設定説明
物語の始まりはたいてい春から始まる。ここ国立東北青葉学院は、東北学区に位置している。学区は四方山に囲まれ、野生動物の侵入を防ぐために壁が築かれている。学院には幼等部から高等部まであり、ここに住んでいるすべての子供たちが所属している。ここは子供たちによる子供たちのための子供たちが統べる国なのである。
日本政府は、子供たちの教育の無償化と平等に教育を受けられることや自主性、能力などを高めるなどの目的で教育分離法を施行した。その後、北海道、東北、北陸、関東、東海、近畿、中国、四国、九州に学区が設けられた。子供が産まれたら、赤ちゃんのうちに近くの学区に運ばれ、そこで世話を受け、育つ。学区では、基本、学生が一つの国のように統治をする。財政、政治、外交、それから、幼等部の世話、経済活動などを学生がこなす。そして、月に一定の生産額などの基準を超えることが義務付られる。万一、これを達することができなかったら、日本政府からの援助が減ることになる。逆に、多ければ多いほど、援助が増える。
また、一月に個人に配られる現金は、中等部以降からは学力の序列によって変わる。しかし、格差による差別を防ぐために全国共通でそれらの行為を禁じる条例が必ず適用されている。また、経済活動による収入も認められ、それによってお金を稼ぐことができる。学力で成績を修めるか、働いて稼ぐかという選択も自由である。
条例については、基本的に日本国憲法に反しない範囲で法律同様に制定することができる。国の制度に模倣して、組織や制度は作られ、条例が制定される。また、重罪においては国の法律が適用され、学区から行政の専門機関へ身柄を移送されることになる。
これまでにあげた説明はまだまだほんの一部にしかすぎない。この物語は、神城結衣という人物を中心に展開していくことにしよう。