対応
遅くなりました!すいません!おやすみなさい!
同時刻 北方方面に偵察に向かった偵察機
「...択捉島に付くぐらいの距離は飛んだのに、島一つ見えやしない、そちらは?」
「こっちも半島、島一つの確認も出来ていません」
北方方面に偵察に向かった偵察機の中でも北海道から北方領土が見えないという通報をうけていたが本当に北方領土が消えていると誰もが思っていなかった。
本来なら今頃ロシア軍の戦闘機がスクランブルに来ているはずだが一切来る様子がない。
偵察機に乗っている一同皆混乱していた。
「何が起きてるんだ本当に...」
「一旦基地に戻った方がいいかと」
「そうだな...偵察機、これより基地に帰還する」
東京都 総理執務室
朝鮮半島方面、北方領土方面に向かった偵察機によると、半島や島一つの確認もできないと報告され、内閣が集合し会議を行っていた。
「なにが起こっているんだ?こんな夢物語みたいな事があるのか?」
「総理、私が考えたところこの非常事態に合点がいく説明が思いつきました」
「それはなんだ?」
「私からしたら夢のような話ですが...日本列島が別世界にまるまる飛んだかもしれません」
「...本当に言ってるのか?」
「えぇ、真面目に言っています。星の位置が変わり周りにあるはずの外国の半島や島がなくなっていることから十分にあり得ます。もしも本当に日本が別世界に飛んだという事があれば、まず一大事になるのが資源問題です。
我が国の石油はほとんどサウジアラビアやアメリカから輸入しており、また様々な資源も他の国から輸入しています。そうなれば外国から資源を輸入する事が出来なくなり、石油問題等が発生します。」
「私からも言いたい事があります。」
「何だ?」
「在日米軍の問題です。彼らはどうするつもりなのですか?もしもその言葉が本当だとしたら、在日米軍の帰還についても問題になりますよ」
「確かにそうだな...」
「さらに不確情報ですが日本のビザを持っている人や在日米軍以外の旅行客など永住権を持っていない人達が消えたとインターネット上で話題になっています。実際に私の知人が日本に旅行に来ていたはずなのですが連絡が取れなくなっています。」
「もしそれが本当だったらどう考えても神様の仕業にしか思えんな...実際に地震の直後全国民が『頼む』と聞こえたそうだからな。」
「はい。それにあと1つ今入った情報です。」
「まだあるのか...続けてくれ。」
「はい。南鳥島の海上自衛隊基地に寄港させた帆船ですがその内の乗組員が1人起き上がりその乗組員から聞いた情報によると、彼等はカンドロス王国という国から来たそうで難破していたところを海上自衛隊に助けられたようです。」
「そんな国は地球上になかったはずだな...こうなってくると別世界に飛んだという事がますます現実味を増してきたな。よし、自衛隊の偵察機を彼等の言っていたカンドロス王国に飛ばしてみるんだ。」
「しかしカンドロス王国の領空を侵犯してしまう可能性があるのでは?」
「まだ彼等は帆船を使っているらしいから飛行機はないだろうから領空もないと判断した。そして彼等からもっと情報を聞き出すんだ。
これらは早朝に記者会見を開いて説明する。野党がなにか言ってきても全部無視だ!」
「「「「はい!!」」」」
南鳥島 海上自衛隊基地
「俺はこんな地図見た事ないぞ。」
「俺も見た事ないな...ていうかこの地図随分と細かいな。」
乗組員の半分が起き上がった所で隊員が地球の地図を乗組員達に見せていた。
しかし皆知らないと言うので隊員達は困ってしまっていた。
「俺達が知ってる地図はこれだ。」
「どれどれ...ふむ...」
そこにはざっくりとした地図だがぱっと見で地球と同じ地図ではない事が分かった。隊員達は頭を悩ませた。
とりあえずこの地図のコピーをとって本部に送る事にした。
「この地図を貸してもらっていいでしょうか?」
「いいけど汚したりするなよ。」
「分かりました。よいしょっと。」
「な、何するんだ!」
隊員がコピー機に地図を置いたのを見て地図を貸した船員が叫んだ。
「なにも破ったり汚したりしないのでご安心ください。今は同じ物を印刷してるだけですよ。」
そういうと船員は少しそわそわしていたが落ち着いたようだった。
ちゃんと隊員も気を使って"コピー"という単語を使わずに同じ物を印刷すると言い換えて説明してあげた。どう考えても目の前の船員達がコピー機を知っている様には見えなかったからである。
「す、すげぇ...全く一緒だ...」
「...どんな魔法を使ったんだ?」
「魔法ではありませんよ。これは機械です。カラクリのような物です。」
カラクリとはまた違うがそう言った方がしっくりくると思ったのでそう言った。実際彼等は分かったような分かっていないような顔をしていた。
そして隊員達は更に新しく得た情報とコピーを本部に送った。
1月1日早朝 記者会見場
ここでは今回の事案に対する政府の見解、そして対処法などを話していた。
「...という事が判明した為カンドロス王国に偵察機を派遣する事を決定し既に偵察機は離陸しております。それでは質問をどうぞ。
ただし時間の関係で1人につき質問は1つとさせていただきます。...ではそこの方。」
「夕日新聞の竹中です。今回の事案に対する政府の見解ですが我々が今ここにいる場所は地球ではないと仰っておりましたがそれは事実なんでしょうか?」
「え〜、まだ確証には至りませんが先程言った通り月などが消えその代わりに大きな青いオーラをまとった衛星が急に現れたことや外国との通信の途絶、朝鮮半島、北方領土の消滅、その他様々な理由で政府は日本が別惑星に移動したと考えております。はい次の方。」
「NHAの鳥松です。カンドロス王国に偵察機を飛ばしたとの事でしたが領空侵犯などにはならないのでしょうか?
もしこれで領空審判をしたと相手国に判断された場合どう責任を取られますか?」
「はい。まず先程話した南鳥島に流れ着いた難破船は中世並みの技術力であり帆船を使用しておりました。ここから推測するとカンドロス王国はまだ航空機を持っていないと考えられるので領空が存在しないとして大丈夫だと判断いたしました。責任に関しては取るような事がないと思われるので考えておりません。」
彼…第98第総理大臣有永 順平はとても気が強い人だった。
なのでたまにこうやって記者団相手に喧嘩を売ってしまうのであった。
「いっいえ、しかし!もしこれで相t..」
「そこのあなた静かにしてください!質問は1人1つまでですよ!」
厳しく言われたNHAの職員は静かにせざるを得なかった。
「うっ、はっはい...」
こうして質問は続いた。
1時間後 北海道 航空自衛隊千歳基地
民間の旅客機は全面的に欠航され離陸ができるのは政府関係機や自衛隊機など極少数の機体に限られた。
なお米軍機に対しては離陸を禁止していた。
皆が不安になっているその時日本の領空に近づく未確認飛行物体をレーダーがキャッチし、スクランブルがかかり空自のF2-Aが2機が千歳基地を離陸していた。
「ドラグーン01、こちらキャッスル。目標まで誘導する。」
「目標方位140、距離100マイル、針路10、速度50ノット、高度150」
「ドラグーン01、了解。」
「レーダーコンタクト。方位140、距離100マイル、高度150」
「ドラグーン01それが目標だが目標となる飛行物体はかなり鈍足だが危険だ。ここが地球ではないという可能性を頭にいれておけ。」
「ドラグーン01、了解。」
目標の大きさは10mほどだが戦闘機や旅客機にしては失速寸前の速さで更にかなり低空を飛んでいるため飛行機械でない可能性が高い。
ここが異世界かも知れないと考えるとパイロット黒崎 信介は少しわくわくしていた。
なぜかというと異世界の空飛ぶ生物などはドラゴンなどしか考えられないからだ。想像していたドラゴンにしては少し小さめだが子供という可能性もあるのだろう。
だがドラゴンは攻撃してくる可能性もある為十分気を引き締めていた。
「見えてきたな...おっ!明らかにドラゴンって感じだな!転移の話は本当だったんだなって..ん?」
黒崎は驚いた。そのドラゴンと思われる背中に人が乗っていたのである。黒崎はすぐに無線を入れた。
「こちらドラグーン01、対象を確認。対象は恐らくドラゴンと思われる。そして背中に人が乗っている。」
「こちらキャッスル、了解。そのドラゴンと思われる生物にコンタクトし可能ならば基地に誘導せよ。」
「こちらドラグーン01、了解。ドラグーン02コンタクト中対象の後ろについて不審な行動をしないか見ておいてくれ。最悪の場合離脱する。」
「こちらドラグーン02、了解。」
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