間話 大国
めっちゃ遅れました!すいません!
聖ミリシマム国 聖都エイリーン 大聖堂内部
人口3800万人ほどの第6最先端列強国、聖ミリシマム国は国の国教、「聖ミリシマム教」はこの国の象徴とも言えるべき宗教である、がこの宗教はあくまで象徴であり、本当は国の幹部達や法皇などが好き放題やる為の逃げ道でもあった。
幹部達が何かやらかしたら神のお告げがどうたらこうたら...などというようにすぐに逃げるのだ。
国民達はこの様な暴政を知っていたが決して貧しい訳ではないし、何も言わなかったら何も言われないので大人しくしていた。
そんな国の大聖堂(大聖堂という名の城)では会議が開かれていた。
「旧式の武器を高い金で購入して喜んでいたギガ王国はどうなったのだ?まだ戦争を始めていないのか?」
「はい、彼等は未だに兵糧が充分に蓄えられていない様です」
「どこまでも無計画な奴等だな...よし、兵糧も高い金で売却してやれ。今回の戦いは表ではギガ王国を支援していない事になっているが支援している事は各国にバレバレだろうからな。これで負けたら我等の威信がボロボロになってしまう」
「はい、仰る通りです。魔導砲もたったの50問ですが売却しましたので恐らく大丈夫でしょう」
「うむ、頼んだぞグンマー軍務卿、だが最近日本とかいう国と大日本帝国という新興国が現れ、ギガ王国の敵達と交易を始めたではないか。彼等が支援してくる可能性もあるだろう?そこら辺に関しては大丈夫なのか?」
「2ヶ国と言えど所詮は我等に歩み寄ってこようともしない蛮族共です。もし加勢してきたとしても精々5000程度が限界でしょう。侵攻の妨げにはならないと思います」
「それもそうだな、心配をしすぎた様だ。実は最近娘がだな...」
彼等は日本国や大日本帝国の事を碌に調べずに蛮族として扱っていた。
メリー機械連合王国 マリナ軍事基地
「国王陛下は新興国の対応に対して何と仰っていた?」
ここでは新たに現れた新興国の今後の対応について小さな会議が開かれていた。
「国王陛下は新興国には興味がない、と仰っていた。つまり何をしても良いという事だな。よし植民地軍でいつものように征服をしてしまおう」
「そうだな、それがいい」
メリー植民地軍とはその名の通りメリー機械連合王国の植民地を増やす為、旧式の武器が集められて作られた植民地軍だ。
植民地軍の戦力は旧式戦艦2隻巡洋艦や駆逐艦などが合わせて98隻計100隻のお下がり艦隊と旧式装備を持った10万人の陸上戦力だけである。装甲車両の類は旧式戦車が50輌しか配備されていない。正規軍からしたら
ただのゴミ同然であるが、新興国からしたらいずれの装備も未来の兵器であり、抵抗ができなかった。
戦艦2隻は戦艦という名の装甲艦で蒸気機関があってもそこまで進歩していない為、まだ帆がついていた。
地球の歴史でいう装甲巡洋艦パーミャチ・アゾーヴァとアドミラル・ナヒモフの様な外観をしている。
そして旧式戦車だがこれは戦車というよりも装甲車に近くT-18 軽戦車の様な見た目に武装が6.5mm機銃が4問ついているのみである。
「だが偵察艦隊からは敵は銃を持っていたらしいが植民地軍の方にも被害が出てしまうのではないか?」
「銃を持っていても所詮新興国だ。海岸に流れ着いたのを綺麗にして使えないのに持っていたりする場合がほとんどだから大丈夫だ」
「それもそうだな。よし、植民地軍に準備をさせよう、あいつら手際が悪いから5日ほど準備に時間がかかるから1週間後に出発だな」
「そうだな、それがいい」
一応最後通牒という名の従属要求は送るが新興国はプライドが高いので拒否される事は皆分かっていた。
神聖エルスタリアン大帝国 帝都マルクアースト 秘密情報局
トントン
「失礼します。聖ミリシマム国に潜入している工作員からギガ王国に対して軍事物資の支援をしている決定的な証拠を魔写で捉えたとの事です。今日中には魔写が送られてくるようです」
「うむ、これで我が国の政治カードが1枚増えたな、
だがそれよりも私が気になっているのはカンドロス王国周辺に現れた2ヶ国の新興国だが...」
「はい。カンドロス王国に潜入している工作員によると彼等は食糧や資源を貰う代わりに2ヶ国とも鉄道などのインフラ整備をするらしいです。実際に既に両国ともに物資を運んでいます」
「我が国とメリー機械連合王国の他にも鉄道技術を持っている国が現れたか...しかも2ヶ国でどちらも新興国か...」
「はい。あとこの情報はおそらく欺瞞情報でしょうが、彼等の使節が乗ってきた船が全て鉄製で100mを超えていたという噂が流れているようです」
「ははは!いくらなんでも鉄道技術を持っていたとしても全てが鉄の船で100mを超える船を建造できてしまうなんて列強並みではないか、そんな事はない」
「私もそう思います。では私は仕事をしに行きます」
「うむ、頼んだぞ」
第1最先端列強国である神聖エルスタリアン大帝国は表世界の中では広く情報網を張っていた。
しかし裏世界へはなかなか潜り込めず、潜り込めたとしても1週間ほどですぐに音信不通になってしまっていた。
メリー機械連合王国から見て東側に現れた新興国
「だから大人しく我々に従い毎年毎年きちんと資源や金、奴隷を納めろと言っているんだ」
「貴様...黙って聞いていれば無礼な事ばかり発言しおって...」
「よせ、ここはあくまでも外交の場だ」
「し、しかし、此奴は無礼すぎます!」
「いいから静かにせい!で、使節殿仰っている意味がよう分からなかった。もう一度言ってもらってもよいかな?」
「ふんっ仕方がないからもう一度だけ教えてやろう、素直に属国になれ!分かったか?いいか?もし拒否した場合植民地軍がお前らなど滅ぼs...」
ここまで言ったところで彼と彼の部下は頭と胴体が離れていた。
「殿!流石ですぞ!今すぐ幕府の危機として江戸に早馬を出します!」
「うむ、頼んだ。皆のもの!すぐに戦支度をせい!」
「「「「はっ!」」」」
慶長13年、丸に十字が書いてある旗が靡いている城でその事件は起こった。
皆さんはもうお気づきであろう。
この世界にはこの最初期の江戸幕府も転移してきてしまったのである。
経緯は現代日本や戦中日本とそんなに変わらないが、江戸日本は未だに転移としたという事が分かっていなかった。
だが何日も外国船は来ないので天災が起こったのではないかと噂になっていた。更に既に泊まっている外国船の中に入ると誰もいなかったので各藩は自分達の藩に泊まっていた外国商船やスペインやポルトガルのガレオン船などを自分達の物にした。
当時ガレオン船は徳川家康の持っていた『サン・ブエナ・ベントゥーラ』が1番強かったはずがオランダやスペイン、ポルトガルが残していったガレオン船で江戸幕府の優位性が失われつつあった。
そして江戸幕府がガレオン船を大量に造船しようかと考えていると薩摩藩の藩主 島津 忠恒が異国が江戸幕府に対し、従属を要求してきた。から切ったと書かれた書が送られてきた。
江戸城
「殿!!異国が我等に従属を要求してきたのですぞ!更に!拒否をしたら軍を差し向けるともほざいてきましたぞ!これは一矢報いるべきです!」
「うむ、その通りだ。我等に従属を要求した事を後悔させようぞ!父上!今は日の本全体が危険です!これは神が与えし試練!豊臣方と和解をし一刻も早く薩摩藩に日の本の軍を送るべきです!」
「うむ、だが秀忠。敵は馬鹿でかい船に乗ってきた。
海で守りを固めていては敵の船に乗っかっている大筒でやられてしまうだから...」
こうして秀忠の父、家康は秀忠や家臣達と共に作戦をたてるのであった。
次回は江戸日本vsメリー植民地軍の上陸戦です。
次回で間話は終わりにして2章に入っていきます。