第47話 次なる脅威
「ロープ!」
「アニマさん!」
物陰に隠れていたロープに声を掛け、安否を確認する。
「アニマさん……死んじゃったのかと思いました……」
「馬鹿ね……私は勇者よ?」
「ふふふ……そうでしたね」
「うん……ふふふ……」
お互いに抱き合い、体温を感じ合った。
ロープの暖かい体温……無事なようだ。
「アニマさん……苦しいですよ……」
「あ、ごめん……」
どうやら、気持ちが高ぶってしまい、力強く抱きしめてしまった。
「とりあえず、あのロードモンスターは倒したよ! これで街も……」
そんなことを呟いた……その時だった。
「きゃああああああ!!」
「ドラゴンだあああああ!!」
「誰か助けて!!」
……ドラゴン? まさか……まだいたの?
「行こう! ロープ! 動ける?」
「はい! 行きましょう!」
私たちは手をつなぎ、現場へと急いだ。
◇
「殺す……殺す……どこだ……どこだ……」
ドラゴンロードは、標的を見失っていた。
殺害対象も見失い、縦横無尽に暴れていた。
「はぁ……殺す……冒険者……」
住民は皆逃げまどい、もはや残っている者は逃げ遅れた数人。
そんな中でも、ドラゴンロードは破壊と殺害を続けている。
まるで、腹をすかせた猛獣のように……。
……そんな猛獣を止めるべく、国から派遣された集団が現れた……「騎士団」だ。
「全ての剣は国民のために!! 今すぐあの怪物を止めるのだ!」
先頭を切る騎士団長のタイタンは、団員たちに対して発破をかける。
「うおおおおお!! 突撃!!」
「全ての剣は国民のために!!!」
団員たちは団長の意見に賛同し、声を上げ、突撃を開始した。
「はぁ……はぁ……殺す……殺す!!」
ドラゴンロードは、こちらに向かってくる騎士団員たちに向かい咆哮を上げ戦闘態勢に入った。