表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天国のぬくもり  作者: ma
小学生編
6/23

卒業(後編)

「今日は皆の卒業式だ。今体育館に皆のお父さん、お母さんが来てくれている。先生は、今日

この日、この場所でこのクラスの先生で本当によかった。色々な個性を持ってて仲間思いで、男女共に元気にここまで来てくれた。本当にありがとう皆。」


実は先生は男の先生だ。

20代後半みたいでまだ独身・・・。

でも、イケメンで情熱的でモテるけど、女子からすれば暑苦しい存在。


「皆この学校を卒業してもこのクラスや学校での日々を忘れないでくれよ。」


先生の唇は少し震えていた。

今日だけは男子も女子も先生を暑苦しいとか思わない。

嬉しくて嬉しくて涙が出てきた。

女子はほとんどが泣いた。

男子も数人は泣いた・・・。

照れて顔を横に向ける子もいた。

皆先生の言葉が嬉しかった。


時間が過ぎて教室を出て体育館に行く時間がやってきた。


去年や一昨年なんて、卒業してゆく高学年の生徒を見て、早く終わっていいなぁとか言ってたけど、実際自分がその立場になると、全然そんな事ない。

もっとゆっくり時間が動いてほしい。

もっと先生の授業が聞きたい。

卒業式の日をもっと延ばしてほしい。


私だけじゃなく全員が思った。


「さぁ、教室を出て体育館に着いたら、先生は皆を見守るだけだ。体育館を出たら先生は職員室に行かなくちゃならないから、先生と皆の本当の別れはここだ。」


その瞬間。

学級委員長の男子が席を立った。


「先生!僕たちは、今日この日を先生のクラスで迎えられた事を全員が嬉しいって思っています!」


すると、他の男子が立って言い出した。


「そうだ!」


すると、男子、女子次々と席を立ち始めた。

もちろん私もだ。

そして学級委員長が言った。


「先生、このクラスで色々ありましたが、僕達の先生をしてくれて本当にありがとうございました!!」


その瞬間、男子、女子全員が言った。


全員「ありがとうございました!!」


私は思った。

(あぁ、皆の気持ちが一つになるのっていいなぁ。)って。



そして私達は、教室を出て、体育館に向かった。


体育館に向かう最中、他のクラスの子達と会った。

涙ぐんで歩いてる子もいれば、寄り添ってる子達もいる。

皆、同じなんだ。

私達は今、全員の気持ちが一つなんだ。


6年生全員で体育館に入った。

中に入るとお父さんやお母さん、もちろん他の子達のお父さん、お母さん達もいて、入り口のすぐ側にズラーっと椅子を並べててそこに座っていた。

表彰台の側に私達6年生全員の席が並んでいた。

多分、5年生の皆が椅子を並べてくれたんだろうな。


私達は、中で待機していた保健の先生の指示に従ってクラス事に分かれて椅子に座った。


全然ガヤガヤしていない。皆がシーンとして校長先生が表彰台に立つのを待った。


数分過ぎて、校長先生と教頭先生がやってきた。

先に教頭先生が表彰台に立った。

少し話をしてすぐに降りた。

次に校長先生だ。

表彰台に立ってまず一言あった。


「みなさん、今日までこの学校で元気にいてくれて本当にありがとう。私だけじゃない。他の先生方もとても嬉しく思っておりますし、とても幸せです。ですが、寂しい気持ちもあります。でも寂しがってたら、皆さんの羽ばたきの邪魔をしてしまいます。だからこそ、笑顔で迎えたいと思います。」


まだ他の子の鳴き声が聞こえる。でもその気持ちは分かる。私も本当は泣きたいし辛いもん。


「ではこれより卒業生による卒業式を始めます。一同礼。」


そして、始まった。

校長先生の私達の中学に入学してからの事、将来の事・・・。

6年生代表者による言葉と表彰・・・。

そして、生徒一人ずつによる卒業証書・・・。


こうして私の・・・私達の小学校での生活は今日を持って終わりを迎えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ