サキュバスにTS転生したけどごく普通に生きてます
この小説は作者がなろうとハーメルンを読みながらエチチな漫画を読んでいたときにパッと思いついた話です。初投稿かつ30分クオリティなのでかなり酷い出来です。温かい目で見てください。
私はサキュバスだ。詳しく言うと元一般サラリーマンの男だったサキュバスだ。何を言っているかわからないと思うが、転生したのである。
実にテンプレ的な転生だった。トラックに轢かれて、気づいたら白くて広い空間にいて(後で分かったが、天界というらしい)、疲れてげっそりした、おそらく神だろうと思われる存在に「間違って殺してしまいました。誠に申し訳ございません」と会社でミスをして謝る時の自分みたいな平謝りされて、転生させられることになった。天界は白いけどブラックらしい。
種族やスキル、ステータス等等が選べたが全て「おまかせ」にした。数十年の人生の中で人として生きることに疲れていたのだ。ただし、ヒト型という条件は外せなかった。人間以外の種族に憧れはあったものの、やはり数十年慣れ親しんだ直立二足歩行と四肢の使い方でなくなるのは抵抗感があったのだ。
スキル等の次は転生する世界を選ぶ。無難にテンプレ的なファンタジー世界にした。殺伐とした世界や世界が滅びた後みたいな終末世界は一般人には厳しすぎた。
テンプレ的な門をくぐって、気がつくと森の中にいた。女の子になっていたが。
ステータスを確認すると、どうやら淫魔、もしくはサキュバスと呼ばれるものになったらしい。ということは、種族的に考えると誰かとセッ○スしなきゃいけないのか……。持っていたスキルは「隠蔽」「エナジードレイン」「魅了」の3つ。もうちょっと使えるスキルが欲しかった。
転生してきて十数年が経った。
今はいろいろあった後そこそこ有名で腕の立つ冒険者として生活をしている。
驚くべきことにサキュバスは結構強かった。
サキュバスは誘惑して精を吸うしかできない雑魚だと思ってた自分を殴りたい。
また十数年この姿で生活していることで、一般的なイメージのサキュバスの淫らな服装や、なぜエチチな気分になる魔法を使うのか、という疑問の答えも大体わかった。
結局のところ、それが一番効率がいいのだ。
サキュバスが精を吸うのは、「エナジードレイン」の性質上その方が効率がいい上疲れないし、気持ちも良いから。そのうえ顔や身体がいいからちょっと「魅了」して誘っただけでホイホイ餌が釣れるからだった。それに、「隠蔽」を使えばステータスに隠蔽をかけられるのでただのエチチな女の子として認識され、怪しまれないからだ。
また、そういうことをしなくても生命力は吸える、という事も分かった。離れてても吸えるし、何だったら相手の生命力を吸うことで攻撃だってできる。
さらに吸った生命力で攻撃力を強化したり、防御力を強化したり、回復したり出来る。味方に分け与えたりして回復させたりも出来る。
他にも、「魅了」を利用すれば相手の精神や心理に干渉して戦意を失わせたり錯乱させたり出来るし味方のメンタルケアも出来る。
それに、淫魔も戦闘向きではないとはいえ立派な悪魔や魔族といったものの一つであるため人間と比べて基礎能力が高く、やろうと思えばそこそこは戦える。
しかしながらそのステータスは「隠蔽」によって完全に隠してしまえるため人々の中にも怪しまれる事なく溶け込める。これを利用すれば諜報活動もお手の物だ。
こうして考えると、前世のゲームで時々見かけた、中ボスになってたり、魔王の幹部になっているサキュバスとかもあながち間違いではないのかもしれない。まあこの世界に魔王とか勇者とかそんなのは居ないんだけど。
さて、回想はここまでにしておこう。そろそろ今日入った依頼が張り出される時間だ。前の世界でもこの世界でも働かなければ生きていけない。そこそこ難易度の高いクエストをこなし、新人冒険者にアドバイスをして、1日の終わりには酒場で一杯飲んで帰る。どんな世界でも仕事終わりの一杯はうまいのだけは変わらないようだ。