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体が無くても側に居る  作者: 鋼二
鋼二編
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勇気と勢いで生み出す愛

部活がある佐藤と秋野を学校に置き、一人帰宅する俺。

すると前に俺と同じく一人下校する椿の姿が見えた。

どうすりゃ良い?なんざ考える暇ぁねぇ。俺は早歩きで椿に接近した。


俺が後ろから椿の肩にポンと手を置くと椿はビクンッと一瞬凄い反応を見せ、俺もビックリしたが、続けて声をかけた。

「よう夏野、お前も一人か?」

明るくフレンドリーに振る舞ったつもりだが、実際緊張と興奮で死にそうだよ。

椿は怯える様な顔をしていたが、俺だと解り安心した様だった。

「そうだけど.....鋼二君も?」

「おう、今日はアホの佐藤も秋野も無しだ」

「良かったぁ、一人で帰るの心細くて」

それは、人気アイドルなんざ相手にならない程の良い笑顔だった。

そして、嬉しい事言ってくれんじゃねぇか。


帰宅中、俺達はどーでもいい話しかしてないのに、佐藤達との時の数十倍楽しかった。

だがその内俺の家が近付き、別れるのが辛い為何か言い訳を考え

「ごめん鋼二君、私家こっちだから」

その声を聞いて焦った俺は強行策に出た。

「ちょっと待って!!もう少し、話せないか?」

何言ってんだよ俺は。

だが俺の意味不明な申し立てを快く受け入れてくれた椿。俺達は都合良く近くにあった公園に入った。


この公園は人目に付きにくい場所で、遊具もほぼ何も無い為、俺達以外に人は居なかった。

とりあえずベンチに座ったが、それから10分程の沈黙が続いた。

俺がこの空気に耐えられなくなり、声をかけた。

「あのよ、少し話を聞いて貰っても良いか?」

椿は静かに頷いた

「まず、突然で悪いが.....俺は夏野、お前が好きだ」

椿は膝に手をあて少しうつむいたまま動かない。

「最初はな、こうやって言う事が出来ればフラれても嫌われても構わなかった」

椿は意外そうな面持ちで俺の顔を見てる。緊張して死にそうだから、俺は椿の顔ではなく、正面の空を見て話した。

「だがな、こうしてお前と話してたら、やっぱそれだけじゃ物足りねぇんだ」

俺は立ち上がり、椿に手を差し出した。

俺の手を掴み、立ち上がった椿を引き寄せ、抱き締めた。

俺は椿の肩に顎を置き、脇や肩から背中に手を回し、語った。

「順序が違うかも知れんが、夏野。俺と...付き合ってくれ」

椿は何も言わず、俺の背中に手を回した。

5分程抱き合ったままで、その後連絡先を交換し、椿は帰っていった。

俺は、さっきまで二人で座っていたベンチに座り、約20分後に帰った。

4月21日。これが、俺と椿の少しおかしな関係が始まるキッカケだった。

こうして恋人関係となった椿と鋼二。

楽しく幸せな日々を過ごすが、そんな日常は長くは続かなかった・・・。

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