表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

第6話:衝・撃・告・白!

「……ていうか、あたし、このゲームの………」


 私はソフィアの首根っこを掴むと、隣の寝室へと連れ込んだ。


「ちょ、ちょっと、あんた、何言って………」

「レイヤも、あれでしょ? 元女子高生じゃないの?」


 にやりと歪んだ笑顔が見える。


「………それで?」


「あたし、交渉しようと思うの。………あなたと」


 ずいっと寄ったソフィアの顔は、今まで見たことない黒さがある。



 全て演技だったとは………!!!



「………ねぇ、レイヤ、あなたは何周目?」


「私? 私は、()()()13周目だけど……」


 そういうと、ソフィアは鼻で笑う。


「ふーん、全攻略終えてるってこと?」

「うん、終わってる」

「で、誰推し?」

「言えない」

「なんでよ?!」

「じゃ、ソフィアは?」

「あたしはライブラ様!」

「え……、あの秤掲げて、公平公平言う人?」

「そこがいいじゃん。ちょうジャスティスってて」

「よくわかんない。………で?」


 どんな条件が来るかと息を飲むが、瞬く間にソフィアの顔が曇る。


「……あたし、全ラストが、村へ戻るってやつで……」


 ………ん?

 何を言い出すんだろう。

 過去話、かな………?


「全然誰ともくっつけず、夢の国すら救えず………」


 ………うわぁ………

 極端に下手な人っているの知ってるけど、これ重度じゃん。

 わぁぁぁ………



「ねぇ、お願い! レイヤ、攻略手伝ってぇぇぇぇぇ!!!!!!!」



 すがりついて泣くソフィアに、私は頭を抱えた。

 これが交渉というのか………?


 ま、とりあえず、彼女の攻略を手伝えってことか。


「そしたら、ソフィア、何周した?」

「そんなの村エンドならムービー飛ばしで5時間だもん。余裕で30周してるよぉぉぉぉ!!!!」

「攻略本見ればいいじゃん。私は見ないでやってたけど」

「見ないで?! あたしなんて、見てやっても戻されるんだもんっ」

「バグってたんじゃないの?」

「………え? バグ?」


 でも、思えば………


「ね、ソフィア、選択肢さ、周回するたびに微妙にキャラのセリフ、違ったりしてない?」

「してた」

「出てくるキャラのタイミングも、ちょっと違ったりとか……?」

「………!! あった、あったあった!」




「「もしかして、本当にバグ?!?!」」




 ───私たちはやたらと弾力のあるベッドに腰掛けながら、天井を見上げていた。


「バグのおかげで、意識がこちらへきたって感じかな」


 私がつぶやくと、ソフィアも納得という顔で頷いた。


「まさか来ちゃうとはね」


「で、ソフィア、結局どうしたい?」


「うーん………短い時間の考えだけど、現実の世界の戻り方なんてわかんないしさ。それに、村にも戻りたくないな。なんもない村だったから。だからさ、もう、よくわかんないけど、好きに自分の思うことしようかなって」


「ソフィアもそうなんだ。実は私も、好きにしようかなって思ってて」


 ぐるりとソフィアがこちらを向くと、改まった顔をする。


「レイヤ、よろしく頼むね。これがゲームなら、間違いなくエンドあるわけだし! だから私たちが幸せなエンディングにしない?」

「それいいね! 私たちが幸せなエンディング。それ、乗った!」


 2人で握手を力強く交わし、私たちは立ち上がる。

 そうと決まれば、やることは山ほどあるのだ。


 これからのディナーは一番好感度をあげるチャンスの場!

 今日から神様3人ずつとディナーを共にし、好感度を上げていくことになる。


 そして、最初の4日間、ここで稼げなかった好感度が、実はラストまで引きずるっていうゲスい設定なのは、()()()()



「攻略するよ、ソフィア」

「うん! よろしく、レイヤ!」



 ジョーとミニがオフィクスと喧嘩する部屋へ私たちは戻り、ノートとペンを取り上げる。

 記憶の限り、12人のキャラについての攻略が始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ