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ーとある少女ー





前世の私はコミュ障だった。


小中高すべてで友達作りに失敗。

存在が空気だった。

そんな現実が嫌で、私はズブズブと2次元にハマっていった。

漫画にアニメにゲーム。なんでもやったし、グッズは網羅、同人誌も買い漁っていた。

だが2次元にハマればハマるだけ家族の目は冷ややかになり、学校でも根暗なオタクとして嘲笑われた。


自分の心に目を背けて、蓋をして、奥底へ追いやって、必死に言い訳をしてしてみても、やっぱり私は一人が寂しかった。


だから、

「ごめんね。間違えて殺してしまったんだ。お詫びに何か一つ願いを叶えて転生させてあげる」

そう言われたときに私の願いは一つしかなかった。

「コミュ力MAXにして!」

これ以上の願いなんて存在しなかった。


美しい容姿も

豪華な生活も


そんなもの要らないから友達が欲しがった。

一人はもう嫌だった。


そして私は転生した。


私にとって前の人生は記憶でしかなかった。

まるで物語の追憶のようなものでも、私の前の人生だと認識しているのに私への人格への影響が希薄だった。


それはきっと私が真逆の私へ転生を望んだためだと思う。


人見知りでマイナス思考でうじうじしている私と


明るく考える前に行動する豪胆な私は共存出来なかった。


そして、私は前の記憶を持ちながら前の記憶に左右されない人格を得た。


…そう思ってたんだけどなぁ。


メルセイ伯爵家のルーリア。


どこかで聞いた名前だとは思っていた。


少しずつ成長する自分を鏡で見るたびに頭を傾げていた。


そんな違和感が核心に変わったのは、初等園に入学した時だった。


裕福ではないが歴史古く人徳のある伯爵家は、それ故に高位の初等園に入学が許されていた。


そこで見かけた幼さの残る少年。


私は気付いてしまった。


私は転生したのではなく、いや、転生は転生なのだが、正しくは、私が一番憧れた明るく元気で人気者のサポートキャラ、ルーリア・メルセイに成り代わってしまったのだと。


前の私が最後に一番ハマった乙女ゲーム。

人気をはくし、漫画化やアニメ化どころか、乙女ゲーム初のドラマ化や映画化までしていた。

もちろん、私は乙女ゲームで全スチルと全エンディングをコンプリート。

漫画も小説もアニメもドラマも映画も全部集めてるし、ポスターやグッズもコンプリート。


確かに前世のゲームの記憶と今のコミュ力を合わせれば、最高のサポートキャラになれると納得する。


ただ前世と今は、全くの別人格だと思っていたが、どうやらきちんと前世×今÷2されていたようだ。


人見知りもしなくなったし、自然と会話が続くし、人と居ても疲れない。


前世、対人で出せなかった素が出せている状態らしい。


まあ、それはいいとして、学園生活が始まるし、サポートキャラ頑張ろうって思ってたんだけど、


あれ?ヒロインってこんなんだっけ?




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