-2 不穏な校舎と徹甲弾
テイワズ
1・雅一
2・カエデ
3・シマリ
ソウイル
1・アヤネ
2・ヒメ
3・キリ
アンサズ
1・カノン
2・シノミ
3・シモハル
☆
~アンサズ~
校舎を盾にして、銃撃戦を繰り広げている。
「妙ね……」
カノンが先ほどからの戦闘見て、言い合わらせない感じの何か不吉な感じがする。
「敵が少ない」
今まで15分間の内に、敵との遭遇が6回。敵は2人だけなど小出ししている。
「敵が集まってないの?」
「もしくは、指揮系統が確立されていないからなのか……」
「情報が少なすぎる」
シモハルが、M24で敵兵を1人狩る。
「確かにおかしいね……」
「このまま何もなければいいけど……」
3人は不気味な感じが漂う中、校舎を背に敵を狩っていた。
☆
~テイワズ~
パチンコ屋の中で、防戦をしていた。
駐車場には敵が群がり襲ってくる。
「まずくないか……」
スロットに当たり、中から銀玉が大量に出てくる。
敵の猛攻がひどくてしっかりと反撃できずにいた。
「照準OK」
戦車の中に乗っているカエデが砲塔を敵に向ける。
「発射!」
周りに突風が吹く。
轟音と共に駐車場に穴が出来る。カエデが戦車の中にいて、シノミと雅一が外に出て戦っている。
「これでどうだ!」
M4のアングレを使って、敵を吹き飛ばす。
敵は駐車場にある車を盾にしてこちらに接近してきているのだ。
「最悪だな」
「本当ね」
「やっぱり、マサは厄病神なんだよ~」
「うっせ!」
絶望的な中でも、しっかりと覚悟をもって戦っていた。
「合図してから、30分。まだかな~」
「状況は最悪!」
シノミが叫びながら、G36Cを片手もちで撃つ。そして、もう一方の手で、M67破片手榴弾を取り出して、安全ピンを口でとり、投げる。
爆発と共に、破片が舞い、敵の体に刺さる。
「あれ! 戦車!」
目の前にT-90が来る。
「カエデ、撃って!!」
「無理! 照準が合わせられない」
砲塔の右下にパチンコ台があり、動かせなかった。
「どうすれば!?」
T-90が砲塔の照準をこちらに合わせる。
轟音と共に、125㎜徹甲弾が飛んでくる。
運よく右の方にはずれて戦車には当たらなかったのだが、雅一の近くに当たった。
「マサ!?」
シマリが叫んで、その近くに行くと、雅一が倒れていた。
☆
~雅一~
徹甲弾を撃たれたときに、走ったのだが、時すでに遅く。
近くに当たった。
その爆風で飛ばされたところで俺の記憶は途切れた。
「…………おれ…しんだのか……」
………………。
…………。
……。
「ま…さ……おき………」
「ま………おきて!!」
目を開けると目の前にシマリがいた。
ひどく心配そうな顔をしている。
「マサ! 起きて!!」
「おぉ……」
俺は何とか一言だけ言った後に目を開けれた。
頭がふらふらして、気持ち悪さも少しあった。
「大丈夫!?」
シマリが大声で言ってくるので、耳が痛い。
「大丈夫……じゃ、ないかも」
俺は瓦礫に手を付けて立ち上がる。
目がぼやける。
フラフラして、転びかける。
「しっかりしてくださいよ!」
シマリが肩を持つ。
「あ、ありがとうな……」
「死んでないだけ、ましですよ」
「そうか……」
シマリと一緒にT-90の近くまで行く。
その間にカエデが敵のT-90を撃墜する。
「マサ! 大丈夫!?」
カエデが砲撃した後に顔をのぞかせる。
「…だいじょうぶ」
大声でしゃべれなかった。
「無理しないでください!」
『前に倒れて』
俺のヘッドフォン…いや、頭の中に声が聞こえた。
俺は勝手に体が動いて、シマリと一緒に前に倒れる。
「ちょ、ちょっと!」
シマリも一緒に倒れた。
地面に当たると意外に痛かった。
その直後に、頭上を何かが飛んでいき、少し先で爆発した。
「あれ…RPG!?」
シマリが驚いている。
RPG……たしか、ロケット砲みたいな奴だったような……
「ほら、シマリたて」
大分意識が取り戻してきた。
「運が良かったです。あの時に倒れてなかったら、直撃をくらってました」
シマリがホッとする。
「……あの、声は…………」
突然響いた声、女の子っぽい可愛い声だった。
「……何なんだ……」
俺は頭をフル回転して考えようとしたのだが、頭が重く無理だった。
このゲーム、リアルすぎなんだよ! 心の中で突っ込んでしまった
「2人とも早く!」
カエデが大きく手招きをする。
カエデと合流する事が出来た。
その安心感で、先ほどの声の事を忘れてしまった。
☆
~テイワズ~
雅一とシマリは何とかT-90の車体に隠れる事が出来た。
「どうするんだよ!」
意識がはっきりしてきた雅一が叫ぶ。
「最悪よ!!」
敵は30人近く群がり、Ak-47や、RPG-7を撃ってきている。
3人が戦車を盾に隠れていると、駐車場に銃弾の嵐と、ロケットが降り注ぐ。
すごい爆音を奏でる。
「何!?」
カエデが良く見てみる。
「あれ、ブラックホーク! 煙に気付いてもらえたみたい!」
「まじでか!?」
「やりましたね!!」
3人は駐車場に走って出て行った。