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詩*日常から*

風鈴/懺悔

作者: a i o

蒼いガラスの

風鈴を何年も

仕舞ったままなのです


その音は風を知らぬまま

美しい透かしは

夏の景色を映さぬまま

真っ暗な箱の中で

未だ沈んでいるのです


知らない家の軒先で

ちりん、と

涼やかな音を耳にするたび

冷えていくみぞおち


取り戻すことの出来ない夏が

責め立てる高音


忘れてしまうことと

思い出してしまうことは

どちらが罪深いのでしょう


泣き声も

鳴き声も

出しかたの分からぬ風鈴が

あの押し入れの奥

ひっそりと

眠っていることを

私は知っているのです








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― 新着の感想 ―
[一言] 吹き抜けていく風の中に含まれている蒼い罪を呼び起こす、知らない家の軒先で鳴く風鈴。 生きていることが罪なのか、死を思えば許されるのか。 私の心の中に確かにあって、けれど、決して外には出し…
[良い点] もう思い出せない気配たちは 今もこの寝室のどこかに あるいは 幼いわたしが貼り付けたシールの壁とベッドの隙間に あるいは 決して陽の光を浴びることのないカーテンの影に あるいは 壊れた箪笥…
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