表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/67

-1 救出と合流

テイワズ

1・雅一

2・カエデ

3・シマリ


ソウイル

1・アヤネ

2・ヒメ

3・キリ


アンサズ

1・カノン

2・シノミ

3・シモハル



 ☆

~ソウイル~

「……きた」

 特に激しい銃撃戦も行わずに、散発的な戦闘を繰り返していた。

「本当ね。UH-60。味方ね」

 アヤネがよく見てから言う。

「私たち、やりましたわ!」

 ヒメが喜ぶ。

 こちらの姿を確認できたのか、野球場のグランドへと降りてこようとする。

 砂埃が舞う中、3人は駆け足で近づく。

 ブラックホークが、地面に着地することに、扉が開く。

「クラン“月下の灯”の方たちですよね」

 中から、M249をもった男の人が出てくる。

「はい、そうですわ」

 ヒメが大声で答える。

 それほど、周りの音がうるさいのだ。


「それでは、乗ってください」

「はいですの」

「わかった」

「……了解」

 ブラックホークに乗り、空に舞い上がった。

「一安心ね」

「そうですわね」

「……」

 ブラックホークから、木更津の景色を眺めていた。



 ☆

~アンサズ~

「あっちゃ~M24の弾薬がなくなった」

 シモハルが断続的に狙撃をしていたために、すぐに弾切れになった。

「それなら……M95を使えば?」

「でも、弾薬が少ないから、すぐになくなっちゃうよ」


 M95とは、バレットM82のボルトアクションモデルで、M82よりも軽量でコンパクトな対物ライフルとなっている。


 弾薬を多く持っておらず、5発しかなかった。

「カノン、ハル! ブラックホークが見えたよ!」

 シノミが走ってこちらに来る。

「グッドタイミングね」

「行きましょ」

 カノンとシモハルは階段を下りて、昇降口から、校庭に飛び出す。

 ブラックホークがこちらに来て、降りようとしていた。

 中から、M95をもった男の人が扉を開けて、大声で話しかける。

「クラン“月下の灯”の人たちですよね!?」

「はい!!」

 大声で返す。



「少し待ってくださいね!」

 男の人が叫んだ瞬間。

 校門のあたりから、RPGが飛んできて、ブラックホークのヘリローターに直撃して落ちる。


「逃げて!」


 カノンの声と共に走って離れて行く。

 ブラックホークが校庭に後ろから墜落した。

 シノミが校門あたりにいた。2人の兵に5.56x45mm弾を撃ち込み倒れる。


 カノンたちは、ブラックホーク墜落現場に急いでいく。

 ブラックホークは、後ろの方は原形をとどめていないが、前の操縦席の部分はきれいに残っていた。


「生きてる!?」

 シノミが操縦席部分を除いたので、カノンが聞いてのだが、首を横に振る。

「だめ運が悪く、破片が首に当たってる」

 シノミが悲しそうな顔をするが、すぐに元に戻す。

「こっちには、M95の弾薬と、XM8が2丁おいてあったよ。他にも、5.56x45mm NATO弾がいっぱい」

 XM8は、軽量なアサルトライフルで、取り回しなどや使いやすさはいいのだが、命中精度がよくない。

「それは、いいことだけど、これで救援がなしかな」

『こちら、ミスティ。どうしました!?』

 無線から若い女性の声が聞こえた。

 カノンが生き残っている無線機を使って話しかける。

「こちら、“月下の灯”のクランリーダーですが、ヘリに乗っていた2人は、死亡しました。」

『ほんとうですか! どうしよう……他のヘリは、いないし……』

「救援は、困難です。敵の位置もわかりませんンし、RPGで撃たれることもありますから」

『ちょっと、待ってくださいね……え! そっちでもですか!』

「どうしたんですか?」

『一つは成功したんですけど、もう一つもRPGの襲撃で救援は無理だという状況です』

「それなら……今から、そちらに合流しますね」

『それが、ベストです。お願いします。合流地点は……そこから、1㎞ほど西南西に行ったところにある学校にします』

「了解です」

『なるべく、空からの支援はします。ご武運を』



 無線が切れる。

「さて、これから1キロの行軍よ」

「武器と弾薬は、たくさんあるから、焦らずに行こう!」

「XM8を2丁持ってこっと。この世界がゲームで助かるわ。背中や、腰にかけてある武器の重量は、なしになってるから、重い武器をいくつでも持ってこれるんだから」

「たしかに……」

 シノミがヘリから無線機を外して背負う。

 3人は合流ポイントへと急いだ。



 ☆

~テイワズ~

 上空では、ブラックホークが銃撃を加えてこちらに来ていた。

「外に出て、知らせないと」

 3人は外に出ていき手を振る。

 その間に、あらかたの敵は、ブラックホークによって排除していた。

「降りてくると思った時に」

 ブラックホークにRPGが飛んできて、何とか当たらずに済んだのだが、それ以上降下できずにいた。

 その時、ヘリからロープを垂らしてラべリングしてくる一人の女の姿が見えた。


 さらにRPGが来たときには、降り切ってこちらに来る。

 離れようとしたときに、もう一人もラベリングで降りるのではなく、滑ってくる女の姿が見えた。



 ☆

~ヴァルキュリアドラグーン~

 UH-60で降りようとしたときに、敵のRPG-7が飛んでくる。

「これ以上の下がることは無理です。RPGの直撃を受けます!!」

 ヘリの操縦員が叫ぶ。

「作戦失敗ね。でも!」

 ヴァルキュリアドラグーンの隊長がロープをUH-60に括り付けて降りる。

「シグレ!! まったく無茶するんだから!」

 隊長ことシグレが地上へ降りる。

「これ以上無理です。一時退却します」

 ヘリの操縦員が言うと、もう一人が無線機を背負ってシグレの事を心配している隊員に向かって言う。

「世話がかかるな!! 私は、隊長の援護に行くから。ヘリは一時退却して、司令官に今後の作戦を聞いて! 」

 それだけ行ってロープを滑って行く。



 ☆

~テイワズ~

 2人がこっちにくる。

 先にロープで降りてきた子は、黒髪のショートの小さな女の子だった。

「私は、ヴァルキュリアドラグーンのクランリーダーです」

 冷静なようで透き通ったそんな声だった。

 続いて、ロープを滑ってきた子もこちらに来る。赤髪のポニーテールの女の子だ。

「シグレは、世話がかかるな!」

 明るい感じではあるが、どこかトゲのある声だ。

「私は、シグレ」

 黒髪のショートの小さな女の子が言う。

「自己紹介といきますか。私は、サキ」

 赤髪のポニーテールの女の子言う。

『こちら、ミスティ。応答してください! 』

 サキの背負っていた無線機から声がする。それを、シグレが取る。

「こちら、ドラグーン。作戦失敗です。救出は無理でした」

『そうなんですか!?』

「RPGの猛攻がすごくて、」

『そうなんですか………… え! ちょっと待っててくださいね。ヘリが落ちた!?』

 突然無線が切れる。

「ヘリが落ちたらしい」

 シグレが冷静な顔をして言うと、3人の顔が青ざめる。

 その間にも、ブラックホークの援護があり、敵は来ない。


 数分後、連絡が来る。


『こちら、ミスティ。コールサインチェンジで、HQとします』

「了解」

『今確認したところ、もう一つの回収地点で味方のヘリが落ちて、操縦員含めて、二名死亡。そして、月下の灯のクランリーダー含めてた3名は、そちらと合流するために、ちょうど東北東の学校へと向かっています。至急、合流してください』

「こちら、ドラグーン。了解」

 無線を聞いた後に、みんなの方を見る。

「みんな聞こえた」

「あぁ、聞こえた」

「聞こえました」

「きいたよ~」

「はいよ!」

 他の4人が頷く。

「それじゃあ、弾薬と武器を味方が落としてくれたみたいだから、弾薬の補充をしてから、行きましょう」


「この中で、スナイパーいる?」

「私です」

 カエデが手を挙げる。

「それなら、これ。ついでに持ってきたから」

「これって、HK417のスコープ付き」

「しっかりと、狙撃仕様だから」

「ありがとー」

 HK417はM4を近代改修したバージョンで、HK417は、7.62x51mm NATO弾を使用できて、精度もよく、使い勝手はよい。


「行きましょうか」

 シグレが言うと、みんなが頷く。

「俺は、マサだ」

「私は、カエデね~」

「シマリです。よろしくお願いします」

「了解、マサにカエデにシマリね」

「こちらこそ、よろしく~」

 新たに2人加わって、5人はカノンたちと合流するために移動を開始する。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人気投票を開催中です。ぜひやってみてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ