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37話「望む最善」


「……この分断、正直言ってさ。ごめん、ポルカの………」

 作戦を練っていた時、星街がフレアに指摘する。

「そうだね。ポルカ&ねねvs獅白ぼたんの対戦カードがかなり厳しい。」

「だからこの作戦は、機動力と継戦能力を手に入れた()()()()()が要だ」

 すると星街がポルカの話に上がった自身の名に反応する。

「まずはフェーズ、先制攻撃とねねちゃんのステルスでペースを掴み各個分断!この時みこちの不意打ちで上手く行けばラミィを倒す。無理でも『第二層』を使わせる!それがフェーズ2、移行の条件だ!そしてフェーズ2、みこちとすいちゃんでラミィ相手に短期決戦!前回の戦闘、第二層発動からラミィに限界が来るまで約4分だった。4分間みこちの能力とすいちゃんの機動力でガンガン攻めて休ませるな。第二層さえ切れれば君ら二人で負ける相手じゃない。ラミィをまず倒せたらフェーズ3!みこちはフレア達へすいちゃんはポルカ達に増援に入る」

「ぼたんちゃんは別のエリアに飛ばすんでしょ?合流は……」

「隣の都市エリアに分断する。すいちゃんの飛行があれば非戦闘区域を跨いでも10分で着くよ」

「つまりだんちょたちがすべきことは……二人が増援に来るまで倒されないこと!」

「その通り。じゃあ次に細かい能力だが……」


――――――――――――――――


「行くぞ、すいちゃん!」

 みこちがそう言い二人が意気込んだその瞬間、星街に集中していた光が途切れる。

 その場の人間全員が呆気に取られる。

「やばっ、切れた」

「おおおぉぉぉぉい何やってんだおめぇはぁ!!!!!!」

「しょ、しょうがないじゃん。三日しかなかったんだから!維持が難しくて……」

 二人が話してる隙にラミィが攻撃をする。

(今すいせいさんの魔力が凪いた?ししろんから聞いた能力と様子が違ったけど何か仕込んできてる?)

「あっぶ!どすんのすいちゃん!」

「………かくなる上はみこち!……1分!すいちゃんを守りつつなんとかして」

「はあぁぁぁぁぁーん!!!なんだこいつ!ふざけんな!おまえみこに………」

「来るよみこち!」

 星街の呼びかけにみこちが咄嗟にラミィからの攻撃にバリアで対応する。

 攻撃を防いだバリアが凍りつき割れてしまう。

「そしたらなんとかするから!頼んだ!」

「っとーおめぇほんと!みこに感謝しろよ!」

 二人を見てラミィがいつかの自分たちを重ねる。

「おおおおおおぉぉぉぉっ!!!!」

 みこちがラミィに向かって走り出す。

(あっちの盾を凍らせることはできても威力自体が相殺されて届かないのかぁ……押し勝てるくらい出力を上げればそのままいけるかな。……もしくは)

 ラミィが出力を上げた氷の弾を放つとすかさずみこちがバリアでガードする。そのバリアは次第に凍りついていき崩壊する。

(やっぱり……)

 みこちが新たにバリアを生成する。


 ――――『花月ノ夢:神刃(かみきり)』――――


(バリアでそのまま攻撃に……)

 みこちの攻撃をラミィは氷で防ぎバリアを凍りつかせてていく。

(……攻撃を止め、凍結が進行する間………バリアを展開できなくなり隙ができる。狙うなら『(カウンター)』!!!)

 ラミィがみこちに手を伸ばすと新たなバリアに阻まれる。

(2枚目……!?)

 カウンターを阻止されたラミィはみこちから離れる。

(あのバリアを突破するには直接触れるか出力を上げるか。第二層で大技を使うと魔力消耗が激しくてあと3人を倒すのに、少し問題が出るかもしれない……だから近距離でカウンターを狙い……だったけど)

 あらゆるものの動きを能力ごと停止させる『第二層』+指向性を持って放つことができる雪花ラミィの最大出力


 ―――――『黄泉墜詞経(よみじののりと)虚花倶龍伽羅(うろかのくりから)』―――――


 ラミィが大量の魔力を放出し、氷の巨大な龍を顕現させる。

「すいちゃん!1分たったぞ!!!」

「待たせた!」

 みこちの前に出た星街は再び光を纏っていた。

 龍が星街達に向かって勢いよく突き進む。

 森の木々が凍りつきその場が静まる。

「あ………ぶない!」

 みこちを掴んだ星街が現れる。

「避けれんのかいっ」

 ラミィがそういい氷の柱で攻撃する。

 二人は攻撃を避け足場にする。

「みこち!」


 ――――『花月ノ夢:神槍(かんざし)』――――


 光の槍をラミィが触れると粉々に割れる。

 間髪入れずにみこちが攻撃を仕掛ける。ラミィはその攻撃にも対応し防ぐ。

 するとラミィが星街の姿がないことに気がつく。

(星街すいせいは……)

 星街がラミィに奇襲を仕掛けるも氷塊によって防がれてしまう。

(これが氷の質量防御か……!硬いっていうより……多い!)

 すると星街の背後の木から氷の花が咲くと、光線のような攻撃が放たれる。

 星街は凄まじい瞬発力で避け、ラミィを囲むようにみこちと近づく。


 自動(フルオート)


 全方位反撃オールレンジカウンター


 ――――『天花詞経(てんげののりと)六花衾雪(ろっかのふすま)』――――


 ラミィの周りに氷の花が咲き誇る。

「っ………!」

 星街は片足を凍らされ身動きを封じられる。

(あれ………)

 星街が違和感を覚え試すように足に魔力を集中させると、氷がみるみる溶けていく。

「すいちゃん大丈夫!?」

「……ん、なんか大丈夫!それよりみこち……まずいかもしれない。4分以上経ったのに………第二層が切れない」

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