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毒娘カンタレラ、スラフィス・ランペールと出会う

スラフィス・ランペール。

その名を知らないわけがない。


カンタレラも『妹』も、大好きな物語の主人公の名前だった。


本によれば、英雄の物語は八年前に始まる。

東の国には狂った王がいて、私情で始めた戦争に、多くの者が巻き込まれた。

王の兵士は皆死んだが、スラフィス・ランペールだけは例外だった。

彼は只一人、鬼火の谷の戦場を生き残り、狂王を倒す。

王を狂わせた悪魔との因縁の始まりである。


英雄は悪魔を追い、または追われ、途中竜や魔女や神と出会う。


砂漠の中の塔にさえ十冊以上あったその物語は、全て真実との触れ込みで、

そうである以上、必然的に英雄も実在するということになるわけだが――




「今、何と言ったの……」


カンタレラがリンドンの言葉を理解するのには、ずいぶんと時間がかかってしまった。


「聞こえてるだろ。ほら、行くよ」


もちろん聞こえてはいたし、千里眼をもつリンドンにその事実が見えていることも理解できる。

理解はできるが、とっさに動くことができなかった。


「なにボサッとしてんだい。万能の解毒薬が存在するってことにするなら、英雄だって存在しなきゃ理屈がおかしいだろう」


「それは、そうなのだけれど」


リンドンは返事を最後まで聞くこともせず、踵を返してスタスタと歩いて行く。

カンタレラもしかたなく後を追った。


青年の周りにはまだ少し人がいた。

見たところ職人が多いようだった。

砂漠の男は逞しい。いかにも気性の荒そうな男たちが豪快に笑う姿は近寄りがたいものだったが、リンドンはかまわず中に割って入った。


「あ? なんだバァさん」


金篦を腰にぶらさげた男が誰何しても、老婆は一瞥すらくれない。

リンドンはそのままツカツカと進み、青年の前で足を止めた。


「スラフィス・ランペール。話があるんだ」


老婆はテーブルの前で仁王立ちしたまま、

カンタレラの方を顎で示した。


「あの子がね」


「え……?」


周囲の視線が一斉に集中し、カンタレラは戸惑った。

楽しい雰囲気を壊されて、明らかに不機嫌そうな男たちの視線。視線。

リンドンを横目で伺っても老婆は涼しい顔。どうにも己でなんとかしなければならないらしい。


カンタレラは周囲に気取られぬよう小さく息を吸い込むと、青年の顔をまっすぐに見た。


平凡な顔立ちだった。決して醜男ではないが、色男とも言いがたい。

不思議そうにこちらを見上げている瞳の色は穏やかで、だが意思が強そうでもあり、

怒らせたら恐ろしいが、よほどの不条理がなければ怒ることはないだろうといった印象を受けた。


「どした? 何か用か?」


青年は不思議そうに笑う。

食事の邪魔をした得体の知れない娘が相手だというのに、尋ねる声も優しげだった。


「あの、貴方が英雄スラフィス・ランペールだと聞いたのだけれど」


次の瞬間、周囲でドッと笑い声が起った。

青年を囲んで酒を飲んでいた男たちが、一斉に笑い出したのだ。

いったいどうしたのだろう。半ば困惑しながら青年の様子を伺うと、

彼は周囲とは対称的に、疲れた様子でカクリと頭を垂れた。


「あの……」


「ああ、……うん。そうだよ。まぁ……間違ってない」


力なく続けられた言葉に、また盛大に笑い声が上がった。

男たちは酔いに任せて大笑いしながら、うなだれた青年の背中をバンバンと叩いた。


「おいおいスラフィス、これで何人目だよ! この人気者!」


「あっはは、お嬢ちゃん、こいつの二つ名教えてやるよ。『見かけ倒し』のスラフィスってんだ」


「見かけ……倒し……?」


「そうそう。それから『張りぼて』のスラフィス」


「てめぇら。その名で呼ぶんじゃねぇって言っただろ」


青年――名はスラフィスで間違いないのだろう――は顔を上げ、一番強く背を叩いていた男の手を捻り上げた。


「いてっ。いててててて」


「俺の心はもっと痛ぇよ」


どちらも笑ってはいるから、さほど深刻なやりとりでもないのだろう。

スラフィス・ランペールは男の腕を捻り上げたまま、カンタレラに苦笑を向けた。


「夢を壊すようで申し訳ないけど、先に言っとくよ。

俺はドラゴンなんて退治してないし、王の暗殺もしてない。結婚もしてないし、魔法も使えない」


その言葉を理解するのにも、少し時間が必要だった。


「では……物語は、全て偽りと言うこと?」


「おーいおいおい。おじょーちゃんはあんなの信じてたのか? あれだろ? 英雄スラフィスランペール様の物語! ありゃあこいつをモデルに書かれた嘘話だよ」


「モデル……?」


「そ。物語通りなのは名前と顔と出身地ってなもんで、本物のスラフィスはこの通りよ。あんな馬鹿話信じるなんて、じょーちゃんはそんなんでよく今まで生きて」


「るせぇよ今俺と話してるだろが」


スラフィスはまた別の男の腕を捻り上げる。

穏やかそうだと思っていたが、存外血の気が多いようだ。


スラフィスは男の関節を固定したまま、申し訳なさそうにカンタレラを見た。


「悪いな。そんなわけで俺はたぶん君の役に立てそうにない。なんか頼みがあったんだろ。ごめんな」


「私は……」


「その子はね、アンタの爪を借りたいんだよ」


今まで黙っていたリンドンの一言で、空気が変わった。


スラフィスの纏う雰囲気が、表情が一瞬で変化する。

榛色の目が静かに細くなり、男の関節から手が離された。


「ばぁさん。今……何て言った」


「どいつも聞こえないフリをするんじゃないよ。爪を借りたいんだ。探しものがあるもんでね」


青年の手は、いつの間にか剣の柄にかけられていた。


「……どこで聞いた」


「見ればわかるんだよ。アタシにはね。アンタも探しものをする気持ちはわかるだろ。

もう……二年かい?」


「誰から聞いた」


「めんどくさいね。見たらわかると言ってるだろ。なんならアンタの朝食を当ててもいいし、母親の好物を当ててもいい。それとも、その首からぶら下がってる物が何か当てようか」


「ばぁさん。まさか……千里眼だとでも言うわけじゃないだろうな」


「『英雄』が今更驚くことでもないだろ。いたいけな娘が困ってんだ。力になっておくれよ」


スラフィスはしばらくの間、値踏みをするようにリンドンを見ていたが、やがて諦めたように立ち上がり、榛色の目をカンタレラに向けた。


「外に出よう。ここじゃ話にくい」




いつの間にか、日はすっかり暮れていた。


店の外に出たスラフィスは、そのままスタスタと歩き始める。

カンタレラは後に続こうとしたが、リンドンは門柱のとことで足を止めた。


「リンドン……?」


老婆はその場を動こうとはせず、代わりに顎で「行きな」と示される。

カンタレラは一瞬戸惑ったが、スラフィスはもうずいぶん先だ。

ここまで来た以上、この老婆に従うより他にないだろう。諦めて青年の後を追うことにした。


「そんで、何を探してるんだ?」


大通りを外れ、周囲に人影が少なくなってから、スラフィスはやっと振り返った。


「薬を……」


「病人か?」


「『妹』が毒に犯されているの。普通の毒消しではきかないから」


「あー……。あれか。ドラゴンの話にでてきた万能薬だろ」


青年は察したように頷いて、再び申し訳なさそうに眉毛を下げる。


「やっぱり、あれも存在しないものなの?」


「少なくとも……あの話はデタラメだ」


「そう……」


「なぁ、普通の医者じゃ本当にダメなのか」


「絶対にダメな訳があるの。教えなくてはいけない?」


「いや、別にいいけどさ」


視線が合った。

スラフィスはリンドンが『毒娘』を見抜いたときにしたように、カンタレラの顔をじっと見る。


やがて彼は軽く肩を竦めると、近くの壁にもたれかかった。

砂漠の夜は寒い。カンタレラは一瞬体を震わせた。


「あの話はデタラメだ。迷惑な法螺吹きが勝手に書いた話だよ。だけど俺みたいにモデルがいる。だから、薬が存在しない証明にもならない」


「本当……!?」


「『爪』がどういうものかは知ってるか?」


「いえ……リンドンからは何も。ただ貴方に、薬の場所を訊けとだけ」


夜の闇の中、灯りは家々の窓から漏れる僅かなものしかない。

それでも、スラフィスがまた疲れ切った顔をしたのがわかった。


「なんなんだよあのバアさん」


「私も良くはわからないの。ただ助けてくれると言うので」


「そっかぁ……」


彼は青銀の髪を少し掻き回すと、上着のポケットに手を入れ、何かを掴んでからカンタレラの方に差し出した。


「見てみ」


広げられた手には、白い爪のようなものが載っていた。

何の動物のものだろう。大きさはカンタレラの親指くらい。人間にしては大きすぎ、鋭すぎる。

虎の爪? 獅子の爪? 思い浮かぶんだもの全てと違うように思われた。


「俺はちょっと変なものに縁があってさ。言ってみれば『悪魔の爪』だな」


「悪魔……?」


カンタレラは改めてそれを見た。

骨を削って尖らせたような白い爪。持ち主は凶暴な生物なのだろうとは思うけれど、禍々しさは感じられない。


「待って。英雄の物語はデタラメだったのではないの? 貴方は竜にも悪魔に会ってはいないのでしょう?」


「『王を狂わせた悪魔』なんてのは知らないよ。けどこいつは本物だ。探し物を言うとさ、それがある方向を教えてくれるんだ」


……今日は、信じられないことばかりが起る日だ。


「たとえば、そうだな……。リンドンばぁさんに会いたい」


スラフィスは手を持ち上げ、爪に向かって囁いた。

すると不思議なことが起った。


誰も触っていないのに、爪はスラフィスの掌からふわりと浮き上がり、くるくると回転したかと思うとピタリと止まった。

先ほどの店の方向である。


「ばぁさん、どこにも行ってないみたいだな」


スラフィスは爪を握ると、元来た道を戻り始める。

カンタレラも慌てて後に続いた。

角を曲がればすぐにさっきの店の前に来る。リンドンは涼しい顔で、門柱にもたれかかっていた。


「ほらいた」


スラフィスが老婆を指差しながらそう呟いた。

次の瞬間、


彼の人差し指から突然血が噴き出した。


「スラフィス!?」


「痛てて。けっこう切れたなぁ」


驚くカンタレラと対照的に、青年は動じた様子もなく自分の指を口にくわえる。


「どうしたの? なぜ、怪我をしたの?」


「ばぁさんを見つけたからな。この爪はそういうふうにできてんだ」


スラフィスは人差し指の血を舐め取ると、夜風で乾かすつもりなのか、ヒラヒラと手を振りながら答えた。


「悪魔ってのはそういうわけだ。こいつは探しものの方向を教えてくれる。だけどそれが見つかったら、代りに対価を持っていく。

俺は今、元々ばぁさんの居場所を知ってたから、指先が切れるくらいで済んだ。

だけど探すのが困難なものだったり、どうしても見つけたい大切なものだったりしたら、対価はどんどんデカくなる」


「どのくらい……?」


「さぁな。俺の知ってる例だと、指輪を見つけた途端に指を失ったり、五枚一組の絵の最後の一枚を見つけた途端に他の四枚が燃えたなんてヤツもいる」


白い爪が、もう一度カンタレラの目の前に差し出された。


「割に合わないだろ? だから俺はあまり薦めたくない。使いたいなら貸してやるけど、覚悟が必要だぞ。どうする?」


「もちろん。借りたいのだわ」


躊躇なく答えると、青年はその目を少し見開いた。


「ちゃんと訊いてたか? 妹さんの命を助ける薬だろ。もしこの世に存在するとしても、見つけるのもそうとう難しいはずだ。シャレにならないような対価を持ってかれるぞ」


「もちろん、薬の代りとして『妹』が死んでしまったりしたら困るのだけれど。何を取られるかはわからないの?」


「まぁ……方向を聞くだけ聞いておいて、対価が気に入らなきゃ見つけないってことはできるけどな」


「それは好都合なのだわ。貸してもらえるかしら」


ずいと手を差し出すと、スラフィスは焦ったようだった。


「待てって。妹さんの命じゃなくたって、他にも何を要求されるか」


「どの道今の私の人生に意味などないのだもの。何を奪われたところで些かの痛痒も覚えないと思うのだわ」


スラフィスは一度目を瞬かせて、それからカンタレラの顔を見た。


「……あんた、普通じゃねぇな」


「貴方が変なものに縁があるという話、私も異論はないのだわ」


「……ふぅん」


大きく溜息。続いて青年は爪を頭上に放り投げてキャッチした。


「そんなに妹さんを助けたいのか」


カンタレラは少し考え込んだ。


「私にもわからないのだわ」


「……質問を変える。そんなに薬を手に入れたいのか」


「それはその通りなのだわ」


いきなり爪をひょいと投げてよこされて、カンタレラは慌てて受け取った。


「いきなり投げるものではないわ」


「取れたんだからいいだろ」


にべもない。


スラフィスは呆れた様に肩を竦めると、ふっと息を吐き出した。


「俺は反対だからな。自分で決めて自分でやりな」


「スラフィス」


「なんだよ」


「ありがとう」


「礼を言われる筋合いはねぇよ」


カンタレラは苦笑した。

改めて、受け取った爪を見る。白い欠片はピクリとも動かない。


「これはどう使うの?」


「話しかければいい」


「そう言われても……」


……なんと話しかければいいのだろう。


カンタレラは爪をじっと見つ詰めてみた。

夜の闇の中で、ほんの少し光っているように見えるが、やはり動く気配はない。


「……貴方、名前はなんというの」


…………。


…………。



『……モルモ』


「スラフィス! この爪返事をしたわ!」


「そりゃするよ」


スラフィスは壁にもたれかかったままあっさりと答える。

確かに話しかけろというからには、返事くらいしてもおかしくはないのだろう。

カンタレラは気を取り直して口を開いた。


「モルモ、私はどんな毒でも無効にできる、万能の解毒薬を探しているの。貴方は薬の場所を知っている? ……そんなものが、本当に存在するならばだけれど」


カタリ、と背後で音がした。


「っ……!」


肩を何かに掴まれて、カンタレラは体を強ばらせた。


カタカタカタ……背後で乾いた音がする。

そう思ったとたんに肩に爪が食い込んだ。


骨だ。


いつの間にか何かの骨が、カンタレラの体に絡みついていた。

思わず息を呑む。肩にキリキリと痛みがはしり、耳元で乾いた歯の打ち鳴らされる音がする。


『……代わりに、カンタレラはモルモに何を払う?』


「貴方の望むものでかまわないのだわ」


掌にあるのと同じ白い爪が四本、視界の隅でカリカリと頬を掻いている。

血が出なればよいのだけれどと考えた。


『お前の……』


「なに?」


『お前の……命を……』


「承知したわ」


一瞬、頬に鋭い痛みが走った。

と同時に体に巻き付いていたはずの骨の気配が霧散する。


「どうだった?」


いつの間にか目の前にスラフィスがいて――いや、彼はずっとそこにいたはずだ。なぜ忘れていたのだろう――少し心配そうに尋ねてきた。


「合意したわ」


答えると同時に、掌で何かが動く感覚があった。



カンタレラが視線を落とすと、手袋の上でくるくると爪が回っていた。


くるくると、くるくると回り

そして爪は、ピタリと止まった。

鋭い切っ先は北を指していた。


これは……。


「これはつまり……。薬は、存在するということ?」


信じられない気持ちのまま呟くと、耳元でまた骨の音がした。


『……モルモは嘘をつかない。モルモはスラフィスとは違うから』


「誰が嘘つきだ誰が」


スラフィスは呆れたように言いながら手を開く。そこには渡されたはずの白い欠片がまた載っていた。

驚いたが、カンタレラの手にも確かに爪はある。

どうやら増やせるものらしい。

スラフィスは自分の掌の欠片を指先で弾いた。


『……痛い。スラフィスはモルモを大切にしない』


「大事にされたきゃ口の利き方に気をつけろ。……頼りにはしてるよ」


カンタレラは目をぱちくりさせた。


「スラフィスはモルモと仲が良いの?」


『……モルモとスラフィスは……とてもとても仲良し……』


「嘘を教えるな。嘘を」


スラフィスは面倒臭そうに自分の手の爪をポケットにしまった。


「じゃ、それ貸してやるよ。だけど対価が惜しくなったら、いつでも探すのをやめるんだぞ」


「惜しくなることは、おそらくないと思うのだけれど」


苦笑された。


「そう言わずにさ、別の方法もあるかもしれないってことくらいは、頭の隅に残しとけよ」


カンタレラは首を傾げた、カンタレラも『愚か』も全身が毒に染まってしまっているのだから、薬を見つける以外の方法などありはしないと思われた。


「貴方は優しい人ね。スラフィス」


「なんだよ急に」


「思ったことを言っただけなのだわ」


「そりゃどうも」


背後で骨の音がして、耳元にチラリとガイコツの歯が見えた。

骨を鳴らしながらモルモが笑っている。


「何がおかしいの?」


『……モルモはスラフィスがカンタレラの心配をしているのがおかしい』


振り返ると、ぼこりと穴の空いた骸骨の目がそこにあった。

眼球のないその目が、じっとカンタレラの顔を見ている。


『……スラフィスが……自分はモルモと契約しているのに、人がモルモと契約するのを止めるのが……モルモは面白くて仕方がない』


「るせぇな。人間ってのは複雑なんだよ」


骸骨はカタカタを歯を鳴らして笑うと、現れたときと同じようにふっと消えた。

肩に食い込んだ切先の痛みがゆっくりと薄れいくのを感じながら、カンタレラは首を傾げた。


「骨というのは、もっと無口なものだと思っていたのだわ」


「個性ってもんがあるさ。それはそうと、待たせてるヤツはいいのか?」


「リンドンのこと?」


「いや、そこの角からこっち見てるヤツだ。知り合いじゃないのか?」


後方を親指で示され、カンタレラは不思議に思って振り返った。


暗闇には誰も見えない。


「誰か、いるの……?」


やがてカサリと砂を踏む音がして、土壁の影から人が姿を現した。


「貴方……」


薄明かりに照らされたのは、昼間助けた少年だった。街角に不釣り合いな豪華な服は見間違いようがない。

おずおずとこちらに近付いてくる姿を見て、カンタレラはポカンと口開けた。



少年が抱えていたのは、無くしたはずのカンタレラの荷物だった。

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