華麗なるラブ米
この物語の世界では、主食(米・パン・麺など)は女の子、
それ以外の具材(野菜・肉など)は男の子として描かれています。
一緒に食べてもらえたら、ゴールインです。
セリフ省略表
玉 → 玉ねぎ に → 人参 じ → ジャガイモ 肉 → 肉 米→米
【玉】なぁ、これカレーで間違いないよな? 勝ち確でいいか?
【に】あぁ、カレーだ。最初は肉じゃがの可能性もあったが、途中で肉が鳥だとわかり、そしてこのスパイスの香り……間違いない。まぁ、肉じゃがでも悪くはなかった。けどな、白米ちゃんと一緒になれる確率はカレーがダントツだ。
なぜなら、初めから同じ皿で出されるからな!
【肉】よっしゃー! 白米ちゃん達とのハーレムだ!
【玉】お前は、ほぼ平気だろ!大体、女の子とマッチするし!
俺とか人参なんて、サラダになったらマジで終わりなんだからな?あぁマジでカレー最高だぜ!
【じ】せっかくカレーになったんだ、白米ちゃん達に会う前に、溶けてなくならないように頑張らないと!玉ねぎ君も一緒に気をつけようね!
【玉】はぁー。つーかお前、鍋の下でくっついて、焦げるのだけは勘弁してくれよ?味が落ちる。
【に】落ち着け、玉ねぎ。ここの家の主婦はベテランだ。この香り、わかるだろ?
ガラムマサラとクミンが別で入っている。ルーも二種類いれていた。そんなことはまず起きない。途中、トマトの奴もいたが……あいつは消えていった。お相手が白米ちゃんの場合、タコライスやロコモコくらいでしか、あいつは原形を保ってゴールインできない……くそ!
【肉】ははっ、まあ細けえことはいいじゃねえか!勝ち確ってだけで気分は最高!
【玉】鶏肉、お前ほんとテンション高いな……。見習いてーぜ。
【じ】でも、ちょっと不安だな。
おいら、白米ちゃんと一緒に食べられること少ないし……。
【玉】まぁ、それはあり得る。でも心配すんなって、流派にもよるが、最低でも2~3粒はお前にベタ惚れだろ?ぴったりくっついて離れない子がいるって聞くぞ。
【に】そうだな、それがジャガイモの強みだ。逆に僕は運が悪いと独り身のままで終わることになる。カレーの場合、最強なのは玉ねぎ、君だ。お前はほぼ白米ちゃん達と一緒になれる。
【玉】そう……だな。ジャガイモ色々言って悪かった。それに俺は、お前らとも一緒になる可能性は高い。その時はよろしく頼む、一緒に白米ちゃんを愛そう。
――――――――――
【米】ねぇねぇ、この匂い、今日カレーじゃない?
【米】うわー、最悪。匂いきついの私ダメだわー、くっさ。
【米】私は好きだけどな!あのワイルドな感じ!牛肉君と一緒になりたいよー!
【米】うちは玉ねぎ君がいい!あのトロっとした感じで包み込んでほしい!
【米】なんとか逆ハーのスプーンに乗りたいなぁ……ふひ
【米】ジャガイモちゃんと一緒になりたい。噂によると、海外のほうでは、あの子……女の子扱いされることもあるんでしょ? なんか、ドキドキする……。
【米】最近(3秒前)思うんだ、男っていいよね。ハーレムだし、ほぼ残されることないし……。私たちなんて、結構な確率で行き遅れて米生終わる子が出るに……。特にカレーなんて、2~3粒誰にも会えずに……うぅ、怖いよぉー。
【米】ホントそれ!ズル過ぎ。マジでクタバレばいいのに。死ね死ね死ね死ね死ね。
【米】あ、あんた。よく見たら体真っ黒じゃん!ちょっとこっちに引っ付かないで!
【米】うげー、向こうに死米がいるってよ。かわいそー。
【米】ね、ねぇ。もっとくっつこ?ここら辺、ねちょねちょして気持ちいいよ?
【米】あん!ここすごい濡れてる。どんどん一緒になっちゃうね♡
【米】はぁー、私たち同じ出身地のはずなのに、なんでこんなに個性的な子が多いのかしら……。
――――――――――
「たかしー、ご飯できたわよー!」
小学生の弟・たかしは、居間でテレビを見ていたのを飛び上がり、駆け足でダイニングに駆けつけた。
テーブルの上には、湯気の立つカレーと、彩りのきれいなサラダが並んでいる。
「はい、カレーよ。今日は大好物のカレーなんだから、いっぱい食べなさいね」
「わーい! カレーだ!いただきまーす! 」
中学生の姉・あかりは、制服を着たままスプーンを手に取り、ふと顔を上げた。
「いただきまーす……あ、テレビのチャンネル変えていい?」
父はテーブルの端に置かれたラッキョウの瓶を取り、カレー皿の横に盛りつけた。
「やっぱカレーにはラッキョウだな。これがないと始まらん」
母は微笑みながら、サラダにドレッシングをかけ、みんなの皿に取り分ける。
「ほら、野菜もしっかり食べなさいよ」
たかしはスプーンを手に、さっそくカレーを一口。
「あっつ! でもうまーい!」
あかりは苦笑しつつ、そっとニンジンを皿の端に寄せる。
「あかり、ニンジン残さないの!」
「はーい……」
にぎやかな家族の食卓に、カレーの香りと笑い声が広がっていった。
――――――――――
たかしの皿
【玉】うわぁぁあ、ぐちゃぐちゃに混ぜるタイプだぁー!すげぇー!
【米】キャーッ、楽しー!あ、玉ねぎ君もっとこっちきてー!
【に】さ、最高だ。さいこうだぁあああああ!
【肉】うぉおお!お米ちゃーん!もっとくっつこうぜー!
【米】う、うん。肉君ならいいよ?……あれ?鶏肉?ま、いっか。
【米】ドロドロの恋がしたかったの!誰でもいいから私を抱いて―!
【米】さ、最悪。私の白い肌……穢された……。誰でもいいから早く終わりたい。
【じ】ゆ、夢みたいだ……。
【米】ふふ、いっしょになろうね。じゃがいもちゃん?
あかりの皿
【玉】おいおいおい、お前完全に避けられてるぞ?大丈夫か?
【に】くっ!早く!お母さん、早く注意してくれ!白米ちゃんがいなくなる前に!
【米】あーん、ニンジン君といっしょになれないよー!
【じ】お、おいらでごめんね。でも幸せにして見せるから!
【米】う、うん。信じてるよ?
【肉】うわー!俺だけ先に食べるんじゃねー!あぁぁああ白米ちゃーん!
【米】ちょ、ちょっと。この子、私たちだけ食べてるときもあるわよ?
そういう趣味ないんですけどーーーー!
【米】あぁ最高!くっついたまま誰にも邪魔されずにゴールできるなんて♡
【米】神様ありがとう!
【に】うぅ、うぅ……。
父の皿
【に】たまねぎ……、一緒になったな。頑張って白米ちゃんを幸せにするぞ
【玉】わかってるさ、にんじん!一緒に頑張ろうな……え?お前誰?
【ら】らっきょうでーっす!白米ちゃん、俺も一緒だからね!
【米】やだぁー!困っちゃうなー♡ みんな優しくしてね!
【米】うっひょー!最高すぎ!でも、できれば肉君もほしかったなー!
母の皿
【じ】白米ちゃんもっとこっちおいでよ!
【米】わ、私……黒いよ?いいの?
【じ】そんなの関係ない!どんな君でも大好きだから!
【米】うん、うん!じゃがいもくん、大好き!
【米】ジャガイモの奴……。あいつは立派な奴だぜ。
【に】……だな。俺たちも見習おう。
【米】ふふ、みんな素敵。一緒になろ?
サラダ
【レ】あいつらマジで死ねばいいのに……。
【ト】ほんとそれな。
【玉】俺とあいつら、どこで道が分かれたんだ……。同じ土で育ったのに……。
【レ】あぁーあ、もうお前らと一緒になるしかねーのか。
【ト】仕方ねーだろ。この際仲良くやろうぜ。
【玉】そ、そうだな。てか、よく見たらトマト、お前いい体してんな……。
【レ】おい、トマトばっかり見てんじゃーねよ。俺のことも見ろ。
【玉】すまん。ついみとr………あぁぁああ、あれ?白米ちゃん?
【米】あー!玉ねぎ君だ、よかったー!なぜかお箸についちゃって……もうおしまいかと思ったよ!
【玉】白米ちゃん!お、俺と一緒になってください!
【米】もちろんです!うれしいよぉ、泣きそう。よろしくお願いします!
【ト】レタス……。俺たちも一緒になるか……。
【レ】……そうだな。ちょっとムカつくが、玉ねぎの奇跡を一緒に喜ぼう。
鍋の中
【玉】おい、残ってる奴いるか?
【に】いるぞ。しかし、おかわりからも漏れるとは思わなかった……。
【じ】そ、そんな~。おいら達どうなるんだっけ?もう残りちょっとしかないけど……。
【に】パターンは4つだ。朝カレーで食べられるパターン。これは何の問題もない。白米ちゃんかパンちゃん、どっちかわからないが一緒に食べてもらえるはずだ。
次に、冷凍されるパターン。これは先送りだ、今考えても仕方ない。
そして、3つ目。カレーうどんになるパターンだ。こいつはやばい、うどんちゃんに絡める具は、良くて玉ねぎ、次点でホロホロになった鶏肉くらいだ。ただ、肉の奴はもういないが……。どちらにせよ、俺とジャガイモは絶望的だ。
最後に……、破棄だ。何の希望もない、最悪のパターンだ。
【玉】たぶん……、カレーの残り量的に、出汁を加えてカレーうどんになる可能性が高いかもしれないな。俺か長ネギの野郎が追加されて、とろみをつけられる。
【に】どうだろうか?朝にカレーうどんを出すか?パンちゃんにつけて食べるが最有力だと思うが……。パンちゃんの場合も、俺とジャガイモは少しだけ危ういな。一緒でなくても、途中で会えればいいが……。
【じ】うぅ。白米ちゃん……。うわーん!
しゃもじの縁
【米】ね、ねぇ?私たちってもしかして……こ、このまま干からびていくの?
【米】………うそでしょ?
シンク
【米】うわーーながされるーー。お百姓さんにあやまりなさーい!
【米】ぞ、ゾンビどもにレイプされるなんてごめんよ!あー嫌だ―!くさすぎー!
誰かが笑い、誰かが消えていく。それでも明日もまた、キッチンの片隅で小さなドラマが生まれている。
私はカレーは鶏肉派です。でも、コクが欲しいときは豚しゃぶカレーを作ることもあります。
肉は、ニンニクと塩コショウで下味をつけるのが基本。玉ねぎは多めに炒めて、甘みと旨みを引き出します。ジャガイモやトマト缶は、そのときの気分で入れたり入れなかったり。セロリはたまに入れますが、実はこれ、結構おすすめです。
香辛料は、唐辛子はマスト。ガラムマサラとクミンは気分次第で使い分けています。チャツネは最近使っていませんが、マンゴーチャツネはおすすめなので、ぜひ試してみてください。
食べるときは、紅ショウガや、オムレツやチーズも入れたりします。納豆も意外におすすめ!
みんなのカレーはどうですか?コメントお待ちしております。