運営者側からプロローグ
『このゲームは本当に人が死ぬゲームです。クリアする自信の無い人はご遠慮ください』
……………これで本当に参加者が集まるのかなぁ?運営の中で主に参加者を呼ぶ役を任されている僕はそう感じて他のメンバーに質問してみた。
「ねぇねぇ、これで本当に人が集まってくれるのかなぁ?とりあえず注意事項大量に書いてあるけど。」
すると、運営のリーダーであるメアリが僕の方に振り向いて僕を馬鹿にするような声でこう言った。
「はぁ…………冬子、あなたはバカなの?ゲームだけに興味ある人だけだったらほんの数人しか来ないわよ。もうちょっと別のルートから誘い込みなさい。こちらには賞金を億とかぐらい軽く用意できるんだから。それに、料理人の八雲もやる気十分でしょ?」
そう言われてから僕はメアリの意見を参考にいくつかの広告やらを作った。
『勝てば賞金1億円!!勝ち続ければ兆も夢じゃない!!あなたも参加してみませんか?』
こんなものかなぁ………でも、もう一つ案があるんだよねぇ……………。
「メアリ~。黒服さんって記憶消せるかな?少なくとも仕事でやっただけです~って事にしておきたいんだぁ~。ほら、僕達の事バレたら大変だけどあの人達は便利だし………。」
僕がそう言って上目遣いで目をウルウルさせると、メアリは僕の頭を撫でてからOKをくれた。
『いらない人、募集中!!妬んでしまうようなあの子、いなくなっちゃえばいいのに………アンケート開催!』
これでただ生き残りたい人も集まるだろう。僕はこれで仕事の一部が終わった。なのでゲームの説明役として予定しているボーカロイドの終音フィナちゃんの最終調整を完了させる作業に入った。
「あ、冬子。少年院や刑務所で冤罪だから無罪求める子に救済措置としてのシステムを作っておいて~。面白くなりそうだし。」
「メアリは相変わらず仕事が忙しくなる直前に仕事出すよね………まぁ、僕にとっては容易い仕事だけど……」
そして、このゲームの参加する人柄の大体が決まった。
それにしても、僕はこのゲームを開催する意味をあまり知らない。ただメアリが人々の葛藤を見て楽しみたいって思ってるのは知ってるしね。メアリは心理戦のようなゲームを自分がやって楽しむことができない。そんな心と未来を読む能力などを最初からいらないなんて嘆いていた。じゃあ、他の人にやらせればいいじゃないかと考えついた。それに、メアリは段々と面白さを増やすために命を賭けさせることにした。メアリは何も賭けないのかと聞くと、何を賭けたって自分が勝ってしまうことが分かってるからと、賞金を出すだけにしていた。まぁ、メアリがその能力を自覚したときに数字を塗るタイプの宝くじで特等当たりを狙いまくってそれを求めて知らない親戚がたくさんできたけど、全部僕が追い返した。
それから資金は十分、娯楽も用意できた。そろそろゲームを始めようかなぁと、僕はメアリの膝を枕にさせて貰って寝ることにした。
数日後に最初のゲームの始まりの日、メアリ膝を枕にしている僕の頭を撫でながら、呟いた。
「汝はなんぞや?人狼いなか……………狼喰らう、鬼かや?」