表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第一話 「封鎖」

 雨だった。


 深夜二時。

 高校二年の神谷レンは、コンビニ帰りに人気のない交差点を歩いていた。


 スマホには「外出を控えてください」という通知が大量に届いている。


 原因不明の暴動。

 市内各地で発生した傷害事件。

 ニュースではそう報道されていた。


「なんか今日、警察多くね……?」


 遠くでサイレンが響く。


 赤色灯が雨を切り裂き、道路を染める。


 その時だった。


 ――ドンッ!!


 前方のコンビニから、ひとりの男がガラスを突き破って飛び出してきた。


 全身血まみれ。

 片腕はありえない方向に曲がっている。


「うわっ!?」


 男は倒れたまま動かない。


 だが次の瞬間――


 グギギギ……


 不自然な音を立てながら、ゆっくり起き上がった。


「……は?」


 男の顔は青白く、目は濁っていた。


 口元から血を垂らしながら、レンの方へ歩いてくる。


 一歩。

 また一歩。


「だ、大丈夫ですか!?」


 レンが声をかけた瞬間。


 男は突然、獣のような速度で飛びかかってきた。


「ッ!?」


 間一髪で避ける。


 男は地面に倒れたが、すぐに這いながらレンの足を掴もうとしてくる。


「なんなんだよお前!!」


 レンは恐怖のまま蹴り飛ばし、全力で走った。


 背後から聞こえる低い唸り声。


 そして。


 街のあちこちから悲鳴が響き始めた。


 レンは近くの立体駐車場へ逃げ込んだ。


 息が切れる。


「ハァ……ハァ……」


 すると、上階から誰かが降りてきた。


「止まって!」


 懐中電灯を向けてきたのは、黒いパーカー姿の少女だった。


 短い黒髪。

 鋭い目。


 同年代くらいに見える。


「お前……噛まれてないよな?」


「え……?」


「腕見せろ」


 レンは戸惑いながら袖をまくった。


 少女は数秒確認すると、小さく息を吐いた。


「感染してないならいい」


「感染ってなんだよ! あいつら何なんだ!?」


 少女は真剣な顔で言った。


「死人みたいな連中。噛まれると終わり」


「は……?」


「今、この街は崩壊してる」


 その瞬間。


 下の階から大量の足音が響いた。


 ドン……ドン……ドン……


 レンが恐る恐る下を見る。


 そこには。


 血まみれの人間たちが、無数に集まっていた。


 全員がこちらを見上げている。


「……嘘だろ」


 少女は銃を構えた。


「逃げるよ。生きたいなら」


 雨音の中。


 感染都市での、生存戦争が始まった。


次回予告


第二話「隔離区域」

封鎖された街。

レンたちは生存者を探すため、巨大ショッピングモールへ向かう――。

もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、

画面下の【ブックマーク登録】と、【評価の★★★★★】をぽちっと押して応援していただけると、執筆の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ