第7話:ディナー攻略に向けて
小さなテーブルを囲み、私たちはあーだこーだと言い始める。
その姿に驚くのは、オフィクスだ。
「何をしてる?」
「これからのディナーでの攻略」
私は答えるが、ジェーとミニがテーブルを見に来るも、
「「つまんなそー」」
そう言って部屋を出て行った。
「ジェーとミニはなんだったの?」
「なんか、廊下歩いてたんだよねぇ。だから連れてきちゃったんだ」
「……自由だね、ここ」
本日から4日間のディナーは、12星座順で行われていく。
ちなみに私とソフィアの2人と、向こうの神様3人の組み合わせだ。
そして、5日以降は向こうが誘ってきたり、こちらから誘ったり、選ばなければランダムで3人チョイスされてのディナータイムとなる。
「3人チョイスとはいえ、双子座は2人なんだよね。だから今日は、アリエス、タウラス、ジェーとミニの4人になるね」
「あ、レイヤ、ジェーとミニのエンディングって?」
「あー……普通に旦那2人だね」
「………え……」
「ないよねー」
話しながら、牡羊座・アリエス、牡牛座・タウラス、双子座・ジェーとミニのことを書いていく。
「アリエスは、知識の人。金髪でスラリとしたイケメン。タウラスは脳筋だな。スポーツ万能、薄褐色の筋肉ムキムキ。ジェーとミニは小学生みたいな感じ。あれで120歳とかいう設定、すごい無理あるよね」
紙に書き表すと、ソフィアは感動の声をあげた。
「わかりやすいっ! というか、ほんと、この4日間のディナーがあたしすんごく苦痛……」
「この4日にかかってるから油断禁物。私の親密度が高いと、そっち不利だから、なるだけ低めにいくようにする。私は悪役令嬢。多少低くても、チートあってどうにかなるんだよね、これ」
さらにキャラの質問の答え方について書いていくのだが、それを横で見ていたオフィクスが目を丸くしている。
「レイヤ、先ほどの謁見でこれほどのものを見抜いていたのか………!」
どう答えていいかわからず戸惑っていると、
「オフィクス様、レイヤは本当にすごいんです。私はレイヤと一緒に試練を受けられて、幸せです!」
主人公らしい明るさで切り返してくれた。
とても、助かります!!!
「ただ、今日は本当に食事をするんだよね………」
それに私は鬱々とする。
うまくナイフとフォークが使えるか心配になる。
「どうしたの、レイヤ」
「ソフィアは得意? あのフォークとナイフ」
「得意、とまではいかないけど、洋食大好きさんだから、一応のルールはわかる。フォローする!」
「お願い。一応、合図とか決めておこうか。基本、はいといいえだから、それを間違えたらまずいし」
「おー、助かる! さすがレイヤ!」
もう自分の顔も声も忘れかけているけど、それでもこうした時間は昔を思い出してくる。
「なんか、楽しいね、ソフィア」
「うん、あたしも!」
クッキーをつまみながらの攻略会議。
オフィクスは私たちをみて見て微笑んでいる。
その笑顔を見ると、心のそこから嬉しくなる私がいる。
やっぱ、推しは、オフィクスで!!!!!