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第26話 入浴

「……ずぶ濡れだね」

「そうですね……」


 ……この水、まさか全部奴が吸収したものなのだろうか?

 そういえば、あの男性たちが話していた言葉……。


『なぁなぁ、聞いたか? 辺境の湖が突然干上がったらしいぞ!?』

『嘘つくなよ、辺境の湖っつたら、この辺で一番デカい湖じゃねぇか』

『マジなんだよ、俺の取引相手の行商人が言ってたんだ、なんか周りにはカラカラに乾いた人間の死体があったらしくてよ……』


 ……あの事件、全部あのスライムの仕業なのだろうか?

 ということは、この水は全部……考えない方がいいのかな?


「……とりあえず、騎士団の人が来るまで、雨宿りしませんか?」

「そうだね……」


 このままここにいると風邪をひきそうだ、ロープの言う通り、一旦屋内に入ろう。



 しばらくして、タイタンさんが到着し、事件を引き継いで私たちは公衆浴場へと向かった。

 ダンジョン探索で疲れた上に、滝のような雨を受けたおかげでもうヘロヘロだ。

 ちなみにまだ雨は降り続いている、弱まっては来たけど。

 ……洪水とかにならないといいな。


「ふぅ~、今日は色々ありすぎたね、ロープ」

「はい、私もとても疲れました……」


 なんというか、疲れとか雨水がお湯で洗い流されたような……そんな感じがする。

 私たちは湯船に浸かり、お互いに今日の出来事を振り返った。


「いやぁ、全く、カロンの奴……次会ったらマジでぶっ飛ばす! ロープを馬鹿にして、絶対に許せない!」

「まぁまぁ……」

「まぁまぁって! ロープだって悔しいでしょ? あんな奴許せないでしょ?」

「そう……ですけど」


 カロンの奴……思い出すだけで腹が立つ……今度会ったら……。


「それよりも……今日はやけに乾燥してましたね」

「うん、そうだね……多分、あのスライムのせいじゃないかって私は考えているんだ」

「……と、言いますと?」

「いやね……」


 ……私はこう考えている。

 奴は水を強く求めていた……湖の水を吸収したのも奴だとすると、その欲求はかなりのもの。

 空気中の水分も奴が吸収したと考えると……乾燥していたのも納得がいく。


「……ていうのが私の考え」

「なるほど……確かにそうかもしれませんね!」


 ロープは私の考案に納得したようだった。

 だが……分からないことがある。

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