4話「休息とスキルアップ」
「お帰り、コニー大変だったな」
村に帰ると祖父が家の前で待っていてくれた。
初めてダンジョンに潜った僕を心配していてくれたのかな。
「ずいぶんと衣服が汚れているようだが、ダンジョンで何かあったのか?」
「スライムに二匹と遭遇しまして」
「そうかそれは大変だったな。
お前が出発した後、世界樹からポーションをもらったのだ。
明日に備え回復しておきなさい」
「ありがとうございます」
ポーションは初級回復薬で小さな怪我なら治る。飲んでもいいし、体にかけてもいい。
「お祖父様、今回の収穫物です」
祖父にアイテム収集袋を渡す。
「初めてのダンジョンで、勇者様のうんこを三つも回収してきたのか。
よくやった」
お祖父様、僕の頭を撫でてくれた。
「勇者様のうんこはわしが責任を持って世界樹に捧げておく、お前はもう休みなさい。
夕飯は用意してある」
「はい、お祖父様」
祖父が用意してくれた夕食を食べ、お風呂に入り、ベッドに潜った。
ベッドに入った瞬間睡魔が襲ってきて、泥のように眠ってしまった。
☆
翌日。
今日も勇者様のうんこを集める一日が始まる。
「昨日お前が集めた勇者様のうんこを世界樹に捧げたところ、これがもらえた」
お祖父様はポーション一つと、スキルアップの実を三つを差し出した。
スキルアップの実は、力と命中力と素早さアップの実だった。
僕はおじい様から頂いたスキルアップの実を食した。
力がモリモリ湧いてくるし心なしか体が軽い。
今日ならスライムだって簡単に倒せる気がする。
「世界樹様はとても機嫌がいいようだ。
回復薬やスキルアップの実の他に、枝を一本を与えてくださった。
わしがナイフに加工したので使いなさい」
僕はお祖父様から木のナイフを受け取る。
お祖父様の目の下にはクマができている。徹夜でこのナイフを削ってくれたのかな?
昨日泥だらけにしてしまった服は、綺麗に洗濯され破れたところも繕われていた。
全部お祖父様がしてくれたんだ、そう思うと胸の奥がジーンと熱くなった。
お祖父様のためにも勇者様のうんこ集めを頑張らねば!
人にバカにされる仕事かもしれないけど、村を魔物から守ることに繋がるし、お祖父様のような理解者もいる、僕は負けない!
僕は新たな決意を胸にダンジョンへと向かった。
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