第八章 企画って何だろう?
トレランの真似事を始めて数年。
昨年あたりから、ようやく自身のスタイルができた感じだ。
自由に、ある意味においては適当に企画し、皆とトレイルを楽しむスタイル。
しかしながら、事故に遭遇したり、事故の話を聞いたりし、今までのようスタイルでいいのだろうかと思うようになった。
今の自身の企画のスタイルはこんな感じ。
(1)企画の媒体
SNSの機能
(2)企画の趣旨
トレイルで楽しむため(速くなるためではない)
(3)参加対象
SNSでの友人(SNSにて”友人まで公開”)
(4)レベル
原則、明示なし
ただし、ほとんどが初級(参加者にあわせ、多少アレンジあり)
(5)コース説明
鎌倉、逗子・葉山の場合、スタート、ゴール、主な通過ポイントのみ事前告知、その他の場合は、コース説明有り
(6)場所
鎌倉、逗子・葉山を中心に
その他の場合は、参加者のうち、少なくとも1人がわかる場所
(7)参加者の名前、連絡先の把握
原則、事前実施(SNSの同報メッセージ機能を用いて)
自宅連絡先など緊急連絡先は把握せず(試みたが個人イベントでは難しい)
(8)保険
レジャー保険等はかけていない
上述の理由
・日記などを見ていただき、企画の趣旨などを理解してくれている方のみを対象とすべく、SNSでの友人のみを対象(友人を連れてくる場合を除く)
・SNSの参加となるため、事前に走力、経験等を把握し、コース、隊列等、企画運営を円滑に行なうことができる
・エントリーなきドタ参の原則、禁止。公には、ドタ参禁止としていないが、ドタ参歓迎といった言葉は使用していない。(事前に、当方の連絡先を伝え、参加者の連絡先を把握しておくためと円滑な企画運営のため。)
・SNSの同報メッセージ機能による連絡先等のやりとりが一般的な使用方法。しかし、実際には、メッセージの反応によってその人の考え方・行動パターンを把握するためにも活用している。要返答にもかかわらず、返答がない人は注意事項などをきちんと読んでいなかったり、チームとして活動することに思慮が欠けていたりする人が多い。
・特定のコミュニティにて企画しないのは、自身が複数のコミュニティに属しているため、特定のコミュ所属の方のみの参加では個人的にやりづらいためとコミュのイベントとバッティングなどの際に調整の必要があるため。
しかし、このスタイルにも限界を感じ始めているのが実状である。
少し休んでいる間。
以前から読んでみたいと思っていた「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか~低体温症と事故の教訓~」を手にした。
「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか~低体温症と事故の教訓~」
第1章 大量遭難
第2章 証言
第3章 気象遭難
第4章 低体温症
低体温症との接点
低体温症の基礎
トムラウシ山パーティの低体温症
他パーティの低体温症
低体温症の医学的考察
多様な病態を示す低体温症
第5章 運動生理学
第6章 ツアー登山
ツアー会社は山のリスクを認識していたか
安全配慮義務と旅程保証義務
ガイドの資格問題
商品に反映されるツアー客のレベル
それでもツアー登山に参加するワケ
ツアー登山と自己責任
低体温症など項目にも興味はあったが。
この1年、企画のあり方に試行錯誤してきたこともあり。
第6章のツアー登山に興味をもった。
ツアー登山とは、自分たちが計画立案することなく、他人がつくったプランに100パーセント依存し、初めてあう人と初めてパーティを組み、信頼できるかどうかわからないガイドに連れられて山に登る形式である。
我々のトレランとどう違うのだろう。
どこにリスクがあるのだろう。
【参考】
「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか~低体温症と事故の教訓~」の第4章「低体温症」の「他パーティの低体温症」の中で、「日本山岳耐久レース」での事例が取り上げられている。
2005年、一名がレース中に低体温症になる。
<中略>
競技スタッフが道端に休んでいる競技者を発見し、…
びしょ濡れの状態で、意識が朦朧としていた。
低体温症を疑い、…
<中略>
発見が早かったこと、諦めないで心肺組成をしたこと、ペットボトルの湯たんぽで温めたこと、そして「低体温症の知識」があったことが、山中での低体温症患者を救った要因である。