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十九話

男は、暗い中窓枠に腰掛け外を眺めていた。

髪は白銀、血のように赤い瞳。人外の美しさは見る者の心を奪う。

悪魔族を率い、魔王に反する者。

名をカース。

『死神』の名とともに、おそるべき者としてその名を轟かせている。



〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜



「ここに、そいつがいるんだな?」

「あぁ。」


そうか、と私は短く答えた。

我々の前方には黒と銀で形取られた城が立っていた。

ここに、ここに兄をあんなふうにした奴がいる。


「ようやく・・・ようやくだ。」


私は城に入った。

二人も私の後ろについてきた。

入ってみると、中は意外と綺麗だった。


「意外と趣味がいいじゃないか。」

「そうですね、意外です。」


しばらく見ていると、歩く鎧たちに囲まれた。


「『鎧騎士(リビングアーマー)』ですね。」

「そのようだな。」


頭上や近くの像も動き出した。


「『ガーゴイル』まで出てきたか。厄介な・・・。」

「魔王、疲れたなら下がってていいぞ?」

「ふんっ。舐めるでないわ。」


私たちは戦闘体制に入った。

ルーカスが口の端だけ上げながら聞いてきた。


「陛下、許可をいただけますか?」

「あぁ。」


彼は自らの封印を解き、完全状態になった。


「では陛下、失礼します。」

「私はのんびりしてるから、楽しむといい。」

「ありがとうございます。」


そう言って彼は跳躍し、魔物の群れに突っ込んだ。

身体能力を上昇させていたらしく、彼が着地したところにはクレーターができ、そこにいた鎧は吹き飛んでいた。


「今代の国王陛下は本当にお優しい。こんなにも全力で戦う機会をくださるだなんて。」


彼は不敵に笑い、魔物たちを一望した。



〜ルーカスの目線〜


私はいつものように、髪を結び直した。

自然と口角が上がってしまう。

私も魔族ということだろう。

戦いとなれば、血が騒ぐ。


「本来であれば、私一人で片付けたいところですが・・・時間もありませんし、仕方ありません。」


私は一族の仲間を呼んだ。

サトライザー家は私一人ではない。


「珍しいねぇ。お前があたしらを呼ぶだなんて。」

「せっかく呼んでさしあげたのです。少しでも陛下のお役に立ち、認めてもらえるように励みなさい。殺し尽くす許可はいただきました。存分に力を振いなさい!」


仲間たちも封印を解き、魔力を身に纏った。

我々の殺気に、頭上のシャンデリアが揺れる。


「殺し尽くして差し上げますよ」


私は片側の口角をあげた。



しばらくして、あたりの鎧とガーゴイルはあらかた片付いた。

辺りを見渡していると、奥からカツ、カツ、と音が聞こえた。

そして、一人の悪魔が出てきた。

執事服を着て、手には何も持っていない。

が、敵だ。


「我が君はただいま休んでおられます。即刻立ち去りなさい。」

「お断りいたします。」


私はニコリとそう告げた。


「ならば、死ね!!」


突然、足元から赤い結晶が槍のように突き出てきた。

私は飛んで避けた。そして剣を構え、そいつに接近した。

剣を振り翳し、切ろうとした、が、そいつは手でそれを防いだ。


「ヴァルの子孫ならばと警戒しましたが・・・この程度ですか。弱すぎる。」


そいつは剣を握りつぶし、そう言った。

私は気にせず、呪文を唱えた。


『生者の領土より出て、死者の楽園の神より拒まれし者よ。再生を夢見、死と生の狭間で苦しむものよ。これぞ凍てつく太陽なれば。』

「な、何を!?」

『楽園より追われ、生者に拒まれし者よ。再生を求め、今一度太陽を見ることを夢見し者よ。これぞ血塗られし死者の太陽なれば。』

「貴様、何をぶつぶつと!」

『元来の魂の流れより外れた魂よ。蒼き太陽の神は一時の間、仮初の命を与えるともうされる。再起を望む者よ、我が声に応えよ。』


私は仲間たちと比べ、筋力がなかった。

しかし、私には魔術の才があった。

その中でも私が最も得意とする物、それは死霊術。

小さい頃から、死者が見え、声が聞こえた。

この世にとどまっている死者たちが私の声に応え、今、仮初の命を与えられた死者たちが現れる。

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