表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
体が無くても側に居る  作者: 鋼二
鋼二編
4/36

幸せは歪み始める

椿と付き合い始めてからという物、毎日が凄く楽しかった。

始めてのデートはあまり良い物かは解らないな。

約束の2時間前に来たり、水族館で足下の浅い水槽に足を落としたり、昼食はファストフードで、遊園地のジェットコースターで死にかけたり、夜のパレードを見て、最後は閉園時間ギリギリに観覧車に乗ってキスをして帰った。

帰るのが21:30を超えていたため親に半端なく怒られた。

次の週末もまたデートに出掛けた。今回はピクニックって所か。

デカイカマキリを捕まえて見せると椿は

「ひゃあっ!!」

と叫んでしゃがみ込み、泣き出してしまった。

椿が虫嫌いだという事も意外だし、高校生にもなって公共の場で泣くなよとも思ったが、何よりも後ろから抱いたらすぐ泣き止んだ事が一番意外だった。

「赤ん坊かよ」

「だって、こー君がカマキリなんか持って来るからぁ」

「ハイハイ、悪かったよ」

その後、椿が俺の分も飯作って来てくれたのは最高に嬉しかった。

その日は夕方のまだ明るい内に帰った。

ここまでは良かったが、問題は次だった。


次の週末は二人で観たい映画を一本づつ選び、両方一緒に観た。一つの大きなカップのポップコーンを二人でつまみながらな。

昼飯はちょっとオシャレなイタリアンの店に入り、昼食は滞りなく済ませた。

午後は動物園に行った。

椿のスットンキョーな行動はいくつもあったが、一番衝撃だったのはヤギに紙を食わせようとした時だ。

飼育員の目の前で

「ホ~レご飯だよ~」

だからな。

「オイ椿!!ヤギは紙を食ったらヤバイんだぞ!?」

「ウソつけ!!」

「嘘な訳あるかぁ!!大体、動物に餌を与えるなってここに書いてあんだろうが」

「ホントだ」

ってな調子だ。

俺も怒った様に接してるが、実際には結構楽しんでるんだよな。

今日も帰りは遅くなった。

帰宅路が別れる所で

「家まで送るぜ?」

とちょっとカッコ付けて言ってみたんだが

「良いよ、もう暗いから。こー君も気を付けて帰ってね」

「おう、じゃあな」

俺の家はここからは椿の家と正反対なため、軽く手を振り背中を向けると。

後ろからキキィィィィッと大きな車のブレーキ音と、ドンッ!!と衝撃音が聞こえた。

急いで振り返ると、4~500m位先に車が停まっていて、そこから椿が走って来る。

椿はアスファルトに膝をつき、俺の腰の辺りを掴んで大声で泣き叫んでいた。

俺はしゃがみ込み、椿の頭を撫でてあやした後、何があったか聞くと、車の停まっている方向を指指して

「わだじひがえでしんじゃっだろぉ!!」

今のは泣きながらでも伝わったぞ。

私弾かれて・・・マジかよ・・・・・。

椿から告げられた衝撃の事実。

現実が受け入れられず、混乱する鋼二が取った行動は。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ