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第六章 scene1 前世からの学び

ふいに、マリアナの胸の奥で何かが弾けた。


(……そうだ。わたし、前は――ただの大学生だった)


頭の中に、懐かしい映像が流れ込む。


教室。

ディスカッション。

ニュースアプリ。

政治の話題に、みんな嫌そうな顔をしていた。


「どうせ何も変わらない」

「私一人が言ったって無意味」

「政治は偉い人がやること」


そう言って、スマホを閉じて――

それでも心のどこかで、

“変えたい社会”を諦めきれていなかった人たち。


(……あの世界は、少なくとも“声を出す場所”はあったんだ)


記憶がつながる。


学生会。

市民団体。

署名活動。

公開討論。

説明責任。

透明性。


――“民衆の声を、国に届ける橋”が、あった。


 マリアナは息をのみ、震えた。


(この国には“泣く場所”はあっても、“願いを未来に届ける場所”がない)


だから恐怖だけが広がる。

だから支配が成立する。

だから、人は“諦める”。


そして、思考が一気に加速する。


(イリスは“支配”で国を取る)

(じゃあ私たちは――“参加”で国を奪い返す)


 


王族だけの政治じゃない。

貴族だけの政治でもない。


“王国再建評議会”

――ただの政治機関にしてはいけない


国の象徴。

軍と政治を繋ぐ柱。

そして――

民衆の意思を、初めて“正式に王へ届かせる席”。

主役は、国民。


胸が熱くなる。


怖さも消えない。

責任も重い。

でもこれなら、“国は変われる”。


 


マリアナは唇を噛み、笑った。


(前世は何もできなかった大学生。でも今は違う)

(私はこの世界で“未来を選べる場所”を作る)


 


誰かに与えられた救済じゃない。


国の人たち自身が、“自分たちの国を選べる未来”。


 


マリアナは静かに目を開いた。


「――やろう。

王国再建評議会。

“この国の声を、未来へ繋ぐ場所”を作る」

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