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1 眠たげな司令官と五軍編成 そして作戦開始

 ☆

~司令所~

 一時的に指令室になっている“しらさぎ”では月下の灯の作戦成功の報が入った。

 それにより、仮眠中だったマユミは起きてきたのだが。


「は、はい!」

 頭がボケッーとしていて何も動いていなかった。

「司令官殿、月下の灯がさくせ……んに成功……しました。司令官殿、髪が」

「ほへ?」

 寝ぼけていたマユミは寝癖でもついていたのかと思い髪を触る。

 どこも異常がないと思いきや、なぜかいつもの茶色に染めた髪の色ではなかった。


「しまった!」


 緑色、俗にいうエメラルドグリーンの髪の毛になっていたのだ。

 マユミはなぜかVRにログインすると緑色の髪の毛が地毛に設定されてしまい、それがいやだったので通常では茶色に染めていたのだ。

 今回のシャワーを浴びた時に落としていたことを忘れていた。


「あのですね。これはですね」


 いままでで最高に慌ててしまい、言葉が出てこない。

「あらー、いつも茶色の髪してたのに、今日はみどり~。もしかして、それがVRの地毛の色?」

 こんなタイミングでヨウコが入ってくる。迷彩服の軍服姿に黒色のショートヘアーが良く似合う。

「そうです。地毛です。これが地毛なんです」

 いままでの努力と苦労は見事に泡となってプチンと消え去った。



「ゴホッン。それで状況は」

 いつもはしないので似合わない咳をして、状況を聞いた。

「は、はい。失礼しました。現在、月下の灯が作戦に成功、春日部地区に北上中の部隊と報告するそうです。それにより、大型の対空基地はなくなった模様です。30分前の衛星写真からの情報から見て、新たな建物などは立っていない模様」

 しらさぎの艦長が正確に情報をこたえていく。

「ありがとうございます。それでは、次に入間方面の制圧作戦を開始させましょう。日の出と同時に航空部隊が制空権を確保、飛行場はなるべく使えるようにしてくださいと伝えてください」

「はい」


 しらさぎのオペレーターは館山統合司令所のオペレーターと同じ人で館山まで連絡を入れる。

「制空権の確保が終わり次第、後続の空挺部隊を投入します」

「空挺団のクラン“第一空挺師団”が今回の作戦に5千人とNPC1万に使うと言ってきてますが」

「許可します」

 マユミは内心、空挺に使える人材がそこまでいたことに驚いたのだ。人員整理の際に、他のVRMMOFPSから来た人たちと統合していき、クランの数がすこし増えて、人材も多くなってきている。

 第一空挺師団も、人数が増えて今回みたいに5千人規模の作戦が可能になっている。もちろん、他のクランも交じっている。

「1万5千人の大規模エアボーンね。現実ではやりにくいことを、いとも簡単にやってくれちゃって」

 ヨウコが面白がる。


 ヨウコはどこのクランにも入っていない。本人が本物の軍人に加えて、あくまでオブザーバーを貫き通している。しかし、マユミに同行して警護してくれているのか、いつも腰には拳銃ほか、HK416を持っている。

「すごい光景でしょうね。なにせ輸送機の数もすごい使いますし」

 なぜ現実では出来ないが、それは輸送機のコストが割高になってしまうためだ。

 1機につき、50人前後しか乗せれない輸送機だけに、飛ばす際のコストなどを考えると割に合わない。

 昔の第二次世界大戦においては大規模エアボーンも実施されたが、飛行機の被害などがすごくてあまりされなかったのだ。

 今回の場合、陸から行くよりもより奇襲てきに攻めれて、なお輸送機の被害が少ないと予想されるから出来る事なのだ。



「司令官殿、我がクランから連絡ありです。いますぐにでも地上に向かってミサイルを撃ち込めるそうです。どうしますか」

「そうですね。制空権を確保し終えた後によろしくお願いします」

「了解です。各艦に通達、対地攻撃は追って連絡する。いつでも撃てるようにしておけと」

「イエッサー」

 イージス艦含めて巡洋艦、護衛艦が集まっている。東京湾から出た伊豆半島においては空母なども配置されており、どんな状況でも対応できる。

 GCTで唯一と言っていい海軍クランが出張って来ているのだ。

 すべての艦船が集まった時にはものすごい光景が見える事は簡単に想像できるほど、大量の艦艇を所持している。

 海軍クランは金持ちしかできないことで、年代が陸と海ではわかれてしまっている。

 海軍クラン所属の人は年代が高い。逆に陸は年齢が低い人が多いのだ。

 海においては戦闘は少なく、ほとんど船乗りに憧れての道楽家が多いので、お金のつぎ込む額も違う。

「海軍サマサマですね」

「マユミも言うようになったわね」

「い、いや。違います。これは本当に感謝しているからであって、別に皮肉を言ったりそう言った意味では……」

「大丈夫ですよ。そんなのは言われ慣れていますから。我々ももとは道楽で始めた身としては、こんな風に役に立つとは思いもよらないことでしたが」

 しらさぎの艦長が豪快に笑った。

 艦長や司令所にいる人以外では需要なセクション以外はほとんどNPCが仕事をしている。

 なので、人の数自体は、陸、空、海の3軍の中で一番少ない。



 このGCTは5軍編成で、陸、空、海、そして海兵隊、特殊作戦軍に分かれる。

 海兵隊と特殊作戦軍は陸、海、空からの志願制である程度のテストに合格したら入れるようになっている。海兵隊でもかなり難しいのにもかかわらず、特殊作戦軍はさらに難しい。

 なので、人数は陸>海兵隊>空>特殊作戦軍>海の順に少なくなっている。

 ちなみに月下の灯は、雅一とヒメを除いて、全員5軍の中の特殊作戦軍の枠にいたりすることは、まだ雅一は知らない事だ。



「航空部隊の準備が整いました」

 オペレーターから報告をうけたマユミは眠気をどこかに吹っ飛ばして、

「それでは、作戦開始です」

 作戦の開始を伝えた。



 感想、評価、それと人気投票、どしどし待ってます。

 それと、レビューや挿絵を書いてくれる人も募集しています。

これからもよろしくお願いします。

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