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聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜  作者: 水上 空


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聖女の休日? 決死の遠隔蘇生(リモート・レザレクション)


馬車で半日。ようやく辿り着いた同期のメイの家。そこには、高熱で顔を真っ赤にしたメイが横たわっていた。


メイ:あら……ノアール。わざわざ、遠くまでお見舞いに……。ゴホッ、ゴホッ!


ノアール:メイ、無理しちゃダメよ。これ、滋養強壮にいいマナ林檎。今剥いてあげるから……。


その時、ノアールの懐にある「カイトのバイタルサイン(命の灯火)」を示す水晶が、激しく、禍々しく点滅し始めた。


ノアール:……(ピキッ)……嘘でしょ。到着して5分よ。まだ挨拶しかしてないわよ……!!


その頃、新居ではアイリスが「留守番の暇つぶし」にカイトの特訓を行っていた。


アイリス:はっはっは! カイト殿、気合が足りんぞ! 喝だぁぁ!!(激励のつもりで背中を豪快に叩く)


カイト:ぎゃふっ!?(肺の中の空気が全部漏れ、心臓が物理的にズレて死亡)


ルナ:……あ。……アイリス様。……カイト様の背中が、今の衝撃で「くの字」に曲がっています。……これ、ノアール様がいないと戻りません。


三途の川


カロン:はい、ピッ! 104回目。死因、「アイリス様の『愛のムチ(物理)』による内部崩壊」。……カイト様、留守番すらできないなんて、いっそここを住民票の住所にしませんか?


カイト:カロンさん! カードの背景が「病室のカーテン」になってる!?


カロン:お見舞いコラボ仕様です。……あ、ノアール様が「病人メイの魔力を使ってでも叩き起こしてやるわ!!」って、『超広域・強制ブーストお説教』を準備してますよ。


メイの病室。ノアールはメイの布団の上に跨り、震える彼女の両手を無理やり掴んで杖に向けさせた。


メイ:ちょっと……ノアール!? 私、病人なんだけど……! 手から、すごい勢いで魔力が吸い取られて……!


ノアール:メイ、ごめん! でもこれ、今すぐ繋がないとあいつが三途の川で定住しちゃうの! あんたの「出力」だけ貸して!! 窓、全開にするわよ!!


ノアールは窓から遥か新居の方角を睨みつけ、メイの魔力をブースターにして叫んだ!


ノアール:

「冥き底より這いずる愚か者よ! 距離なんて私の怒りとメイの魔力でゼロにしてやるわ! 病人の睡眠時間を一発の背中叩きで奪った罪を、その身で受けなさい! ――【いい加減にしろよこのお留守番バカイトォォォ・増幅遠隔メイ・ブースト・レザレクション】!!!」


ドゴォォォォォォォン!!!(空を割るような二重奏の衝撃波が地平線を越え、新居の庭に着弾)


カイト:ガバッ! ただいま! ……あ、あれ? 今、空からノアールとメイさんの声がダブルで聞こえた気が……。メイさん、風邪なのに無理させちゃってごめんなさい!!


メイ:……ノアール。お見舞いに来てくれたのは嬉しいけど……熱、上がった気がする……。


ノアール:……(肩で息をしながら)……ごめん、メイ。あとでこの100倍のマナ林檎、あいつ(カイト)の給料から天引きして送るから。


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