7 快進撃中 困ったときには拳銃を
☆
~トリック~
「ふぅー。楽勝、楽勝」
カノンがMK48 Mod0を肩にかけながら、進んで行く。
弾薬もたくさんあるために、まだまだ戦える。
「これなら、バシバシ進んで行けそうですね」
シマリも顔に陰りがない。
「そうも言ってられない。敵、20」
サキが言う。
「それじゃあ、またミンチにしますか」
『こちら、スター。後方から20。こちらの戦力でどうにかします』
「了解、こっちも来たから、各個撃破」
カノンはXM8を2丁をそれぞれの手に持ち走り出す。
シマリも、MAC-11と、グロック17をそれぞれの手に持って、カノンを援護する。
グロック17は、プラスチックを多用して、軽量化し成功している。そのために、軽くて扱いやすい反面、若干の強度と反動が悪い。そのために主に、警察などが、よく使っている銃。
ガードレールをうまく使っていく。
カノンはガードレールを盾にして、屈みながら進んで行き、敵、2人を狙いをつけると、XM8を片手で発砲。その反動を利用して、回転してもう一方のXM8から5.56x45mm NATO弾が5発撃ちだされて当たる。
敵兵2名はあっという間に倒れた。
後ろから敵が近づいて来て、AK-47を撃とうとしたのだが、シマリのグロック17が火を噴き、そのまま敵の頭にあったって倒れていく。
「ありがとう」
「どういたしまして」
シマリもMAC-11で適当にバラマキながら威嚇して、グロック17で正確に当てていくと言う、離れ業をしている。
その間にもカノンのXM8が猛攻していき、まるで、剣舞を見ているかのように、銃を振り回して、銃弾を吐き出している。
「あちらさんも、頑張ってるから、こっちも行きますか」
「そうですね」
サキとシノミも動き始める。
サキがM27 IARを2丁持って撃ちまくる。
シノミはサキの機銃掃射でひるんでいる隙に、グロック18Cを持って突入、バラマキ1人の胴体に穴が出来る。
グロック18C、先程登場したグロック17と、ほぼ同じなのだが、18Cには、フルオート機能が搭載されており、毎分1200発撃つ事が出来る。
シノミは、グロックを足元に落として、すぐにH&K UMPに持ち替えて、片手で10m離れたところにいた敵を撃つ。
サキも負けておらず、機銃掃射により、5名、6名、7名と次々と倒れていく。
足元にあったグロックを蹴って、前の方に蹴って、そのままスライディングしてから、グロックを取って、近くにいる敵に銃弾の嵐をお届けする。
グロックの弾倉を交換して、次の敵を追う。
サキもM27 IARを腰に掛けて、ホルスターからS&W M500を取り出す。
S&W M500は、世界最強のリボルバー拳銃と呼ばれている。50口径(12.7mm)リボルバー用実包のマグナム弾という、最強の銃弾を撃つ事が出来る。
リボルバーは、オートマチックと違い、球を装填するときや連射性に難があるが、一発のダメージと精度と安定性は、ずば抜けている。
サキは、S&W M500のマグナム弾をぶっ放す。激しい音と共に、敵は吹っ飛ぶ。
素早くトリガーを倒して、そのまま次の敵へと当てていく。
一方的なシーソーゲームが繰り広げられて、前衛組はあっというまに、20人を倒す。
☆
~スター~
「敵は……20だね」
後ろから来てる。障害物が多いために、なかなか倒すのが難しい。
「障害物が邪魔でしょうがない」
雅一がM4をフルオートでぶっ放すが、障害物が邪魔をして当たらない。
「それなら、私の合図と同時に、アングレで、右を狙って」
「わかった」
雅一はM4のアンダーグレネードの準備をすると、シグレは背中にかけていたXM25を取り出して構える。
「何だ? その銃?」
「新兵器……結構高かった」
XM25は、内蔵されたレーザーレンジファインダーで目標までの距離を測定し、射手が目標の前方3mから後方3mまでの間で起爆位置を設定すると、薬室に装填された25mm弾に情報が自動的に入力され爆発する。そのために、障害物に隠れた敵を狙うのにうってつけなのだ。
「このエアバースト弾は、1発で、M4を買うことができるんだから」
「それは高いな」
XM25の真骨頂のエアバースト弾は、近接信管により、空中で爆発して、周りに破片などをまき散らすために、使い勝手のいい。お値段がどうしても高くなる。
「3,2,1、GO」
シグレの声と共に、アンダーグレネードとXM25のエアバースト弾が撃ちだされて、前方の障害物の後ろに隠れていた兵が巻き込まれて倒れていく。
「すごいな……」
「高いから、あんまり使いたくない」
「次は私たちだね」
「さてと、久々のショットガンアクションをしますか」
シモハルはM1014のショットガンを持ち、カエデはスパス15を手に持って、障害物を越えて突入する。
スパス15は、セミオートで連射が出来るショットガン。さらに弾倉が箱型で、いちいち球を入れなくてもいいために、リロードも速い。
越えていき、シモハルとカエデがショットガンから、散弾をまき散らす。
散弾はかすっただけでも、一瞬動きが取れなくなる。
さらに近くで食らえば、もう生きてはいられない。
そのまま、スパス15の弾倉を素早く交換して、すぐに第二斉射をしていき、敵を沈黙させていく。
シモハルはホルスターからニューナンブM60を取り出して、撃ち始める。
ニューナンブM60は、日本の警察が使っているリボルバー拳銃で、小型で使い勝手がいい。
カエデもショットガンを撃つのをやめてワルサー P99に持ち替えて、撃ち始める。
それに続いて、雅一はMP-433グラッチを持って突入。シグレもUSP45を構えて混戦状態になる。
なぜ密集戦には拳銃を使うのかと言うと、まず一番はコンパクトで邪魔にならないこと。
あと、空薬莢が飛んだ後の跳弾が味方に当たることを防ぐのが大きい。
そのために密集戦や、閉所戦闘においては拳銃やサブマシンガンを利用すると事が多い。
一昔のVRMMOFPSや、テレビゲームでは、跳弾なんて表現しきれていないのだが、このGCTでは跳弾もリアルに再現されている。
互いが互いにカバーしていき、敵を倒していく。
「カエデ危ない!」
雅一がグラッチを撃って、倒れていて拳銃を持ち上げている奴を仕留める。
「ありがとう」
「油断するなよ」
「マサこそ」
後ろからナイフを持って近づいてきた敵を、シモハルが片付ける。
「サンキューな」
「こんな所かな」
20の敵を全滅。
『こちら、トリック1 上から何かが来る!!』
カノンの無線と共に、上を見ると白いパラシュートで何かが降ってきているのが見えてきた。
「今度はいったいなんだよ……」
雲に隠れきった空に、生暖かく鉄の臭い風が舞う。