二重人格
ねぇ、あなたが好きだった私はもういないよ
悲しそうな顔で彼女はそう言った。
途端に僕の心は哀しみで押しつぶされそうになる。
ねぇ。
再び彼女は呼びかける。
あなたが恋した私は、もういないのよ。
寂しそうに彼女はそう言った。
言いようのない悲しみが、
表現出来ない哀しさが、
僕の胸を締め付けた。
あなたはどうして私を好きになってしまったの。
そう問いかける彼女に僕は返事ができなかった
ねぇ。
ねぇ。
どうして?
何度も何度も僕を呼ぶ声は聞こえていた。
けれど
あなたが恋した彼女は、もういないのよ?
彼女の問い掛けは聞かないフリをする。
ねぇ。
そんな顔で私を抱かないで。
悲しそうな顔で彼女はそう言った。
彼女の目に映る僕は、
どんな顔をしていただろうか。
ねぇ。お願いがあるの。
辛そうに顔を歪めて彼女は懇願する。
ねぇ。
お願い。
私の事も、愛して欲しい。
泣きそうな顔で言った彼女は、
なにを思っていたのだろうか。
お久しぶりですの方と、初めましての方へ。読んで頂きありがとうございました。ブクマと感想の方宜しければ何卒。