嫌だぞ!
きっとこの首輪が原因だな、鑑定があるし使ってみようじゃないか、こういうのは言葉に出さなくても使えるはず
…『鑑定』!
【首輪】
・これをはめるとはめた人が主人になるんじゃない?
説明適当だな!?え?大丈夫?こんなスキルで大丈夫か?
ジョブはペット、スキルは適当、おまけにステータスはよくわからん、最後の希望はオリジナルスキルだが
俺は生きていけるのか?そして、ペットってなにされるんだよ…
こうご期待ってか?やかましいわ!