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卒業から

作者: 竹中 前

卒業式から一週間と少しが経った。

やっと卒業を実感した。


だって、もうみんなの笑った顔が思い出せなくなっているから。


それは途轍もない悲しみと寂しさを感じさせる。


みんな、それぞれの道へ、一歩を踏み出すための準備をしている。

そのための春休みだ。

けれど、ことあるごとに、積みあがっていた思い出が頭に過る。


こんなに泣き虫だったかな、って。こんなに寂しがり屋だったかな、って。


三年間という月日の中で積みあがった思い出というものは、

本当に充実していて、心の底から楽しかった。


緊張しながら自己紹介をして仲良くなれた日、馬鹿なことで大騒ぎして笑いあった日、

些細な言い合いから喧嘩をした日、苛立ちから友達を傷つけて泣いた日。


別れが辛くて大泣きした日。


胸に沁みている感情が確かにその日、卒業式の日にみんなの心にもあったこと、信じてもいいだろうか。

みんなも私と一緒で会えなくなる日々が寂しいと思ってくれているのだろうか。


私は寂しいです。私はまたみんなと馬鹿騒ぎしたいです。


また新しい生活の中に私たちは溶けていく。

大勢の人々の中で、大声で自分の存在を叫ぶ日々に戻るのだろう。


だから今だけこの寂しさに溺れよう。

でも明日は。


明日からは、笑顔で太陽を見上げて、未来を、その先を見据えよう。

楽しいことばかりじゃないけれど、それもまた一興、でしょう?


お粗末さまでした。みんなにまた会いたいです。

寂しがり屋の私を嗤ってください。

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