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8 支離滅裂 狙う時は一斉掃射で



 ☆

~トリックスター~

 パラシュートが青空を包みこむ。

「何あれ」

「一度、合流しましょう」

「こちら、スター1 了解。こっちの障害物まで来て」

「トリック1 了解」

 シグレ達が戦っていた障害物の多い所へと行く。

 主に、車などが横に並べてあるのだ。

 カノンたちの4人がこっちにくる。

 シモハルとカエデでパラシュートの正体をスコープで観察していた。

「ハル、何が見える?」

「人かな」


「それなら、ちょっと無線で」

『こちら、HQ』

「こちら、トリックスター。今、パラシュートが見えるんだけど、それってこちらの部隊なんですか?」

『違うと思います。それと救出部隊を今から2時間後の木更津駅に来てください』

「上の敵が何かわからないのに、きついわね」

『2時間後にな……ば…………』

突然ノイズが入る。

「もしもし、こちらトリックスター。こちら、トリックスター」

「ジャミング?」

「かもね。みんな、ちょっとインカムで試してみて」

「あー、あー、マイクテス、マイクテス。大丈夫だな」


「それなら、広範囲にジャミングがかけられたとみるべきね」

シグレが答えると、雅一が聞き返した。

「何でだ?」

「広範囲にジャミングをすると、遠距離通信が妨害される。でも、近距離までは妨害しきれないの」

「なるほど、たぶんわかった」

 シモハルとカエデがスコープで覗き。

 シノミとシマリとサキが周辺を警戒する。


「味方じゃないと、考えていいわね」

「たぶん」

「それなら、どうするんだよ」

「ルートを考えないと」

「ルート?」

「木更津まで行く道筋」

「それで、ここを突っ切るのが早いんだけど、上の奴らが何者か分からないから、対処しようがない」

「もうすぐで、降りてくるよ。すごい武装」

 シモハルがスコープを覗くのをやめて、こっちにくる。

「敵の武器は、たぶんXM29ぽい、武器でかなり、改良されていたよ」

「XM29! 何でそんなものが……まさか、Sクラス?」

「あり得る」

「XM29?」

「あぁ、XM29は銃とグレネードを合わせて使った武器で、あまりの重量とかで採用されなかったの。M4とシグレが持ってるXM25を合わせた感じ」

「それは、凄いな」


「それで、Sタイプが敵だったから、勝てる見込みがない」

「そんなに、やばいのか? Sタイプ」

「いわゆる、中ボス的な感じで、ダメコンして何発も当てないと倒せないの」

「ダメコン?」

「ダメージコントロール、その名の通り、ダメージを軽減したり、なくしたりできるの」

「それは、いろいろと反則だな」

「それが、見ただけでも、何十も降ってくるなんて、まずない」

「それでも、そのまずない出来事が起きてるんだろ?」

「だから、困ってるんじゃない!」


 雅一とカノンの口げんかを黙って聞いているシグレ。

「2人ともそこまで! これからの事を考えないと」

 見てられないと思ったシモハルが口をはさむ。

「ごめん」

「すまん」

「敵と戦うことしか選択肢がなくなった」

 シグレが指をさすと、1人がこっちに向かってきている。

「選択しなしね。それじゃあ、それぞれ迎撃開始!」


 敵との距離は結構離れており、しっかりと視認する事が出来ない。

 カノンの声と共に、狙撃銃を持って、カエデとシモハルが撃ち始める。

 その銃声と共に、敵も撃ってきている。


「XM29と、もう一つは何だ?」

「たぶん、機関銃か何かじゃない」

「あんなの、見たことないぞ!」

「オリジナルよ!」

 銃声音が鳴り響く。

 車などの障害物を徐々に削っている。


「みんな、射撃自由で撃て!」

 その言葉と共に撃ち始めた。

「あれって、人なんだよな!」

「そうよ!」

「なんだよ! これは!? まったくよろけてもないぞ!」

「だから、ダメコンして、さらに、防弾服でも来てるからよ。防爆服って、言った方がいいかも」

「それは、チートだ!」

 徐々に全貌が明らかになった。

 鉄の鎧で全身を守っており。さらに、ヘルメットに完全に顔を隠した状態。

 右手にXM29らしき武器に、左手に機関銃らしい武器を持っている。身長は180前後。

 敵も撃ってくる。XM29と機関銃の掃射によって、伏せる事しかできない。


「最悪だ!!」

「しゃべってないで、撃って!」

 何十発も当たっているのだが、一向に倒れる気配がない。

「どこのゲームだよ! これは!」

「この世界がゲームよ!」

「そうだった」


 ゲームの世界では何でもありだった。というより、ゲームの中にいるのを忘れていた。

「それなら、これで」

 シモハルがM95を持ち出してきた。

「吹っ飛べ!!」

 M95の銃口から、12.7x99mm NATO弾が吐き出されと同時に、激しい音と砂埃が舞う。

それは、頭に当たるが、敵は倒れない。


「もう、打つ手なし」

「いいから、撃ちまくるの」

 敵が近づいてきてはいるが、撃っている間は、動きも止まる。敵の動きは単調で、前にしか進んでこない。

 7.62x51mm NATO弾と、5.56x45mm NATO弾は何発も当たっているのだが、ひるんだ様子はない。


 ましては、こちらに向かって前進してきている。

「切りがない!」

「キリがいてくれたらいいのにな」


「冗談言わずに、次の合図に、全弾一斉掃射をするわよ」

「了解」

「わかった」

「まかせて」

「しとめる」

「風穴明けないと」



「3」

 全員が、銃を構えて狙う。


「2」

 全員が、銃の照準器を覗く。


「1」

 敵が近づいてくる。



「0! 撃て!!」


 合図と共に、一斉に銃弾が放たれる。

 シグレはXM25に、徹甲弾を装填して撃ちだす。


 敵の周りに砂埃が舞い、アサルトライフルの総点数の30発を撃ち尽くすと、いったん止めて状況を確認する。

 砂埃がはれていく。


 敵は倒れて行った。

 最後は変な音を立てて爆発。

「やったーー!」

 みんなでハイタッチしていたりしていたのだが、


「ちょっと……あれ」

 シモハルが指さす方には同じ奴が4体、こっちに来ていた。

「まじでか……」

「これは絶体絶命ね」

「みんな、逃げるわよ。このまま撤退して、木更津市内まで、突入するわ」

「カノン、大丈夫なのか?」

「私を信じて」

「わかったよ」

 他の人も頷きあって、動き出す。

 敵の銃弾が飛んでくる中、小道へと足を動かして、木更津市へと急いだ。



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