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生きろ!!!  作者: 波島 みほ
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第1話 普通 #とは

普通とか言って知識チートとかよく見るから、本当に普通の人間がベタな異世界転移をしたらどうなるか見てみたかった。

普通の定義がわからないので普通だと思ってる作者自身をモデルに、にわかオタ知識だけインストールしてみた。

プロットもなく流れに任せて書くので、普通の人間には無理だろってなったら主人公ポックリ死んで連載終了するかもしれませんが失踪はしないよう頑張りたいと思います。

初心者丸出しの作品ですが、しばらくお付き合いいただけると有り難いです。

よろしくお願いします。

「知らない天井だ…」


 これは某アニメのセリフなのだが、いつからかネタとして使われるようになった異世界に行った時の定番セリフだ。様式美というやつ。

 このままでは何もわからないだろうからちょっと時間を巻き戻して、見知らぬ天井を見つめて一言呟いたまま動かないやばい奴が出来上がるまでの話をしたい。






「はっくしゅっ!あ〜寒い」


 年が開けて少し経ち、現在日本はこの冬何度目かになる過去最大級の寒波に見舞われている。


「最大級最大級って毎回言うなよ…」


 こんな寒い日はできることなら暖房ガンガンかけた家にこもっていたい。しかしこの時期、我々大学生には後期期末考査がある。ここで逃げたら今まで授業に出ていた時間が全て無駄になってしまう。


 年を越す前に21歳になった私は現在大学3年生。今期の単位が全て取れれば、来年度は週に一度ゼミにだけ出ればいい悠々自適な生活が幕を開ける予定だ。


「よっし今日も頑張るぞ!」


 気合いを入れて寒さに丸まる背中を伸ばし勢いよく足を踏み出す。その瞬間、フワッとした浮遊感を感じたと共に後頭部を強烈な痛みが襲う。

 やっちまった…そんな思いと共に視界は黒く塗りつぶされた。




 次に目を覚ました時には天国にいた。

 何を言ってるかわからないだろうが私もわからない。でも側に『天国』って立て看板があるんだからここは天国なのだ。例えばラーメン屋が天国って店名付けたらそこは天国でしょ、そういうことだよ。


 それにしてもやっちまった。凍った水溜りで足滑らせて死ぬとかそんな馬鹿みたいな死に方嫌すぎる。


「あれは、死んだよな…明らかにやばい音してたもんな」


 はぁと大きなため息をついたところで背後から声をかけられた。


「ため息をつくと幸せが逃げるぞ」

「は?」


 振り向くとそこには白い髭に白髪の好々爺が立っていた。彼は自らを神だと言う。


「えっと…アッハイ」

「信じておらんようだがそれは良い。君を巻き込むことになるから一応説明をしておこうと思ってな」

「説明ですか」


 彼の無駄に長かった話をざっくりまとめるとこういうことらしい。


1.この老人は何人かいる神様のうちの1人で、現在4つの世界を管理している。


2.仕事の1つとして世界の発展を促し正しく成長させると共に、魂を循環させるためそれぞれの世界で死んだ人間の魂を行き来させている。


3.その中で世界が停滞しないように、時たま記憶を保持したまま転生させたりまだ寿命のある人間を転移させたりしているらしい。


4.能力のあるものを選りすぐって送っていたのだが、他の神に能力で差別はダメだとか能力のありすぎる人間はむしろ害になることもあるとかってこっ酷く叱られた。


5.だから次は普通の能力で普通の性格で普通の人間を送ることに決めた。


「そこで選ばれたのが私、と」

「話が早くて助かるわい」


 そっかー私異世界転移に選ばれたのかーわーい…。


「っていやいやいや、今あなたも言った通り私普通の人間なんですよ!?それが突然別の世界で生きろなんて言われてもすぐ死ぬに決まってるじゃないですか!」


 ファンタジー世界かSF世界か知らないけど、似たような世界だったとしても戸籍もない人間が簡単に生きていけるような世界あるわけない。パラノイア世界なら5秒で死ぬ自信がある。

 日本なら記憶喪失で行けるかもしれないみたいなツイートこの間バズってたけど。


「だから心構えのためにこうやって一から説明してるんじゃ」

「そこで親切にされても意味ねーよ!」

「なんじゃ喧しい…でも大丈夫じゃ。お主がこれから行くのは剣と魔法の冒険ファンタジー世界。そこではそれぞれの能力がステータスと言う数値になって現れる」


 剣と魔法…ステータス…。これはそういう小説で定番のチートステータスをもらえるのか!?


「お主のステータスを弄ってほんのちょっとだけ幸運を上げておいた。これで水溜りで足を滑らせて死ぬようなことはなくなるはずじゃ!」

「……えっそれだけ?」

「よく考えてみるんじゃ。わざわざ普通の人間を選んだのに神から能力を与えたりしたらなんの意味もなかろう」

「ええ〜」


 神様の言うことは正しいんだけど、水溜りで足滑らせるより危険な死因がゴロゴロしてる世界でそれだけって…。


「まあいいや、ありがとうございますカミサマ」

「うむうむ。他に質問がなければ次の世界へ案内したいのだが」

「もう変な力とかは期待しないので、行く世界の常識くらいはインストールしてもらえませんか」


 何の力もないのに常識すらない人間がフラフラしてたら、それはただのネギしょったカモだ。


「ふむ。まあそれくらいなら向こうに行けば遅かれ早かれ学ぶことじゃから問題ないじゃろう」

「ありがとうございます!」

「それじゃあもう良いな。ほれ!」


 老人が手を振ると1枚の扉が現れる。脳内でどこでもドア〜という声が聞こえた気がした。


「この向こうはもう次の世界じゃ。心の準備ができたら自分で行くといい」


 心の準備させてくれるの?優しいかよ。

 すー、はぁー、よし。

 後はなるようになれだ。やればできる、頑張れ私。


「えっと、それじゃお世話になりました。次死んだ時は普通に転生させてください。行ってきます」


 それだけ言って私は扉へ手を伸ばす。

 思い切ってノブを回し押し開ける。押し開け…


「開かないんだけど!?」


 どれだけ力を入れて押しても開かない。開く気配がない。どういうことだってばよ。


「その扉は手前に引くんじゃよ」

「アッ」


 はっっっず!最悪だ恥ずかしすぎる。てか幸運何にも上がってないじゃん!!!


「それはもう幸運の問題じゃない気がするんじゃが…」

「ちょっと黙っててください!」


 あ〜恥ずかしい。老人の哀れむような声が追い打ちをかけてくる。

 気を取り直して…そっと引いてみる。

 開いた。


「……うん、だよね」


 扉の向こうは白く靄がかかった膜に覆われているようでよく見えない。

 そろそろと足を伸ばしてみれば抵抗もなく通り抜ける。向こうにも地面があることを確認。


「よし、じゃあ今度こそ。行ってきます!」




初投稿。現在読みやすい書き方手探り中。

とりあえずセリフの前後を一行空けるルールで書いてみた。

アドバイス募集。

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