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聖女ノアールの受難 〜私のMPはゴミクズ勇者のためにあるのではない〜  作者: 水上 空


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聖女の交代劇!ノアールのダウンとサフィの過剰介護



冬の終わりの新居にて

新章突入早々、新居に緊張が走る。あの鉄の女、聖女ノアールがベッドに沈んでいた。


ノアール:……うぅ、頭が割れそう。……カイト、あんたが雪山で遭難して蘇生させた時に、冷気を吸い込みすぎたせいよ。責任取りなさい……。


カイト:ええっ、俺のせい!? でも、ノアールが寝込むなんて珍しいな。


ルナ:……ノアール様の魔力が風邪菌と戦って、部屋の温度が40度を超えてます。……このままじゃ、家が溶けます。


サフィ:ひ、ひぃぃぃ! ノアールちゃんの一大事ですぅ! 私が代わりに回復役ヒーラーを務めますぅぅ!!

カイト:サフィさん、頼もしいな。じゃあ、俺のこの「連日の蘇生でボロボロの腰」をちょっと癒して……。


サフィ:お任せくださいぃ! えいっ! 【至高の聖域:ハイ・ホーリー・パレス】!!


サフィが放った回復光線は、腰を治すどころか、カイトを細胞レベルで再構成し、あまりの高エネルギーに耐えきれなくなったカイトの心臓が「幸福の絶頂」で停止した。


カイト:……あ、腰が治る前に……魂が天に……。

三途の川:ノアール不在の受付

カロン:あ、カイト様。……あれ? 今日はノアール様の怒鳴り声が聞こえませんね。


カイト:ノアール、風邪で寝込んじゃってさ。代わりにサフィさんがやってくれてるんだけど……。


カロン:はい、ピッ! 63回目。死因、過剰な優しさによるショック死。……でもカイト様、サフィ様は「蘇生」が苦手で「浄化」が得意なんですよ。今、現世でサフィ様が泣きながら『カイトさんの魂を天国へ送っちゃいますぅぅ!』って逆走魔法を唱えてます。


カイト:えっ、蘇生じゃなくて成仏!? 早く戻して!!

現世では、サフィが泣きながらカイトの体に「昇天の光」を浴びせていた。


サフィ:うわぁぁん! カイトさんが起きないよぉ! もういっそ、綺麗なまま天国へ……!


ノアール:――ちょっと待ちなさいよぉぉ!! 寝てる間にうちの盾を勝手に昇天させてんじゃないわよ!!


寝込んでいたはずのノアールが、あまりの危機感にパジャマ姿で飛び出してきた。


ノアール:風邪菌なんて私の怒りで焼き尽くしたわ!! サフィ、あんたは実家に帰って「加減」という言葉を1万回書いてきなさい!! ……いい加減にしろよこのお節介ハイスペック・サフィィィ!! ついでにバカイト、あんたも三途の川で道草食ってんじゃないわよ!! ……【いい加減にしろよこの虚弱体質バカイトォォォ・病み上がりレザレクション】!!!


ドゴォォォォン!!(病み上がりとは思えない特大の衝撃波)


イト:ガバッ! ただいま! ……あ、ノアール、顔色が戻ってる。


サフィ:ノ、ノアールちゃん……。ごめんなさいぃぃ! 私、やっぱり修行し直してきますぅぅ!!(光の速さで実家へ逃走)


アイリス:はっはっは! やはりこの家にはノアールの怒鳴り声が似合うな!


ルナ:……サフィ様、お土産に「世界樹の漢方薬」を置いていきましたよ。……あ、カイト様。これ、飲むと3回くらい死ぬほど苦いらしいです。


カイト:……俺、健康でいるよ。絶対。

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