第64話 いやだ
「さぁて、そろそろトドメと行こうか……果たして君は、どんなロードモンスターに進化してくれるのかな?」
……嫌だ、私は進化なんてしたくない、死にたくない。
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。
「おやおや? 怖いのかい? ここから見ても震えているの、わかるよ?」
私は恐怖のあまり、もはや後ずさりをする力すらも無くなってきた。
私は死ぬのか……それとも進化してしまうのか……。
どちらかは分からないが、私はもう……動く気力すらなかった。
もう……このまま……やられた方が……。
「それでは、運が良ければまた会おう……アニマ!!」
私は……目を閉じた。
そして……私の体に……痛みが……。
「ぐはぁ!?」
……タイタンの呻き声が聞こえ、私は静かに目を開けた。
そこに見えたのは……。
「……ロープ?」
傷だらけのロープだった。
タイタンはロープの攻撃を受けたのか、向こう側へ吹っ飛ばされていた。
「アニマさん! 大丈夫ですか!?」
ロープは私に向かって手を伸ばした。
ロープの腕はボロボロで、全身血だらけ……伸ばした手も小刻みに震えていた。
私はその腕を掴むと、ロープを思いっきり抱きしめた。
ロープの体温が体中に伝わり、彼女の無事が確認できた。
「ロープ! ボロボロじゃない!」
「あ、アニマさん……苦しいです……」
「あ、ご、ごめん……」
私は咄嗟に離れ、ロープが向こうに突き飛ばした怪物に向かって構える。
「……ふふふ……あははははは!!」
奴は立ち上がって、こちらに向かって指を差す。
ロープの攻撃が聞いているのか、フラフラとしていて、頭がおかしくなったのか高く笑っている。