ぐちゃぐちゃな愛
どうやって人を愛すればいいのかなんて子供のころ、誰も教えてくれなかった。
だからなのかは分からない。
私は22歳で結婚をした。
ただ、私は家族が欲しかった。
昔コマーシャルで見たような家族。
絵に描いたように仲良く夫婦が年を取り、おじいちゃん・おばあちゃんになっても二人かたく手を繋ぐような夫婦。
そんな夫婦になりたかった。
だけど現実は違っていた。
私は25歳で離婚をし、26歳であなたと出会い30歳になる今、一緒に暮らしている。
あなたは私がすることに本気で怒ったことはただの一度もなかった。
私以外の人はあなたを恐い人間だと言っていたのに、あなたは私を一度も叱らなかった。
たとえば、私が洗濯機のフタを閉め忘れたときも。
たとえば、私が野菜を炒めているフライパンから具が落ちようとも。
あなたは決して叱らなかった。
だから私はあなたに甘えてしまったのだろう。
あなたが好き。
その愛はいつしか歪み始めていた。
あなたが好きだから、あなたをぐちゃぐちゃに傷つけたい。
こんな感情をだれが理解してくれるのだろう。
きっと自分でも理解できない苦しさからあなたに告白したのだと今になって思う。
だって私は、22歳で結婚をして切符をわざとではないにしろ線路ではない地面に落としただけで、殴られていた。
生きる価値がないと散々言われ、壁に頭を打ち付けられ、お腹を足で殴られ、びりびりに破れたパジャマで家から追い出されていた。
そんな夫婦生活を送っていた私に愛を表現することなど可能なのだろうか?
毎晩、警察に保護をされていた私がそれでもあなたと出会い、あなたを傷つけないよう、
元旦那と同類の人種にならないよう努めていたが、行き着くところは同じだった。
だから私は告白をした。
あなたを傷つける前に醜い私を知って欲しかった。
あなたたは私と一生の人生を望んでくれている。
だけど私は恐い。
あなたと、いつか生まれてきて欲しい子供に私はぐちゃぐちゃな愛を与えてしまうかもしれない。
だから告白したのだ。
あなたをぐちゃぐちゃに傷つけたい。
好きだから。好きだからどう表現したらいいのか分からないのだ。
そんな私をあなたは叱ってくれた。
てっきりいつものように「どんなことでも受け止めるよ。大丈夫だよ」
そう言ってくれると思っていた。
だけどあなたは私を叱り、ぐちゃぐちゃな愛から救い出してくれた。
もし救ってくれなければ、あなたを地獄に引き連れ私たちは終わっていたかもしれない。
どうやって人を愛すればいいのかなんて子供のころ、誰も教えてくれなかった。
誰も教わっていなかったのかもしれない。
私は思い出した。
あなたと出会い、男性が恐く感じてたころ抱きしめられるだけで体が固まっていた。
キスをするだけで全身が震えていた。
恐ろしい夢を見るたびにあなたは「大丈夫だよ」と抱きしめてくれていた。
あなただけは信じられる男性で、あなただけが唯一私を信じてくれる男性であった。
私のぐちゃぐちゃな愛は、ひょっこりまた顔を出すかもしれない。
だけど私はあなたから教わった愛を忘れないであなたと生きていこうと思う。
忘れてしまったとき一番に、あなたがそばにいてほしいから・・・。
眠れない夜に書きました。
正直な話、ノンフィクション99%です。
そう書いてみてフィクションの部分を考えてみましたが、見当たらないように感じます^^;
ただ感謝の気持ちを残してみたくて書いてみたらラブレターになってしまってたことに後から気がつきましたが、大切に思う人を大切にして欲しい。
そんな思いで書いた作品です。