4 奇襲回避 ドックファイト
☆
~トリックスター~
「ふぅ~、まだかな」
みんなが思い思いに、椅子に座りながら、時が過ぎる。
「そういえば、NPCにレベルってあるのか?」
雅一はそういえばみたいな感じで聞いてみる。
「あるわ、S、A、B、C、D、Eまで」
カノンがこの問い答える。そして、シグレなども黙って頷く。
「Sが特殊部隊のさらにレベルが高いタイプ。そして、A、Bが特殊部隊レベル。C,Dが軍隊経験を積んだレベル。Eが軍事訓練を少ししか受けていない、民兵レベル。こんな感じに分かれてるわ」
「レベルが違うと、何が変わるんだ?」
「まずは、反射神経や、射撃技術や格闘技術。一番変わるのが、武器ね」
「武器?」
「レベルの上がるごとに、武器が変わって行くの。Eの民兵レベルは、AK―47が主流なんだけど、Sの特殊部隊レベルは、現存しない武器も使ってくる」
「現存しない?」
「商品として、市場に出回っていないタイプ。それこそ意味わからないぐらい強い武器もある」
「まじかよ…………」
「Sタイプは、滅多に表れないわよ。それこそ超高難易度なミッションじゃない限り」
「なるほど……Sタイプと遭遇したら、すぐ逃げろ、ってことだな」
「まぁ、そんな感じね。今まで、最大でCタイプまでかな」
「あれで、Cかよ……」
今まで何度も苦境に立たされていたので、想像しただけでもウンザリ。
凄まじい爆音が鳴り響いた。
「え! 何で!?」
カノンが驚く。連絡もなしに爆撃が始まった。
「こちらトリックスター、HQ、どういうこと?」
カノンが無線機を持って、連絡を取る。
『わかりません。爆撃隊のB-52は、あと15分かかるはずです』
マユミもおわ手ている様子だった。そのことは声からわかる。
☆
~館山統合司令所~
「こちらHQ、どういうことですか?」
航空部隊に無線連絡を取る。
『こちらコーラル1、目標ポイントまで到達してません』
フラワーリングのクランリーダーが返答する。
実際、彼女たちは、B-52を守るようにして編隊飛行をしている。
「えっ! それなら誰が爆撃を?」
『こちらのレーダーには写ってません』
「もう一度確認してください」
『みんな、どう?』
『こちら、ハンター2、さっきから鳥みたいなのが、上空に飛んでるだけです』
『鳥!? ハンター2、数は?』
『たぶん24匹ぐらい、数が多いですよね。それに飛んでる間隔が大きい』
『それは、たぶん敵の戦闘機か、爆撃機よ』
『えっ!』
『こちら、コーラル1、これから全機帰還します。』
「急いで戻ってきて」
たかが10人程度を殺すのに、ステルス機まで用意するのは、おかしい。そう判断する。
「いったい……何が目的…」
『コーラル1、敵の襲撃を受けます……振り切れない』
☆
~フラワーリング~
「全機、急転回して、帰るわよ」
『こちら、オールドボンバーズ、了解』
オールドボンバーズとは、爆撃機専門のクランで、今回の作戦でB-52を6機で来ている。
『ハンター2、鳥がこちらに動き始めました』
「了解、今後、敵のサインをバードで、全機、爆撃機を逃がすわよ」
「了解」×7
たった、8機しかいないなかで、勝ち目はほとんどなかった。
『こちら、HQ,敵をそこから南南東の20キロ地点まで移動させてください』
「えっ! 何で?」
『そこには、レーダー施設のちょうど重複地点で、三か所同時にレーダーで観測する事が出来るので、ステルス機でも引っかかる筈です。』
「了解、全機聞いた? 今から高度を一気に落として、低空飛行で敵をおびき寄せるよ」
「聞きました」
「ラジャー」
「ウィルコ」
「わかりました~」
それぞれ、了解の答えが返ってくる。少し緊張している様子がうかがえる。
「それじゃあ、行くわよ」
F-15E及び、F-14Dが一気に高度を落とす。
「鳥は、全部で12機です」
「おおいわね……」
8:12、さらには敵の方が高性能機なのは間違えない。
「このまま低空から、目標ポイントまで、いくわよ」
F-15E,F-14Dは、低空から一気に加速。
機体には風がかかり、激しく動こうとするが何とか抑える。
「しっかり、しなさいよ……」
F-15Eのレーダーが役に立つ、このF-15Eについているレーダーは元々地上爆撃用の地形追随飛行が使えるのは、かなりいい。
これによって、スムーズに飛行が出来る。F-14Dは、データリンクによって、なんとか飛べている状況だ。(F-14Dのデータリンクは、ここまでいいものではありません。あくまで、何回も改造をした結果です。忠実どおりではありません)
「鳥さんたちは、上から来てます」
「レーダーはいいようね」
それぞれ緊張した声が聞こえる。あと10キロで、ポイントにつく。
「ミサイル! 6」
レーダーを見ると6つがこちらに高速できている。アラームが鳴り響く。
「ブレイク!」
低空のままで、全機がわかれる。
「こちらハンター3、後ろにミサイル2」
「こちらコーラス2、1付いて来てます」
その他のミサイルは、地上に激突たが、3も残った。
「コーラス1、ハンター3のカバーにはいる」
「ハンター1、コーラス2をカバー」
それぞれ、ミサイルの後ろに回り込む。
ハンター3とコーラス2は、いろいろな機動するが、ミサイルは忠犬のようにへばりついてくる。
「鳥が、こっちにむかってきます」
そんな状況でさらに、敵まで来てしまっている。
「コーラス3、敵の誘導に入る」
「コーラス4も同じく」
4機はすこし高度を上げて、敵を誘い込む。
「もうだめ!」
ハンター3が諦めかけたときに、
「ハンター1、フォックススリー」
F-15Eの機銃放火によって、一つ爆発して、もう一つも誘爆によって、爆発する。
運悪くその爆発がF-14Dの片翼をもぎ取って、エンジンも一つ奪い取った。操縦不能状態に陥ってしまう。
「ハンター3、ベイルアウト!」
ハンター3の乗り込んでいた2人は、脱出。
F-14Dは、そのまま山に激突した。
そのことに、もう一方のミサイルは何とか片付ける事が出来た。
「コーラス4、ベイルアウト!」
上空でドックファイトしていたF-15Eがミサイルによって、撃破される。
何とか2人とも脱出はできたようだった。
「ポイントに到達」
『HQ、対空ミサイルを射出。あと1分』
「了解、みんな後1分」
敵は黒迷彩で不気味におって来ていた。
「フォックスツー」
ミサイルを撃つのだが、チャフとフレアで防がれる。
もう1キロ進んだところで、味方のミサイルが飛んできた。
「全機、当たらないように!!」
そのまま一気に低空飛行に移行してから、回避行動をとる。
何とか逃げ切る事が出来た。
でも、敵が爆発した跡は一切なかった。
「敵が強い……」
損害2機と思わぬ奇襲を受けた。
☆
~館山統合司令所~
「どういうこと……」
ここまでする意味がわからなった。
疑問が増えていくなか、頭を抱えて悩んでも解決しないので、この状況を打破する方法を模索した。