名誉の死?ゼニゲバ・シティのカイト銅像
ゼニゲバ・シティ帰還
空中庭園からの落下を乗り越え、一行はようやく拠点であるゼニゲバ・シティの正門に辿り着いた。
カイト:はぁ……やっと帰ってきた。まずは宿屋でふかふかのベッドに……。
アイリス:む! カイト殿、見ろ! 広場に人だかりができているぞ。何か新しい祭りの準備か?
広場の中央には、布に包まれた巨大な何かが鎮座していた。市長が演説を始める。
市長:市民の皆さん! 我が街を数々の災厄から救い(?)、死ぬたびに爆風で魔王軍を蹴散らした英雄……カイト殿の功績を称え、この『不滅の盾像』を建立いたしました!
バサッ! と布が払われると、そこには「白目を剥いて倒れかけ、ノアールに詰め寄られている瞬間」を完璧に再現したカイトの銅像が立っていた。
ノアール:ちょっとぉぉ! 何よあの悪意のあるポーズは! 私までセットで公共の場に晒されてるじゃないの!!
カイト:あはは……でも、俺の銅像なんて照れるな。ちょっと触ってみようかな。
カイトが銅像の足元に手を触れた瞬間、建設途中で固定が甘かった「説明書きの重い石板」が、カイトの脳天を直撃した。
カイト:……あ、自分の像に……殺されるなんて……。
カロン(天の声):はい、ピッ! 記念すべき2枚目カード、1個目(通算51回目)です。死因、自らの名声による物理的圧死。
ノアール:――自分の人気に浮かれて、重力に負けてるんじゃないわよ! この恥ずかしい像ごと粉々にしてあげるわ!! ……いい加減にしろよこのナルシストバカイトォォォ・レザレクション!!!
ドゴォォォォン!!(蘇生衝撃波が広場を揺らし、銅像の首が明後日の方向へ飛ぶ)
カイト:ガバッ!ただいま! ……って、ノアール、俺の像が首チョンパに!?
市長:おおお! これぞ奇跡! 像の前で死ねば、聖女様の爆音蘇生が拝めるという噂は本当だったのか!
市民たち:カイト様! 縁起物だ! 私も隣で死にたい! サインください!
ルナ:……カイト様。いつの間にか、この銅像の前で『死ぬフリ』をしてノアール様に蘇生(物理)してもらうのが、街の若者の間で流行ってるみたいですよ……。
アイリス:素晴らしい! カイト殿、君はもはや街のシンボルだ! さあ、ファンサービスとしてあと3回ほど華麗に死んで見せろ!
アイリスが激励のつもりでカイトの背中を叩くと、カイトの体が弾き飛ばされ、隣の噴水の中に頭から突っ込んだ。
三途の川:営業再開
カロン:おかえりなさい、52回目。死因、噴水での逆さ溺死。ピッ! 2枚目カードは、10個ごとに『蘇生時の爆音を好きなBGMに変えられる権』が当たりますよ。
カイト:……ノアールの説教がBGMになるのだけは勘弁してくれ……。
ノアール(現世からの叫び):――噴水で水遊びしてないで、さっさと上がってきなさい! 観光客に見物料を請求するわよ!! ……いい加減にしろよこのブロンズバカイトォォォ・レザレクション!!!




