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1.
「ロワ……」
魔女が研修を受け入れると言った日。穏やかな日々が始まるものだと思っていた。
今まであった私の中の闇を、魔女がタオルで拭き取ったから、私の心はだいぶ楽になった。だけど……。
「罰として、城内の清掃を言いわたす」
薄暗いカラス城の中で、魔女は階段の一番上で仁王立ちの姿でそう言った。私は反論する気力もなかった。こんな事になったのも、私のせいだと痛感しているから。
「ッゲコ」
どこかでカエルが、私の代わりに返事をする。穏やかな日々は、なかなか訪れそうにない。