プロローグ う○ちくん爆誕
悲しみと怒りと正義のヒーローう○ちくん
頑張れ、皆の非暴力系ヒーロー(笑)
神界の最上層、ミスターオリンピアの如き筋骨隆々とした美丈夫がポージングを決めては己のが筋肉の輝きを確かめていた。
「ふむ。今日も完璧な仕上がりじゃな」
満足そうに頷いて、黄金に輝く顎髭を撫で付けているのは全能かもしれない猫の奴隷神様だ。ルーティンのポージングを終えるとこれまたルーティンの愛猫たちの世話をしに行く、まずは最近人化できるようになった黒、白、茶の三色でまだまだぺたんこ幼女の幼猫神三毛子ちゃんのう○ちを片すべく、スコップ持って三毛子ちゃん愛用のアヒルちゃんおまるへと向かう。
「さー、今日の三毛子ちゃんの健康状態はどうじゃな~、ってっ…ぐわっ」
その時、猫の奴隷神様を強烈な光が襲う。
三毛子ちゃん愛用、真っ白にジト目フェイスが愛らしい黄色いくちばしアヒルちゃんおまるの中から燦然と黄金の光が眩く放たれていたのだ。
「な、何事だ、いったい」
猫の奴隷神様は光を遮るべく、サングラスを虚空より取り出しかけると険しい表情でおまるを覗く、ちなみに手に持っているスコップの柄には柄頭にでっかいくまさんが微笑んでいる。ハリウッドアクションスターのようなグラサン金髪顎髭マッチョがくまさんスコップ片手にアヒルちゃんおまるを覗く、お巡りさんこいつです。いや、そうじゃない。なかなかにカオスな展開だが、そこにあったのは黄金に輝くう○ちであった。
「なるほど、わからん」
猫の奴隷神様は混乱した。
なんだ、三毛子ちゃんの健康状態最高ってことか、いや、こんなん出てたら、むしろヤバい兆候じゃないのか。てか、こんなん出るか、いくら神でも黄金のう○ことか出ないって、いや三毛子ちゃんはやっぱりスーパーな猫神だから出るのか。
と、刹那のあいだに無駄な思考を百周させる猫の奴隷神様、やっぱりお巡りさんこいつです。いや、そうじゃない。
うんうんと唸りながら思考を繰り返した猫の奴隷神様はふとこのう○ちがとんでもないものだと気付く、いや黄金に眩く光るホカホカう○ちの時点でバリやべー代物なのは間違いないのだが。
「こ、…これっ……これはっ!! このう○ちには強い悲しみと怒りとそれを凌駕して正義の魂が宿っている、なんということじゃ」
なんということだ、お巡りさんこいつです(しつこい天丼)もう、止めますm(_ _)m
猫の奴隷神様は出来る右腕、秘書兼頭脳担当のバステトさんを呼び出す、ちなみに猫の奴隷神様は脳筋担当だ、言うまでもないが。
「どうしました脳筋猫バカ様、って、眩しっ」
「今、盛大な罵倒が来なかった」
「そんなことありません肉ダルマ猫好き様、で、この光るう○ちは三毛子ちゃんのですか」
「いや、やっぱり罵倒…まあ、いいか、そう三毛子ちゃんのう○ちなんじゃが、とても強靭な正義の魂を宿してるんじゃ」
黒髪にスレンダーボディ、頭の上にシュッと形よく並ぶ猫耳の先端から白い毛が飾り羽のように伸び、切れ長の目にアメジストの瞳が涼やかな美貌の麗人は執事服に身を包みながら静かに軽蔑の視線をおくる。
「猫バカだ猫バカだと思っていましたが、猫の奴隷なんていう、ワケわからない権能を発現した途端、自ら猫の奴隷神なんて名乗る頭湧いてる変態とは存じていましたが、まさか、ここまでとは」
「いや、ディスり過ぎ、ディスり過ぎじゃからバステトさん。いや、よく見てこのう○ち、本当にすごいから」
絶対零度の視線を送るバステトさん、猫の奴隷神様は震え上がりながら、いや、見てと指を指す。
「はー、三毛子ちゃんがなんで光るう○ちなんて生産したかはわかりかねますが、…光るう○ちって」
呆れながら、自分もちゃっかりグラサンを取り出しう○ちを嫌々眺めるバステトさん。想像してほしい。
ハリウッドアクション大作のヒーローとヒロインがグラサンつけて光るう○ちをじっくり観察するカオスを。しかしさらなるカオスが襲来する。
「てか、猫ダルマ様、これ、マジで魂宿ってるじゃないですか」
「最初からそう言ってるんじゃが、ていうか罵倒はもう兎も角、キャラが崩壊して口調がの」
「……こほんっ、猫の奴隷神様、どういたしましょうか、まさか排泄物に魂が宿るなどという珍妙な事態」
「急に無理やり真面目にせんでよいのよ。しかし、これは日々現界に蔓延る不条理から人を救いたいと願うも現界に顕現するには制限の多い儂の化身が欲しいもんじゃと考えながら三毛子ちゃんを寝かし付けていたことが原因じゃろう」
「……なるほど、意味がわからないのですが、処分すればいいですか」
「良くないわ。この話、う○ちくんなの、一話目で主人公爆誕前に終了しちゃうから、それじゃと」
「急にメタい視点来ましたね、ありじゃないですか、テンプレに縛られない、全く新しい斬新なスタイルですよ」
「斬新過ぎて誰も真似せんは、わかるすでに2000字近く書いてまだ主人公が意志なきう○ちのままって可哀想な上に読者もそろそろ切る流れじゃよ」
「切られるなら、もうとっくにブラウザバックしてるかと、2000字越えましたね」
「あー、兎に角、このう○ちは儂の化身として、英雄にする、ヒーローう○ちくんじゃ」
「……ネーミング、…処分で良くないですか、う○ちのヒーローって、露骨に子供人気狙ってる感ありますし、う○ちって」
「もう、バステトさんが処分したいだけじゃろ。儂の意思が三毛子ちゃんを通じてう○ちに宿り誕生したんじゃ、最高神の化身、ヒーローう○ちくん、現界を頼んだぞ」
「こんなのに救われるなら滅びた方が幸せでは」
「辛辣過ぎんのよ、バステトさん」
かくして、ヒーローう○ちくんは爆誕した。
世に蔓延る不条理と戦うため、今日も
行け、ヒーローう○ちくん
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