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五話 

応接室内にはギルドマスター、私、ルーカスの3人が入った。中には机と、向かい合うように椅子が置いてあった。私たちは椅子に座り地図を出した。

「先ほども言ったが、スタンピードが発生した。」

「規模は?」

「歴代最高、およそ十万だ。」

「十万、ですか。」

「それにより我々は非戦闘民をバント辺境地に集めさせた。」

「それが最適でしょうね。あそこは守りが強く、兵力も多い。」

「我々があなたがた冒険者に望むことは、バント辺境地へ行き魔物たちを討伐することだ。」

魔物は魔力で居場所が分かる。おそらくバント辺境地に集まるだろう。騎士だけではおそらく守りきれない。そもそも騎士は守り重視であり、ましてや魔物との戦闘なんてほとんどしたことがない者が大多数だ。

「なるほどね。確かに我々冒険者はスタンピード発生時現地に駆けつける義務がある。もちろん行きますよ。」

「今回は規模が大きく、危険だ。そのため戦闘系冒険者はDランク以上。回復職はEランク以上の冒険者に来てほしい。」

冒険者はFランクからSランクまである。Cランクまではギルド職員の独断で決められるが、Bランクからはギルドマスターの許可がいる。Aランク以上の冒険者は全体の20%、Sランクの冒険者は5%しかいない。それだけ貴重なのだ。

「わかりました。すぐさま各地の冒険者ギルドに指令を送ります。」

「頼んだ。」

「ちょっと失礼します。」

ギルドマスターは通信機を取り出した。

『ギルド職員に伝令、全員各地に指令せよ。全国の冒険者に告げる。スタンピードが発生した。Dランク以上の戦闘系、Eランク以上の回復系の冒険者は直ちにバント辺境地へ向かえ。以上だ。』

冒険者の方はこれで大丈夫だろう。

「ギルマス、私はこれで失礼するよ。」

「はい。お気をつけて。」

「冒険者の方は頼んだ。」

「お任せください。」

「ルーカス、行くぞ。」

『テレポレーション』

一瞬体が浮くような感覚がして、景色が城の見慣れたところへと変わった。

「次は現地に行く。先に伝えとかねばな。」

「はっ!」

『テレポレーション』

私はバント辺境地の辺境伯の館の扉の前に飛んだ。当然だが門番に止められた。

「お待ちください。ここから先は身元のわからない人はお通しできません。」

「私はラディア・エンペル・シャドネイラーだ。緊急の用事で来た。至急辺境伯に御目通り願おう。」

「失礼いたしました。どうぞ。」

中へ入り私はメイドの一人に声をかけた。

「すまないが、伯を呼んでくれ。」

「はい。」


少し経つとバント辺境伯がやってきた。

「これはこれは陛下。本日は何ようで?」

「スタンピードが発生した。わかるな?」

「避難民が来るのですね。」

「そして冒険者が。」

「わかりました。すぐさま受け入れの用意を始め、守りを固めます。」

「あぁ。」

『テレポレーション』

私たちはリストの上から順に飛んで行き、説明を簡単にして、全員を強制転移させた。流石に魔力切れが起こり始めた。

「ハァ、ハァ、ハァ。」

「大丈夫ですか?」

「魔力切れが起こり始めただけだ。問題ない。」

私は魔力回復薬を飲んだ。

「さぁ、現地へ行くぞ。」

「はい!」

『テレポレーション』

バント辺境地、門前。そこには冒険者が早くも集っていた。Sランク冒険者が指示を出しているようだ。

「集まっていただきありがとうございます。今魔物たちはどの辺に?」

「あと数分で着くだろう距離だ。」

「そうですか。一番守りが破られそうなのはどこです?」

「ここだな。」

そう言って冒険者は地図の一箇所を指した。

「なるほど。ありがとうございます。」

そう言って私はそこへ向かおうとした。

「待て。」

「なぜです?」

「お前は貴族だろう。ひやかしで向かうのはやめていただこう。」

「確かに王族ですけど、ひやかしじゃありませんよ。」

「王族?なおのことダメだ。戦いのことは我々に任せていただきたい。」

「私も戦力になると思いますよ。」

「貴族を守りながら戦うのは戦いにくい。」

「結構です。自分の身は自分で守れます。」

「そこの後ろに奴が守るんだろう。」

冒険者がだんだんイライラしてきたのが分かった。

「いいえ。」

「なんかあったら俺らの後ろに隠れる、なんてあったら迷惑だ。」

私はそんなに頼りないかな。

魔法を使ってシャドウとして動いていた時の姿に変えた。

「私はシャドウとして動いていました。問題ありません。」

「姿なら誰にでもかえられる。」

めんどくさ。

「じゃあ、どっからでもいいので私に切り掛かってください。」

「は?」

「怪我しても文句は言いませんよ。」

しないけど。

「わかった。」

そう言った途端、彼は右側から切り掛かってきた。

『シールド』

私は魔力で盾を作り防いだ。

「な!?」

「もう一度言いますが、問題ありません。」

「わかった。認める。」

「あちらに向かっていいですね。」

「あぁ。」

「何か指示があったら言ってください。私は今王族としてではなく、冒険者としてここにいますから。」

「わかった。」

私たちは言われたとこに向かい、戦闘体制をとった。

「陛下、後でちゃんと説明してくださいね。」

「後でな。」

視界に魔物が映り込んだ。

戦闘開始だ。

前回と同じくらい書けました。(嬉しい)


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