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第20話 金貨と励まし

「えーっと、査定額ですが……」

「……」


 いよいよ査定額の金額が明かされる。

 一体いくらなんだろう……緊張してきた。


「……金貨1枚と銀貨5000枚ですね」

「はぁ……金貨……金貨!?」


 え? 何かの聞き間違い? 今この人金貨って言った!?


「本当なんですか!?」

「え、えぇ……何せ量が量ですし……このくらいが妥当かと……ご不満ですか?」

「いや、逆ですよ! こんなに受け取れないですよ!」


 銀貨数千枚が限度かな……って考えていたのに、これは予想外すぎる!

 贅沢してもお釣りが来るんじゃない!?


「まぁでも……渡さないわけにはいかないので……受け取ってください、くれぐれも盗まれないように……」

「はい……ありがとうございます」


 少々気が引けるが、貰えるものは貰っておこう。

 それにしてもカロン様様だな、さっきロープの侮辱したことは許せないが、ゴミアイテムという名の最強装備をくれたことは感謝してやろう。

 ……そういえばロープ、大丈夫かな? 早く外に行こう。



「ロープ! お待たせ!」


 私はギルドへ出るや否や、外で待っていたロープに声を掛ける。

 ロープは……地面に座り込んで……下を向いていた。

 私はロープの目の前に着くと、すぐさま、しゃがみこんだ。


「……ロープ」


 ……声を掛けると、ロープはゆっくりと私を見つめる。

 彼女の顔は……悲しそうだった。

 涙を流したのか、目の周りが真っ赤に腫れ上がっている。

 カロンの野郎……次会ったらぶん殴ってやりたい。

 ……でも今はロープの心配だ。


「……ロープ」

「……アニマさん……私……」

「気にしないで、あいつが言ったことなんて大したことないよ」

「でも……言っていることは間違いじゃないかもしれません……私のジョブは……」


 ……彼女はまた泣き出しそうになっていた。

 すぐさま私は、ロープを抱きしめた。

 彼女の体は柔らかいが、鍛えている影響でどこか逞しく、そして暖かく感じられた。

 体は震えていたが、背中を撫でてあげると、その震えが徐々に抑えられていくのが分かった。


「アニマ……さん?」


 ロープは困惑しているのか、そんな言葉を発する。

 ……とりあえず洪水は防げたかな。

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