表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/14

秘密の通路





なんとか乗りきった(?)ハミルドとの出会いイベントを乗り越えた翌日。

リサは気鬱な朝を迎えていた。



(ああ、また校内にいて下手に攻略キャラに接触したらどうしよっかなー。

でも、部屋に篭ってんのも(たち)じゃないしなー)


「リサー。今日は行きたいところとかある?校内は一通り案内したけど…どっか遊び行く?」


「んんん、でも校内でしょう?遊ぶところって言っても」



少し渋る様子のリサに頭を傾げるが深く考えることもなく、「確かに校内で遊ぶってのもおかしいか」とルーリアは納得した。

だが、授業が始まるまでまだ1週間はある。



「なら王都を案内しよっか?」


「へっ?」


「んー、これもダメ?」



ショボーンとするルーリアをリサはとんでもないものを見る目で見た。



「私の記憶が正しかったら、入学式をするまでの外出は禁止、入学後も休日以外は外出禁止、外出先は事前に連絡し、学園護衛を連れないとダメだった気がするんだけど…」


「そうそう!堅苦しいよね!

抜け道あるし、そっから出掛けない?」



この学園は、国中から最も賢い人間が集まる、他国から見ても唾液ものの学園。

さらには高位なな貴族や王族のほとんどが通うこの学園は、野山を駆け回って居たリサからすれば、息苦しいくらいの規則に溢れている。

外との接触というのは、危険なものに接触する可能性を含むため、1番締め付けられている部分でもある。

平等が掲げられていようと学園護衛は身分の高い者に優先的に付けられるため、平民が学園外に出れるのは、ごく稀である。

実際に乙女ゲームでは、平民のヒロインは、高位貴族の攻略キャラの好感度が上がらなければ外出出来なかった。


要するに、抜け道なんてただの伯爵令嬢が知っていて良いないようではない。

本当にあるなら学園護衛に伝えるなりなんなりしてもらうのが、学園の平和のためだろう。



(だけど、攻略キャラを攻略しない以上、3年間学園に軟禁生活…。



むり…。


絶対、ムリ!!)



答えの出たリサは満面の笑みでルーリアに答えた。



「そんな裏技あったのね。それなら王都の案内お願いして良い?」


「もちろん!」



上機嫌なルーリアがリサを連れてきたのは、人気のない古い建物の裏の壁。



「ここねー、こうすると動くんだよ!」



そう言って、壁をの一部を触ると壁が静かに動きだし、ぽっかりと穴が開いた。



「これって、王族の避難通路なんじゃ…」


「え!?そうなの!?」



リサの言葉に驚いたルーリアに驚きながらリサは応える。



「いや、分かんないけど、普通、学園に隠し通路があったらそう思うじゃん?」


「へー!はじめて知った!」



平民のリサにでも思い付く事を全く考えもしなかったとばかりに関心てしてるルーリアに、猫が剥がれつつ苦笑する。



「じゃあやめる?」


「いや、それとこれとは話が別。行くよ」


「了解!」



王族の避難通路だと思われるものを気負う様子すらなく、二人は堂々と入って行った。



「………」


「リサ?大丈夫?どうかした?」



通路は、薄暗いことを除けば、何一つ問題なく通ることが出来た。

だが、リサから見れば、明かに罠が発動した形跡が見えた。

何より、出るのには罠が発動しなくても、戻るのには発動する可能性が高い。

出るのには、味方の避難の可能性が高いが、あの通路を使って入るのは敵の可能性が高いのだから。


それに罠が発動していたということは、今か昔にあの通路を使って学園に侵入した奴が居るということでもある。



「…あの通路、罠が発動した形跡があったけど何か知ってる?」



リサの真剣な言葉にキョトンとルーリアは首を傾げる。



「んー。お父さんかな?それともお祖父ちゃん?」


「は?」


「お父さんがうちの家族が王都に出るのに代々使ってる道だって言ってたからなー」


(それは…お前の家系の秘密の通路ということか…?)



それとも王族の避難通路を勝手に間借りしてるのか…。

どちらにしろ、賢く地位の高い子供達が集まる警護の厳しい学園で、こっそりと通路を作ったか、間借りしたかしてるって神経図太い家系だな…。とリサは唖然とする。


当の本人はぽやぁんと気にした様子もなく、ほけほけと笑っているが…。



「取り合えず、帰りは罠が発動すると危険だから私の後ろを歩いて」


「?了解」



真面目に罠の発動を危険視するリサの横で、にこにこと何も分かりませんといった様子でコクりとルーリアは頷いた。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ