始まりの千年樹
医療と自然の国「アルティミス」の北方にある、とある町には、今日も小鳥の歌声が聞こえてくる。
「おはよう、小鳥さん。今日もいい天気ね。」
彼女の名前は、マリア。独りぼっちの女の子。家族も友達もいない。心から信頼できる友達は小鳥と、千年樹だけ。それでも、いつも明るく振る舞っていて、町ではちょっとした人気者だ。
実は、彼女には秘密がある。それは、魔法が使えることだ。風を操ったり、火を出したり。中でも、彼女が一番得意なのは、光魔法。闇を照らしたり、光を操ったり、電気の代わりにもなる。
下宿先の宿屋の近くにある千年樹。それに祈り続ければ、願いが叶うらしい。彼女は願った。「友達が欲しい」と。
そして、願いは叶った。
あの子に出会ったのは、千年樹の前。綺麗な緑色の髪をした、女の子。彼女は言った。
「お友達になりましょう。」
私は、孤独だった。町では明るくしているけど、本当は、寂しかった。みんなが楽しそうに遊んでいるのを見ると、羨ましくてたまらなかった。友達が欲しい。自分のことを見て欲しい。
住み込みで働かせてもらっている宿屋のすぐ近くにある千年樹。そこでは、祈り続ければ願いが叶うという伝説がある。私は、祈り続けた。
そして、あの子に出会った。
「私、ミカエラって言うの。あなたの名前は何かしら?」
「私、マリアって言います!」
そして、私たちは友達になった。
それが、始まり。