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第33話 刺激

「さぁて今日も大量だね、ロープ」

「はい!」


 私たちはダンジョン探索を終え、換金をした後、どこかで豪遊しようと話していた。


「でも……私……沢山汗かいちゃいました……」

「ふふふ、一番頑張ってたもんね、先にお風呂行こうか!」

「はい!」


 よく考えると、確かにご飯よりもお風呂に入りたいかな、さっぱりしたいし。

 手をつなぎ、浴場へと向かおうとした……その時。


「に、逃げろおおおおおおお!!」

「た、助けてええええええ!!」

「向こうに喋るモンスターがいるぞ! みんな逃げろ!!」


 ……喋るモンスターだって? 大変だ!


「ロープ! 行こう!」

「はい!」


 ロープと逸れないように手を掴んだまま、私たちは人ごみの波を抜け、喋るモンスターがいる場所へと進む。

 人々は自分の命を守るのに必死なのか、私たちのことなど気にも留めず、無心に走っていた。

 ……しばらく進んでいると、それらしき影が見えてきた。

 あれは……。


「……オーガか、かなり強そうだね」


 屈強なオーガだった。

 ……奴の周りには、おそらく襲ったであろう、冒険者や騎士団の遺体が沢山転がっていた。

 ……ここでかなり暴れまわったようだ。


「あぁ……愛が……愛が欲しい……何故誰も愛してくれないの……アタシを愛して……愛してよ!!」


 ……喋るオーガはそんなことを口にしながら、縦横無尽に暴れていた。


「よし、行くよ! ロープ!」

「はい!」


 私はカードを翳し、変身した。

 とりあえずこれだ!


『ジョブチェンジ! 弓!』

 

 まずは遠距離攻撃で様子を見よう!

 ロープは様子をうかがっているのか、私より少し前で構えている。


「ねぇ……アタシを愛して……アタシを愛して!!」


 ……私を愛して? どういう事だろう?

 というかこの声……なんか聞き覚えがあるような。


「なんで……どうして……アタシを見捨てないで……お願い……」


 ……とりあえず、攻撃しないと。

 私は奴目掛けて光の矢を放つ。

 それが命中し、矢は奴の体を貫通していった。


「痛い……これが愛? 愛なの? 愛なのね? もっと……もっとおおおおおおおお!!」


 奴は私の攻撃を愛の告白と勘違いしたらしく、私目掛けて突進してきた。

 ……まずい、刺激しちゃったみたい。

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