表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/68

第18話 格闘ジョブの過去 ※ロープ視点

 ……まず最初に、仕事探しだ。

 体力面で使えそうな建設現場や配達業務の仕事を当たってみたはいいけど……責任者は口をそろえてこう言ってきた。


「ここで働きたいだ? お前みたいなちゃちい小娘、耐えられる訳ねぇだろ!」


 ……とかなんとか。

 なんというか、侮辱されている気分だった。

 何とか仕事を探そうとあっちこっちを走り回った。

 ……その間にも、鍛えることは続けていたけど……やっぱり仕事は見つからなかった。

 どうしようもない私を助けてくれたのは……食堂の女将さんだった。


「なんだい、お嬢ちゃん、飯食ってないのかい? ならウチに来な」


 ……女将さんには本当に感謝している。

 見ず知らずの私を拾ってくれて、食事まで……。

 女将さんのために何かやろうと思って、タダ働きでもいいから働かせてくれと言ったけど……。


「いやいや、こんなところで働いてても仕方ないでしょ? せっかく王都に来たんだから……」


 と言われ、軽く流されてしまった。

 でも、女将さんは「冒険者ギルドならいつでも人員を募集している」と言ってくれた。

 冒険者ギルド……危険な仕事ではあるが、祖母が話していた勇者様も冒険者だったということもあり、やってみる価値はあると、そう考え、私は加入を決意した。


ジョブ選定で、私は格闘ジョブになった。


 次に入れてくれるパーティを探す……と思った矢先、問題が発生した。

 私を雇ってくれるようなパーティが無い、別にソロでやろうと思えばできるが、ド素人の私が単独で突っ込んだら即死確定だ。

 なんとかパーティを探し、ついに雇ってくれるパーティが見つかった。

 嬉しくて飛び上がりそうだった……パーティ加入後、ここまで鍛え上げた体力をいかんなく発揮し、前線に立ってモンスターを倒していった。

……だけど。


「ごめん、人員足りちゃってるからエウロプはクビね」


 ……数か月後、そんなことを言われ、パーティから追い出された。


 その後、また違うパーティに加入することができるも、そこも数か月でクビ。

 何度も何度も何度も……それの繰り返し。

 いつしか私は……自分がここまで生きてきた意味を考えるようになってしまった。

 私は何のために体力をつけた? 何のために王都に来た? 何のためにここまでやってきたんだ?


 ……誰でもいいから……答えを教えて欲しい、そう考えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ