サイコパス!
転生物あるある言いたいシリーズ その4
久しぶりのこのコーナー。毒吐いちゃいます。
最初は田舎からスタートしてひととおりイベントをこなしたら、みんな王都へ行きがち〜〜〜! 嫌嫌だったり、本当は王都なんか行きたいくなんかないのに〜の体で。じゃあ行くなよ、ペッ(やさぐれ過ぎ)
まあ、学校に通う為だったりとか、田舎での功績で王様に呼び出されたとか色々パターンはあるんですけど、本音は…
絶対に今後の展開に行き詰まったからやろ〜〜〜〜。
田舎じゃ話の広げ方にも限度があるから、活動範囲を広げて内政ネタから、国政ネタとか、隣国戦争ネタとどんどんイベント一本釣り状態になっていくような気がするのは…んっ? 誰か来たようだ。
そうだ、最後に一言! 隣国には好戦的な悪い帝国が多いけど、かといって王国が正義ではない! 以上!
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そんなこんなんで8歳になりました。
オーガ襲来から1年何事もなく、平穏無事に過ごさせていただきました。相変わらず朝起きてから仕事をして、仕事が終わったら子供たちと戯れ、夕ご飯を食べた後に秘密基地へと通いせっせと“命素”の練度を磨いた。
たまに森深くに入って魔物を倒したり、獣を狩って村人に黙ってこっそり食べたりしている。
………………
………………何にも無さすぎじゃね?
平穏無事すぎて逆に心配になってくるレベルやん。あの後アスナル様がもっと神様神様とうるさく言ってくるかと思いきや、そうでもなく。無です無。
オーガが襲来したのも夢だったんじゃないかな〜ぐらい、夢です夢。
僕の人生としての山場を乗り切り、これで安心してヒロインを迎え入れる準備ができたな、これでいつでもあんなことやこんな事も出来るぞ!と思っていたのに…登場するわけでもなく、本当に何の起伏もない平凡な日常生活でした。
そんなある日の出来事…
僕が秘密基地から少し奥に入ったところでイノシシ狩りをしている時だった。イノシシの足跡をたどっていると、どこからか鳴き声が聞こえてきた。
何か弱々しいというか、助けを呼ぶようなか細い鳴き声だった。
その時折聞こえる鳴き声を探すと、森の大きく開けた水のほとり付近から聞こえるようだ。遠くからは分かりづらいが…近づいて見ると、子犬のような魔物が傷つき倒れていた。
息も絶え絶えのような感じで、時折か細い鳴き声を上げている。
傷ついた魔物というのは珍しくない。縄張り争いでもあるのか、魔物同士でも争っている場面に森の中で出くわしたりもするのだ。
その子犬のような魔物をじっと観察する。たぶんオオカミの子どもだとは思うけど…ん〜こんなに小さいのに三階位のようだ。目がクリームイエロー、淡黄色に輝いている。
傷ついた小さなオオカミは息も絶え絶えながら、僕に気づき威嚇する。小さくとも立派な魔物だ。
「大丈夫だよ、怖くないよ。」
僕はそう言いながら手を差しだ…
ズボオオオオオオオオオ
「キャッン…………」
オオカミの魔物は小さく声を上げて地面に融けるようにして消えていった。小さなキューブを残して。
そうです、僕です! 僕が止めを刺しました! 硬度を上げた“命素”を尖らしてブスッと魔物に一撃を。
…………………………………
サイコパス! めっちゃサイコパス!
優しく語りながら近づいて止めを刺す…サイコパス以外の何者でもない!
違うんです! そう思うのも仕方がありませんがこれは仕方がない事なんです。ちゃんと理由があるんです。
ラノベに良くある…あれ、急に傷ついた魔物が? オオカミみたいな魔物? ひょっとして定番のフェンリルの子供なんじゃないの〜?
傷ついたフェンリルの子供を助けて…か〜ら〜の〜! 最初は警戒していたが一緒に過ごすうちに仲良くなり、テイムして冒険する流れじゃないんか〜い!
って思うじゃないですか? そういう時期が僕にもありました。
今回だけじゃなく、今までもそういった機会が何度もあったんだけど…その度に裏切られて、期待を踏みにじられて…僕の心はロンリーチャップリンなわけですよ…どゆこと?
いくら子どもの魔物とはいえ、うかつに手なんか出したら食いちぎられますから。しかも三階位だったし。8歳の人間の子どもなんて、魔物にしたら傷ついた体の栄養補給程度の存在なんですよ。
そういうわけで子どもの魔物を倒した後はイノシシ狩りを続行するのであった。もちろん傷ついたウリ坊は少しだけ手当をして逃がしてあげましたよ。
「大きくなったら僕の糧になってくれよ〜」
と送り出してね。
…………サイコパス!
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そんなまた違うある日の出来事だった…
僕とタナンさんは二人で狩りをしに森へ入った。タナンさんはあのオーガ襲来があった後も変わらず僕に接してくれている。というか誰も僕がオーガと戦っているところを避難していて見ていないから、僕が強い事を知らないのだ。
だからみんなにはまだ、僕はか弱い8歳児なのであった。
まあ僕としては…チヤホヤして欲しかったという邪な気持ちもあるにはあるが…実際は自分の理解の範疇を超えた子どもに対して畏怖せずにいられるか問題があるので…どちらが良かったかはわからないままだ。
まぁこのまま子ども扱いをしてくれている方が僕としては居心地が良いし、都合が良いのでいいんですけどね。
しばらく歩くと森の大きく開けた水のほとり付近に出た。
…どこかで見たなこの風景。すると何かに気づいたタナンさんは走り出す。
「おいセイ、これをみてみろよ。この岩に高そうな剣が刺さってるぜ!」
そうはしゃぐタナンさんは岩に刺さった剣に手をかけて抜こうとしている。
「この剣高そうだから抜ければ一儲け…ってんー、んー。全然抜けね〜どしてだこれ?」
…はいはい来ましたよ。伝説の剣、アーサー王的なね。うんうん分かります。僕が抜いちゃう流れなんですね。分かります。
「えータナンさん本当ですか? 本当に抜けないんですか〜」
ちょっとタナンさんを煽りながら、僕が剣に手をかけると…。
スッと抜けた。
…………………………
スッと戻した。
僕は何も言わずにタナンさんと交代した。
タナンさんはもう一度剣に手をかけた。
「ん〜〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜」
全然抜けないようだ。顔を真っ赤にしたけど抜けなかった。
…………………………
…………………………
「よしセイ、あっちにうさぎの気配がするから急ぐぞ!」
「はい!」
僕たちは森の奥深くへと、うさぎを求めて駆け出した。
ボウズでした。




