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浮世噺  作者: 齋藤昨夜
3/13

聞いてみる?

ヘッドホンてのはピンからキリまであるんだね。ふぅん。

え?買う気かって?なんで?

あぁ、この雑誌? さっきお客さんが売りに来たんだよ。一緒にヘッドホンも売ろうとしてたみたいだけど、うちは古本屋だからね。買い取りはしなかった。

なんでも、「興味がなくなった」とか。

そういえば、こんな話をしてくれた。




ここじゃ買い取れない、ですか。

はぁ、はい。ああ、古本屋。

あ、てっきり古物屋かと。ああ、すいません。じゃあこの本、お願いします。

そんなに急いで…って。

別に急いでませんし、焦ってませんよ。


えっと。

あの、どうせ信じてくれないでしょうけど。気持ちを整理したいので話させてください。

俺、よくヘッドホンで音楽聴くんですよ。自分でもギター演奏したりするんですけど、聴く方が好きだったりして。

それで。

その、昨日もギターの練習終わって、帰ろうとしてたんすよ。

駅までの道すがら、このヘッドホンして音楽聴いてたんですよ。結構音量上げて。

そしたら、ぴたっと曲が止まったんですよ。

静寂。

ミュージックプレイヤーにコードは繋がっています。

でもヘッドホンから音がしない。

おかしいと思いました。

だってこのヘッドホン、先週買ったばかりなんです。

急に聞こえなくなるなんて、そんな早くに故障するなんて…

そんなふうに思いました。

それで、ヘッドホンを外そうと手をかけようとしたとき


「みみ」


と、ヘッドホンから声が聞こえたんです。男の声でした。

知らない、声でした。





という話なんだけど。

じゃあ、その首にさげたヘッドホンはなんだって顔してるね。

買い取りはしなかったけど、タダで貰ったんだよ。気味が悪いからいらないってさ。



聞いてみる?

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