第46話 斃れる豚と狼
「まずい……かも……」
早いとこ……次の攻撃の準備をしないと……。
違うカードを取り出そうとした……その時……。
「うおおおおおおおお!! 敵だあああああああああ!!」
「モンスター、ぶっ潰す!!」
向こう側から数百は超える冒険者たちが、武器を構えて接近してきていた。
2体のロードモンスターは、接近してくる冒険者たちに注目していた。
よし、チャンス!
私は格闘ジョブのカードを翳した。
『ジョブチェンジ! 格闘!』
私はオーク……ニクスに向かって、パンチとキックをお見舞いする。
奴は私の攻撃で完全に瀕死状態になった。
「うぅ……汚い……汚い……」
奴は瀕死の状態でそんなことを唱えていた。
「今最も汚いのは……アンタだよ、ニクス」
……次はオークだ。
私は杖のカードを翳した。
『ジョブチェンジ! 魔法!』
ローブを身に纏った私は、早速氷をイメージし、コボルトの脚を固めた。
奴は身動きが取れなくなり、抜け出そうと必死にもがいていた。
「うぅ……偉い……俺は偉い……」
苦しみながら、奴は呪詛を唱えていた。
……そんな中、向こうから走ってきていた冒険者たちが、すぐ近くまで到着していた。
「おっしゃあああああああ!! 仲間の仇だああああああああ!!」
「喋るモンスター、ぶっ殺す!!」
冒険者たちは、ほぼ動かない人形状態である2体に向かって、集団で攻撃を仕掛ける。
剣で切り裂き、鎚で潰し、魔法で燃やし、弓で射抜き、斧でカチ割り……。
カロンとニクスは、そんな中でも、自身の欲望を唱え続けていた。
「偉い……偉い……」
「汚い……綺麗に……」
……私は見ていられなくなり……ロープを探すことにした。
「よっしゃあああああああ!! 喋るモンスターを倒したぞ!!」
「お前ら……仇……討ったぜ!!」
「報酬もゲット! 一石二鳥だ!!」
後ろから、冒険者たちの歓喜の声が聞こえた。
体調悪い中頑張って書いています。
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